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これからの「日本舞踊」の話をしよう。日舞の価値と魅力を真面目に考えた

これからの「日本舞踊」の話をしよう。日舞の価値と魅力を真面目に考えた

日本舞踊の価値とは?魅力とは?現代社会において、日本舞踊に存在すべき価値はあるのか?

「日本舞踊はいいよ!」「もっとみんな日本舞踊をやればいいのに」「日本人なら日本舞踊に触れてみてほしい」

日本舞踊が好きな人たちは、もっとたくさんの人に日本舞踊に興味を持ってもらいたいと思っています。それは当たり前のことです。しかし、そもそも日本舞踊をやる価値とか魅力って、いったいなんなのでしょうか。

当時最先端のエンターテイメントであり娯楽であり芸術だった「歌舞伎」から日本舞踊が生まれたのは江戸時代、約400年前のことです。創成期から明治期〜昭和にかけてたくさんの先人たちの苦労や活躍によって日本舞踊は多くの人に習い事、特に良家の女性のたしなみとして親しまれてきました。まだ歌舞伎や着物文化に馴染みがあり日本舞踊も生活に馴染みのある存在であったでしょう。

現代はどうでしょう。着物は贅沢品となり歌舞伎も庶民の娯楽ではなく、教養ある人の高尚な趣味となりました。家元制度に支えられた日本舞踊は江戸文化を当時に近い形で受け継ぎつつ、変化する時代には取り残されてはいないでしょうか。

少子高齢化で習い事マーケットは「史上かつてない分捕り合戦」の様相を呈しています。少子化で一人の子供の教育にしっかりお金をかけたいと思う親たちは英会話や塾、プログラミング教室や留学など「将来役に立つ」習い事、体験に熱心です。変化の早い時代だからこそ生き抜くスキルを身につけてほしいと思うのは当たり前です。そこに日本舞踊という選択肢はいつまで入り続けるでしょうか?

現代において、あらためて「日本舞踊の価値と魅力」とはなんなのかをを考えてみたいと思います。

「日本舞踊」の価値と魅力とは?

そもそも「価値」や「魅力」とは、それを語る人の価値観、立場、解釈の仕方によって大きく変わるものです。日本舞踊が好きな私の考察なので、当然、日本舞踊に対しては全体としてポジティブに捉えているのですが、ネガティブな意見もまた、持っておりますので、そのことも書いています。日本舞踊に対して、何かしらの問題提起、ちょっと大げさですが、さらに良くなる議論のきっかけになればと思っています。

この記事の構成は、まず日本舞踊にどのようものなのか、どのような側面があるのか、を考えていきます。その次に、日本舞踊業界が抱える課題を取り上げ、最後にこれから日本舞踊を維持・発展させていくために、どのような価値と魅力を見出し、発信していくことが必要かを考察しました。

芸術としての日本舞踊

舞踊芸術「日本舞踊」

舞踊という言葉自体は明治時代、「舞い」と「踊り」を組み合わせてできた言葉です。文献上最初に「舞踊」を使用したのは坪内逍遥だとされています(坪内は『新曲浦島』を作り上げるなど邦楽・邦舞の発展に尽力した人でもありました)。

「舞い」と「踊り」の違いについては、「舞い」は旋回運動、「踊り」は跳躍運動、「舞い」は上方、「踊り」は江戸などいくつかの解釈や言葉の採用例がありますが、今日では一般的な使用例としては厳密に区別されないように思います。どちらにせよ、日本舞踊は日本のさまざな舞踊の要素を取り入れた舞台芸術であります。

日本舞踊は江戸時代、歌舞伎から派生しました。日本舞踊家は名取に5〜10年、さらに師範に5〜10年、時間をかけて技と芸術性を磨きます。歌舞伎との大きな違いは舞台の規模もありますが、基本的には独白や掛け合いといった「セリフ」など演劇的要素がない演目が多く演目の「舞踊」が主役であることです。舞踊だけで主人公の感情や意図を観客に伝える技術と表現力が求められます。したがって日本舞踊は「舞踊芸術」であると言えます。

