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国立劇場再開のために私たちが知らなければならないこと

国立劇場再開のために私たちが知らなければならないこと

少し長くなりますが、国立劇場問題に関心がある方、ぜひお読みください。
先日、国立劇場への取材内容を公開いたしました。
https://oreno-nihonbuyou.com/kokuritsu/

この取材では、閉場が続く経緯なども明らかになりましたが、より重要なことは、問題は「国立劇場」ではなく、この国の文化政策そのものにアプローチせねば、この問題は解決しないということが改めて明確になったことです。
これは、次の質問に対し国立劇場から回答がなかったことに象徴されています。

「ナショナルシアターの不在について:ナショナルシアターが再開の見込みなく閉場が続いていることは、日本の芸術文化政策上、どのような影響や問題点があるとお考えでしょうか。また、その影響や問題点を手当てするために、計画・実行されている施策はありますか。」

これは、国立劇場は「日本の芸術文化政策」についてコメントする立場にないということを表しています。国立劇場ではなくより上位の、文化庁、文部科学省へのアプローチが必要なのです。では、どうすれば文化庁、文部科学省が動くのでしょうか。

省庁、すなわち行政は「法律」の執行機関です。行政の行うことはすべては法律に基づいています。
その法律を作るのは政治家です。すなわち政治家が法律を作り(立法)、行政がそれを執行するのです。

国立劇場を守るためには、その根拠となる法律が必要であり、それがないのであれば政治へ働き掛けて立法する必要があります。
その法律とは具体的に何か。現状それは「劇場法」です。劇場法は正確には「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」といいます。

平成二十四年法律第四十九号
劇場、音楽堂等の活性化に関する法律(e-GOV)
https://laws.e-gov.go.jp/law/424AC0100000049

国立劇場そのものを規定する内容ではありませんが、劇場、音楽堂等の役割を定めたいまのところ唯一の法律です。まずはこの法律を知ることが必要です。4000字程度の短い法律ですが、劇場の未来はこの法律にかかっています。この法律を知り、これに基づき国立劇場の一日も早い再開が必要であることを訴える、必要であれば新たな立法を政治家に働きかける、国立劇場の閉場から約1年半、いまだ再開目度が立たない今、そんなラディカルが動きが求められているのではないでしょうか。

その法律を知るための研究会を5月22日(木)に開催します。興味がある方はぜひご参加ください。武蔵野音楽大学特任教授として劇場や芸術団体の研究、また日本芸術文化振興会のプロジェクトマネージャーもされている中川先生が講師です。劇場法について、そしてその背景にある日本の文化政策についてお話しいただきます。国立劇場は単なる劇場ではなく、伝統芸能に関わる人の誇りであり、象徴であるはずです。一刻も早い再開に向けて、今知るべきことです。みなさんのご参加をお待ちしております。

申し込み
https://theatrical-law.peatix.com/view