日本舞踊「七福神(長唄)」に出てくる宝引き(ほうびき)を解説します

日本舞踊「七福神(長唄)」に出てくる宝引き(ほうびき)を解説します

長唄「七福神」に「子供達に御座れ宝引しよ宝引しよと 帆綱引っかけ宝船曳いて来た」という歌詞が出てきます。ここにある「宝引き(ほうびき)」は何のことかご存知でしょうか?この記事では「宝引き」について解説します。

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長唄「七福神」歌詞と解説 – 俺の日本舞踊

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辻宝引きの様子(絵本子供遊より)

「宝引き(ほうびき)」とは「福引き」のこと

宝引きとは、室町時代から江戸時代にかけて、主に正月に行われた福引きの一種です。細い縄などを複数束ねたものから一本を選ばせ引かせます。その先には橙(だいだい)や金銭を結びつけておき、それを引いたものを当たりとしました。

「宝引き」の起源は天皇の余興?

「福引き」の起源は古く、730年に聖武天皇が「仁」「義」「礼」「智」「信」の一文字を書いた短冊を引かせ、引き当てたものそれぞれに褒美を与えた余興であるとされています。

それにヒントを得たかどうかは定かでありませんが、一般庶民の間で似たことが行われるのは元禄年間(1688‐1704)。縄の先に品物をくくりつけ、引き当てた人にあげる、という遊びがありました。古い例に、元禄13年ごろ京都の大道で、新春の景物として行われた例があります。その後江戸にも伝わり、寛延・宝暦年間(1748‐64)には「辻宝引き」と称して,街頭で100本の細縄を用意して,うち数十本には玩具や飴を結びつけ「さござい,さござい(さあこい、さあこい)」とはやしながら,子どもたちを客にして引かせる大道商人もおりました。

新春に宝引きすると蚊に刺されない?

宝引きは子供の遊びとして家庭内にも浸透しました。新春には「正月宝引き」として家庭でも遊ばれたのは、「正月に宝引きをした子供は蚊に喰われない」という迷信があったせいだと言います。

長唄「七福神」の宝引きのシーンの解釈

さて、七福神の歌詞に戻りますと「子供達に御座れ宝引しよ宝引しよと 帆綱引っかけ宝船曳いて来た」とあります。

宝引きの「綱」と宝船の「帆綱」をかけたのでしょう。「子供達はござれ(こどもたちはおいで)、宝引きをしよう」と恵比寿さまが綱を持ってきた。なんとそれは、本物の宝どころか宝船の帆綱だった、という感じでしょうか。なんともスケールが大きいですね。

参考記事

長唄「七福神」歌詞と解説 – 俺の日本舞踊

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