着物、小化粧、道具、舞台装置

舞踊そのものの芸術性に加え、衣装である着物、さまざまな小道具、舞台装置の芸術性も注目すべきでしょう。大舞台では歌舞伎さながらの舞台設定を見ることができます。

エンターテイメントととしての日本舞踊

江戸時代、歌舞伎は庶民から武士まで、幅広い階層の人々に愛される、エンターテイメントの王様でした。「江戸三座(中村・市村・森田)」はじめ多くの芝居小屋があり、歌舞伎役者の首絵は飛ぶように売れました。現代でいえば、歌舞伎は人気テレビドラマ、役者は人気俳優・女優、好きな役者の首絵を買うことは、スマホの待ち受けに好きな俳優の写真を使ったり、ファングッズを購入することなどに例えられるかもしれません。

日本舞踊は江戸初期の歌舞伎の囃し方、志賀山万作が歌舞伎踊りを庶民に教え始めたのが最初と言われています。つまり最初から「習い事」として始まり、歌舞伎好き、芝居好きの庶民の趣味であったと考えられます。したがって歌舞伎ほどのエンターテイメントとしての社会的役割はなく、人に見せるもの、というより自分が踊って楽しむものであり、興行として市場があるというよりは愛好家たちが趣味として楽しんでいるというもので、その傾向は江戸時代から大きく変わっていません。

舞台芸術としての新しい試み

日本舞踊協会主催の「未来座」など日本舞踊らしさを残しつつ新しい表現を模索する試みもあります。「カルメン」や「キャッツ」など有名なオペラ、ミュージカル作品のオマージュや、オリジナルの舞踊作品まで、多数の日本舞踊家、邦楽家の参加しています。日本舞踊作品の舞台は江戸時代以前。その世界観は現代の私たちには、積極的に調べなければ知識も馴染みもない別世界のものになっています。このような公演をきかっけに日本舞踊に興味をもつ新しいファン層が拡大することが期待されます。

一方で、「そもそも西洋の演劇を取り入れて日本舞踊と呼べるのか」「創作ダンスをたまたま日本舞踊家が踊っているだけではないのか」「着物で演じる意味はあるのか」など、そもそも「日本舞踊」の定義が揺さぶられる試みでもあります。

「未来座」の試みは、世界の有名作品や、ゼロベースでの創作により、江戸文化が生んだ「日本舞踊」の定義そのものをを問い直すきっかけでもあります。

スポーツとしての日本舞踊

身体表現である日本舞踊は芸術であると同時に、身体技術を磨く運動的側面、スポーツ的側面を持ちます。「スポーツ」というと芸術性を否定されるようで抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、注目に値する理由があります。日本舞踊家の方では70代、80代になっても現役で踊られる方が大勢いらっしゃいます。中には90代でも踊られる方もいらっしゃいます。これは、足腰を使い、体幹の強さが養れる日本舞踊ならではのことです。そしてスローダンスであり、体力や年齢に応じて振り付けを変えていける柔軟性もあることから、若い時から年をとっても、その時々に合わせたペースで続けていけることも魅力です。

また、日本舞踊では「大腰筋」「大腿筋」「前脛骨筋」といった体を支える筋肉を養うことができます。「大腰筋」は体幹を支え歩行を司る筋肉。大腿筋は太ももの筋肉で体の中で最も大きな筋肉です。「前脛骨筋」はつま先をあげる筋肉で老人の転倒防止に役立ちます。2016年の平地での転倒による死亡者数は5,788人。これは交通事故死を上回る数です。特に老人には前脛骨筋の衰えは潜在的なリスクになります。

生涯教育としてもずっと続けられる体力づくり、体づくりという観点から日本舞踊のスポーツとしての価値があると言えます。

文化の保存・継承としての日本舞踊

邦楽・邦舞の集大成「歌舞伎踊り」

日本舞踊の直接的なルーツは歌舞伎ですが、歌舞伎自体がそれまでの邦楽・邦舞のひとつの集大成と言えます。出雲の阿国の「かぶき踊り」は世俗的で、当時の庶民に熱狂的に支持されました。庶民層の「踊り」から生まれ、江戸幕府に保護され武士階級の嗜みとされた能などの古典、戦国時代語りの芸術として生まれた浄瑠璃も取り込んで発展したのが歌舞伎です。

