【初級編】日本舞踊・基本姿勢の作り方/男踊り・女踊り

【初級編】日本舞踊・基本姿勢の作り方/男踊り・女踊り

ⅰ) はじめに

「基本姿勢」は、日本舞踊の基本にして奥義です。

一番最初に教わり、また最も難しいと言えます。基本姿勢が習熟するほど踊りに説得力は増し、上達も早くなります。お客さんを舞台に釘付けにするための第一の技術です。

しかし…基本姿勢が難解なのは「つい忘れちゃうから」ではないでしょうか(笑)。

振り付けに必死になり、いつの間にか腰が入らなかったり、猫背になったり、軸が曲がったり…。そのため、基本姿勢は踊る前、間、後にいつだって確認する経験をお持ちではないでしょうか。

何度確認しても、し過ぎることはない大切なもの。それが「基本姿勢」です。この記事でも愚直に確認したいと思います。

さて、この記事は初級編ということで、つま先から頭のてっぺんまでの各パーツが「どうなっているのか」を基本事項としてさらいます。次章では、全身を

①下半身

②上半身

③うで

の3つに大きく分けて解説いたします。

それでは❗️普段着のままでも、お立ちになって、記事をスクロールしながら一つずつ基本の形をクリアしましょう。

ⅱ) 基本姿勢の解説

①下半身

まずは棒立ち姿勢です。リラックスして立っています。

【足】

「女踊り」の場合

親指をつけ、かかとをこぶし大に開きます

「男踊り」の場合

かかとを拳大にあけ、つま先は外に開きます。


【ひざ】

「女」の場合、ひざをくっつけます。

ひざを自然に曲げてください。内股になっているため、自然と両足の膝が添います。

「男」の場合、ガニ股になります。

「ガニ股」というと足先を開くイメージが浮かびそうですが、文字通り「股」です。股が大きく外に開いている(割れている)のが大切で、つま先を大きく開くのは不自然です。

◆おしりをしまいこむ

腰から足の付け根の裏に向けて「ぐーっ」としまい込みます。男、女ともに全く同じ動作です。

(左が女、右が男)

◆腹筋に力を入れる

腹筋に力を入れます。

下半身はこれで完成です。最初はこれだけでもつらいと思います。

特にふともも、ふくらはぎが・・・

②上半身

◆胸を張る

はと胸のてっぺん(おっぱいのまん中より1センチほど上)の箇所が体の一番前に来るよう意識します。

◆肩を落とす

両肩を落とします。「真下にグッとさげる」でなく「うしろに落とす」がポイントです。

うしろに落とすと、鎖骨付近にある胸の筋肉が引っ張られますが、それがうまく落とせているかどうか判断できる基準になります。また、肩甲骨が寄ります。

◆あごを引く

あごを指で真後ろ方向にグッと押し込み、維持します。

あごが上がらないように注意!気づかぬうちにやりがちです。

◆頭のてっぺんが天に引っ張られる

頭のてっぺんが天に引っ張られるイメージで、首筋から頭頂にかけてぐっと上に伸ばします。

そして、おでこ・右肩・左肩の三角形が最も広くなるように、意識します。

上半身はこれで完成です。

③うで

「女」の場合

二の腕を内側にひねる

肘より先だけをさらに内にひねり、手を伏せます。このとき二の腕をしまい込んだままにして、動かないように注意。

とはいえ、二の腕をガッチリしまい込んだまま「全く動かさない」のも違います。

肘から下をひねれば、多少は二の腕も回るし脇も開きます。無理のない程度で、二の腕を内にしまうことを意識してください。

 

「男」の場合

肩を落としたまま、二の腕を外にひねり、肘を張ります。肩が上がるのはNG❗️

手は軽く握っておいてください。ピンポン球が入るくらいの隙間を開けます。

以上で腕の形は完成です。

これで男女とも完成です❗️

女踊りと比べ、男踊りは上半身を支えるために腹筋の力が必要です。

ⅲ) まとめ

①下半身
つま先・膝・おしり・腹筋

②上半身
胸・肩・あご・頭のてっぺん

③うで
二の腕・手先

10項目もあります❗️最初は中腰になるだけでもつらいと思いますので、全部を維持するのはとても大変です(笑)。

しかし「はじめに」でも書いた通り、基本姿勢はしつこいくらいに確認し、繰り返し繰り返し、体に刷り込ませましょう。

上手な踊り手は、これらを意識しながら踊っていません。自然とこうなります。基本を体で覚えることが、振り付けや役柄に集中し、表現するための第一ステップです。

誰もが、そこを目指して日々研鑽を積んでいることと思います。そしてこの記事が、皆さまの明日のお稽古の一助となれれば、幸いです❗️

ⅳ) 補足

この記事の内容はあくまで基本の形、もっともニュートラルな形です。

「娘」「翁」「武士」…役柄に応じて形は微妙に変わってきます。バリエーションを増やすのは、今後のお楽しみ❗️

 

また、日本舞踊は一様ではありません。人が変われば、説明の仕方も、内容も力点の置き方も変わります。これは絶対に起きます。

その違いは「衝突するもの」でなく「楽しむもの」と思って、日本舞踊を楽しんでください(笑)。

筆者による「構え」の型 photo:@WeekendDirector

動画による解説

女踊りの基本姿勢

男踊りの基本姿勢

この記事を書いた人:原田 旭

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新宿のリトルシアターで観た女形パフォーマンスに衝撃を受け、29歳で日本舞踊の世界に飛び込む。日舞を通じてその奥深い身体技法や日本古来の鮮やかな情景に触れ、魅了されながら研鑽を積んでいます。Youtbeチャンネルはこちら

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