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全国舞踊コンクール入賞者インタビュー「日本舞踊はやっぱり面白い!」~内田悠介(うちだゆうすけ)さん~

全国舞踊コンクール入賞者インタビュー「日本舞踊はやっぱり面白い!」~内田悠介(うちだゆうすけ)さん~

2021年3月24日(水)~4月5日(月)めぐろパーシモンホール(東京都目黒区)にて「第78回 全国舞踊コンクール」が開催されました。

そのコンクールの邦舞第一部門で、初出場ながら4位入賞を果たした、千翠珠煌舞踊研究所の内田悠介(うちだゆうすけ)さんと、その師である千翠珠煌(せんすいたまき)さんにお話を伺いました。

挑戦しようと思ったきっかけ、選曲の理由、出場した感想など詳しくお伺いしました。全国舞踊コンクールに興味がある方、これから挑戦しようと思っている方は、ぜひお読みください。

内容はこちらです。

・挑戦するきっかけは「なにか得られるかもしれない」という気持ち
・なぜ長唄「鶴の寿」を選曲した?
・結果発表はTwitterで。入賞した時の気持ちは?
・コンクール本番の舞台はどんな様子?
・コンクールの舞台で感じた2つのこと
・コンクールを終えて日本舞踊の面白さにあらためて気づいた

「全国舞踊コンクール」は東京新聞が主宰する舞踊コンクール。日本における若手舞踊家の登竜門として1939年から続いている。

毎年全国から1,000人以上が、バレエ、児童舞踊、邦舞、現代舞踊、群舞、創作舞踊の各部門で国内の頂点を目指して競う。日本舞踊は邦舞第一部 (16歳以上)と邦舞第二部(15歳以下)に分かれている。

2020年の全国舞踊コンクールは新型コロナウィルスの影響で中止、2021年は無観客にて開催され、会場の様子はYoutubeにてライブ配信された。

挑戦するきっかけは「なにか得られるかもしれない」という気持ち

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うめざわ

初出場で4位入賞、おめでとうございます!今日はいろいろ教えてください!

まず、内田さんが全国舞踊コンクールに挑戦したきっかけを教えていただけますか?

内田悠介さん

きっかけは、全国舞踊コンクールに出場経験がある大学の先輩や、卒業生の方に「出てみなよ。気づくことがいっぱいあるよ。」と言っていただいたことです。

日本舞踊の世界って、あまり点数をつけたり、比べたりということを表立ってしない世界なんです。

なので、コンクールのような舞台に出る人はどんな人たちなんだろう、そういう人と出会ってみたい、自分もその舞台に立つことで、なにか得られるかもしれない、という気持ちで出場を決めました。

内田悠介 プロフィール

内田悠介(千翠將暉(せんすいまさき))
6歳より日本舞踊を始める。18歳で名取となる。
舞踊集団「千翠流舞」所属

なぜ長唄「鶴の寿」を選曲した?

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うめざわ

コンクールということで、選曲も非常に大切だと思います。

今回、長唄の比較的新しい作品「鶴の寿」を選曲されました。この曲を選んだ理由はなんですか?

千翠珠煌(せんすいたまき)さん

一つ目は、男性の内田くんが踊るということで、鶴が雄大に羽ばたく、遊ぶ様子を表現できると思ったからです。振付も、そのために新しく作りました。

二つ目は、コンクールという舞台でも作品の世界観を余すところなく表現できるからです。

全国舞踊コンクールは「入退場含めて6分」という時間制限があるので、古典作品だと演奏時間が長すぎて、曲の途中を大幅にカットする必要があります。そうすると作品の世界観を表現することが難しくなります。

「鶴の寿」も少しだけカットした部分はありますが、ほぼ全曲を使っています。

千翠珠煌(せんすいたまき) プロフィール

13歳より、倉田保昭のアクションクラブで殺陣、現代アクション、空手アクションなどを学び、スーツアクターとして活躍。その後日本舞踊の世界へ入り、師範取得。

国立劇場など舞台経験多数。 古典にとらわれずクラシックや現代音楽での振付作品、公演も多い。近年では海外公演(マレーシア)、デザインフェスタ出演、ライブハウス公演などさらに活動の幅を広げている。東京表現高等学院MIICA日本舞踊講師。

結果発表はTwitterで。入賞した時の気持ちは?

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うめざわ

入賞という結果を受けて、素直なお気持ちはどうでしたか?

内田悠介さん

「まさか、ぼくが!」と思いました。

内田悠介さん

Twitterで結果を見て、誰が入賞してるのかな、と思ったら、見覚えのある名前があって・・・まさか入賞すると思ってなかったので、しばらく放心状態になりました。

数日後に書面で通知書が来て「本当に入賞したんだ」と実感しました。

初出場で右も左もわからなかったですし、踊り終わったときは、正直「これでいいのかな・・・」とあまり手応えを感じられませんでした。

コンクール本番の舞台はどんな様子?

会場となった目黒パーシモンホール大ホール(公式サイトより)

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うめざわ

そうなんですね!どうしてそのように感じられたのですか?

内田悠介さん

踊りの会と違って、さらっとしているんですね。

出て、踊って、すぐ帰る、みたいな。今年はコロナ対策という事情もあったと思います。

千翠珠煌(せんすいたまき)さん

今回は、出場者が7組ずつにグループ分けされていて、密を避けるために会場には1グループずつしか入れなかったんですよね。

ですので他の出場者もほとんど見れませんでした。

内田悠介さん

お客さんもいませんでしたし、会場のコロナ対策で楽屋も人数制限がありました。そんな事情で、終わった後もすぐに会場をあとにしていましたので。

*来年以降の全国舞踊コンクールでは、変更になる可能性があります。

コンクールの舞台で感じた2つのこと

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うめざわ

踊っているときは、どのようなお気持ちでしたか。

内田悠介さん

まず、コンクールという舞台で、評価の対象として真剣に見られるという経験をして、そのことを楽しむことができました。

内田悠介さん

また「会場全体に意識を向けて踊る」ということの勉強になりました。

15分ある事前のリハーサルのときに分かったのですが、会場にすごく奥行きがあって、天井も高かったんですね。

「鶴が空高く羽ばたいていく」という意識は、先生からも教えられていましたので、会場の特徴も活かして、より高く、会場全体に意識を向けて踊ることができました。そのことがとても勉強になりましたね。

コンクールを終えて日本舞踊の面白さにあらためて気づいた

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うめざわ

先輩に「コンクール出場で気づくことがある」と言われたとおっしゃっていましたが、どのような気づきがありましたか。

内田悠介さん

コンクールという舞台に立つことで、「舞踊」としての日本舞踊がすごく面白いな、とあらためて感じられました。

様々な舞踊のジャンルが参加するコンクールという舞台に参加したことで「舞踊」としての日本舞踊は、洋舞とは何が違うんだろう、共通点は何だろう、などを深く考えるきっかけになりました。

そして芸術作品として日本舞踊は「やっぱり面白いな」と思いました。

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うめざわ

また来年も挑戦されますか?

内田悠介さん

また来年も挑戦させていただきたいと思っています。

目標を持てるって、素晴らしいことだと思うんです。今回、もっと上のレベルを具体的に見せていただいたことで、新たな目標を持つことができました。

また努力をして、一年後に、その答え合わせができたら、と思います。

千翠珠煌(せんすいたまき)さん

このようなご時世でも踊りができることの幸せを感じつつ、またこのような機会を通じて踊りへの様々な向き合い方を学んだり、自分自身の成長のきっかけにしてほしいと思いますね。