「歌舞伎舞踊(日本舞踊の中でも歌舞伎ルーツの作品など、歌舞伎と縁が深いもの)」は重要無形文化財にも指定されています。これまで日本舞踊家7人が、この重要無形文化財の各個認定保持者(人間国宝)になっています。

家元制度に支えられた技術としきたりの継承

日本舞踊は「家元制度」によって支えられています。家元をトップとした組織構造です。家元は流派の踊りを代々受け継ぎ、弟子に伝えます。弟子の中で技能・知識に秀でたものは「名取」「師範」となり、中間教授として、また弟子に技芸を伝えていきます。

家元制度のメリットは「継承すること」に優れていることです。「一師匠対一弟子」の関係性だと、師匠が引退すれば技芸の継承はその直属の弟子のみで、それで終わりです。師匠の芸がそのオリジナリティを保ったまま継承されることはありません。

日本舞踊は、流派として組織化され、家元が芸を守り伝えていくことで、何百年もの間、流派オリジナルの個性が失われることなく継承・発展することができました。能も歌舞伎も日本舞踊も、大きく形を変えたり、消滅せず、今日まで継承されてきたのは「家元制度」あってのことだと言えます。また、かつての日本の礼儀作法やマナーなども形を変えることなく保存されています。

一方で・・・家元制度のデメリット

一方で、家元を頂点とするピラミッド型に巨大化するこの制度は、巨大化するにつれ莫大な金額となる教授料や、各種ライセンス料(名取料、師範料)などの利権が絡む複雑な問題も引き起こします。大きな流派の家元の交代には政治的な思惑も発生します。

変化の速い現代、古いしきたりや慣習の世間とのギャップ、温度差も広がっています。教育ビジネスと捉え、サービス提供側として消費者に向き合う姿勢も必要であると考えます。たとえば、入門時に中元、歳暮の説明をしなかったり、舞台費用についてしっかり説明しない、高価な着物の購入を進める教室があることなどはその一つの表れでしょう。かつては良家の子女たちの嗜みとして比較的富裕層の参加率が高かった日本舞踊ですが、日本の所得は落ち、以前のように消費ができる人ばかりではありません。売り手側の情報公開がすすむ現代では、SNSで容易に情報が拡散します。悪気はないとしても、小さな触れ違いが大きなトラブル、いざこざに発展するリスクは大きくなっています。

コミュニティ形成・教育の場としての日本舞踊

日本舞踊教室には様々な世代の人が集まります。コミュニティの魅力も日本舞踊の魅力の一つではないでしょうか。

日本舞踊教室で繋がる人たち

日本舞踊の特徴の一つは、小さな子供から、年齢を重ねても続けることができることです。親に連れられて通う子供、趣味として通う社会人、若いころ習っていてリタイヤ後にまた通い始めたシニア世代など、異なる世代・ステータスの人が日本舞踊を中心に形成するコミュニティは、他の習い事には見られない独特のものです。

サッカーや野球など大人数がチームを形成するスポーツは、どうしても技量や年齢が近っていくという特徴があります。また運動量が多いスポーツも若年層に偏りが生じます。日本舞踊を中心としたゆるやかな結びつきは、子供にとっては異世代とのコミュニケーションを学ぶ機会になり、大人・シニアにとっても人生のサードプレイスとして交流と刺激と得られる場になります。

日本舞踊業界の課題とこれから

日本舞踊人口の激減

日本舞踊を始めるきっかけの一つは「親のすすめ」です。しかし少子化により子供の絶対数が減り続けています。

 我が国の年間の出生数は、第1次ベビーブーム期には約270万人、第2次ベビーブーム期には約210万人であったが、1975(昭和50)年に200万人を割り込み、それ以降、毎年減少し続けた。1984(昭和59)年には150万人を割り込み、1991(平成3)年以降は増加と減少を繰り返しながら、緩やかな減少傾向となっている。2016(平成28)年の出生数は、97万6,978人となり、1899(明治32)年の統計開始以来、初めて100万人を割った。

出生数・出生率の推移 – 少子化対策 – 内閣府

合計特殊出生率が2を下回って久しく、少子化が改善する見込みは「今後ない」と言い切ってもいいでしょう。

習い事マーケットは「史上かつてない、分捕り合戦」に突入

日本の習い事市場の規模は約1兆円。市場規模はほぼ横ばいです。しかし内訳は変化しており、子供向けのスポーツ、外国語教室は好調ですが、そのほかの多くの分野は対象人口の減少により前年割れが続いています。

子供向けも外国語・プログラミングなど実用的な習い事の人気が伸びています。また習い事に通わせる時間がないためeラーニングや動画配信サービスを利用した習い事利用も増えています。共働きの増加から習い事に通わせる時間がない親が、eラーニングや自宅学習を併用できる習い事を優先する可能性もあります。語学学習やプログラミングは自宅学習に適した教育商材であり、こういった習い事との競争になっていくことが予想されます。また、語学(英語)、プログラミングともに小学校で教科化されるなど追い風が吹いている状態、対象人口が減るにもかかわらず、強力なライバルは増え、まさに「史上かつてない、分捕り合戦」に突入するといえます。

日本舞踊が継続・発展していくために発信すべき3つの価値と魅力「健康」「日本文化」「コミュニティ」

日本舞踊の価値と魅力の再発見

日本舞踊の価値とはなんでしょうか?このとき忘れてはならないのが、誰にとっての価値なのか、ということです。私たちはこのことを考えるときに無意識に「自分にとっての価値」を考えてしまいます。しかしこれでは新しい価値を発見することはできません。

日本舞踊を継続・発展させる、という問題意識の元に考えるのであれば、「世間一般のひとたち」にとっての価値を考える必要があると思います。なぜなら、日本舞踊の継続には、日本舞踊人口の維持が必要で、対象人口が減っていくこれからは、今現在、日本舞踊に興味がない、知らない人へのアプローチが必須だからです。

そして日本舞踊の発展には、日本舞踊人口の絶対数が多いこと必要です。絶対数が多ければそれだけ優秀な人材が誕生する可能性が高まります。芸能として秀でた人、普及活動、PR活動に才能を発揮する人、技術の体系化や映像など資料化に才能を発揮する人、国際感覚に優れ、海外発信ができる人、優れた人材を輩出するには人材は多い方がいいのです。

以上から、日本舞踊人口の維持、拡大させるためには「世間一般のひとたち」へのアプローチが必要です。

世間の人は何に興味があるのか、日本舞踊が提供できる価値はあるのか

衣食住、健康、お金、仕事、人間関係。これらは誰しもが関心があり、逆に悩みや問題の種になるものでもあります。これらのものの中で、日本舞踊が問題解決できるもの、価値を提案できるものがあれば、日本舞踊の参加者が増え、人口が増え、最終的には業界の発展につながるのではないでしょうか。

「健康」×「日本文化」×「コミュニティ」

私は日本舞踊が提供できうる価値の中で、特にこれから重要なものは「健康」「日本文化」「コミュニティ」この3つではないかと考えています。

「健康」~いくつになっても動ける体づくり~という価値

健康の価値についてはいまさら語る必要はないでしょう。誰もがその重要性を認識しています。一方で満足のいく健康を手にしている人が少ないのも現実です。ライザップやパーソナルトレーニングといった、短期で負荷をかけて一気に体を作ることや、筋トレがブームです。特に男性には「強い体」を求める人も多いのですが、健康の最終目的はなんでしょうか。私は、そのひとつは「死ぬまで自分で動ける体つくりをすること」であると考えます。超高齢化社会において社会保障費、医療費財政は厳しくなる一方です。どのように考えても年金、医療費は減り、高齢者向けサービスは高額になっていきます。つまり病気リスクを極力減らし、できるだけ長く働ける体力・体づくりは将来への最も重要なリスクヘッジなのです。

高いお金と忙しい合間に集中的に時間をかけなければ健康を維持できない、ということは、継続できないことと同義です。本当に健康になる、その状態維持するためのアクションは習慣化できること、つまり継続できることが大前提です。

日本舞踊はスローダンスです。求められるのは大きな筋肉をつけることではなく、体を支える下半身を中心にインナーマッスルをつけ体感を鍛えること。それは子どもから大人まで参加でき、年をとっても続けられることを意味します。高齢の日本舞踊家がなお、舞台に経ち続けられるのは日本舞踊をしている人には周知の事実です。

そしてそのことは体づくりに特別な機器やマシンは必要ではなく自重によるトレーニングでその体が作れることを意味します。つまり誰でも特別なお金をかけず、生活の中で健康を維持していける、ということを意味します。

このように日本舞踊には健康づくり・体づくりへの知恵とノウハウが蓄積されていますが、その側面で語られる機会は多くありませんでした。日本舞踊の身体技法を健康づくりの観点から研究し、体系化することですでに日本舞踊を行っている人のさらなるコミットメントを生み出し、これまで興味がなかった人への関心を喚起することが可能であると考えます。

「日本文化」~人格形成とグローバル人材に必須の条件~

自分が生まれた日本の歴史や伝統文化を知り、日本人であることの健全なアイデンティティを形成することは自己重要感を高め人格形成にプラスの作用を及ぼします。「日本の文化に誇りを持つこと」は日本に生まれた人にとって、ひとつの「拠り所」となります。

一部の先進的な親は海外で子育てを行い、早期の語学・国際的なコミュニケーション経験を積ませることでグローバル人材へと育てる教育をスタートしています。そして、そういう親こそ、日本人としての人格形成・アイデンティティをどう育てるかを慎重に考えています。

海外留学や駐在経験者は帰国後に日本文化に興味を持つ人が多く、都内のある日本舞踊教室では約半数が海外留学や駐在、在住経年者で占められています。外国人とのコミュニケーションにおいて、日本文化に対する教養が求められ、関心を持つきっかけになるからです。

日本舞踊は邦楽・邦舞のひとつの集大成であり、日本舞踊をきっかけに、例えば着物、宗教、精神性、昔の生活や仕事、大衆文化、武士・貴族文化、器楽、唄などさまざまなことを学ぶことができます。「日本舞踊を知ってほしい」ではなく、教育ツールのひとつとして捉えると、日本舞踊の背景に「日本文化」という大きな広がりを見せることができるのではないでしょうか。

「コミュニティ」〜あらゆる世代が集まる”ちょうどいい”コミュニティの魅力~

日本舞踊は対象年齢が広く、子どもから大人、シニア世代まで参加することができる数少ない習い事です。SNS全盛の現代においてコミュニケーションの量は増大し、インターネット、スマホを通じて一人の人が参加できるコミュニティの選択肢は広がりました。しかしそれは自分の興味関心のあるものに限られ、同質的な集まりであるという特徴があります。

日本舞踊コミュニティは、「日本舞踊」が中心であるという同質性はもちろんあるものの、世代の幅が広く、普段関わりのない人たちとコミュニケーションが取れる場所になります。人間関係は時にストレスですが、人間として幅を広げる機会でもあります。また、日本舞踊教室の規模は10名~数十名規模の大きすぎないコミュニティであることから、一人の貢献や重要性が感じられる規模感であり、一人で日本舞踊を習う、という個人的な活動から、コミュニティ活動へ積極的に参加するという行動も選択が可能な「ちょうどいい」大きさです。

インターネット上でできることが増え続ける現代ですが、「ここでしかできない」という体験の価値は下がることはなく、むしろ上がっていくのではないかと思います。世代を超えたアナログな人間関係を築きコミュニティに参加すること、それが日本舞踊コミュニティの価値ではないでしょうか。

以上、日本舞踊のさまざまな側面を紹介しつつ、これからの課題、日本舞踊がこれからの時代に発信していくべき新しい価値と魅力を考えてきました。このブログも、ささやかながらそれらの価値と魅力を伝えるひとつの試みです。この記事が日本舞踊の価値と魅力について、考え行動する、ひとつのきっかけになれれば幸いです。

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