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【取材】日本舞踊は「良き相棒」!~藤間美都也(ふじまみつや)~東京都昭島市

【取材】日本舞踊は「良き相棒」!~藤間美都也(ふじまみつや)~東京都昭島市

東京都昭島市で日本舞踊と三味線教室を開いている、藤間美都也(みつや)さんにお話を伺いました。

声優を志し養成所時代に日本舞踊と出会った美都也さん。ブランクを経て「自分と向き合うこと」の大切さを教えてくれた今の師匠と出会い、「日本舞踊でいく!」と心が決まります。

2020年には師範の資格を取り、日本舞踊の先生としてのキャリアをスタートされました。また、オンラインレッスンなども積極的に取り入れ、とても勉強熱心な先生です。

美都也さんは「日本舞踊は良き相棒」だと言います。その理由や、日本舞踊を教える際のこだわりなどを伺いました。

藤間美都也(ふじまみつや)プロフィール

東京都日の出町出身 1972年11月15日生まれ。
藤間流勘右衛門派 教授免許取得
杵勝会名取(杵屋裕呂太)

舞台出演作品
平成4年「朝丘雪路 芸能生活40周年記念リサイタル」
平成5年「萩の乱れ」「艶姿・四季の彩り」(朝丘 雪路主演 ・御園座)
平成6年「赤ひげ」(森繁 久彌主演・東京宝塚劇場)
その他、歌舞伎座、国立劇場など出演経験多数。

拝島を中心に「ライブ in 拝島」を開催。
日本が誇るアニメ、漫画や日本舞踊という、ジャパンカルチャーツートップを愛する踊りの先生です(^^)

美都也さんと日本舞踊との出会い

美都也さんと日本舞踊との出会いは、声優を目指して勉強していた養成所の授業でのこと。

卒業後、芸能事務所のオーディションには残念ながら落ちてしまったが、日本舞踊は続けたい、と、教えに来てくれていた先生の一門へ入門する。

学生時代からダンスサークルに入っていて体を動かすのは好きだった美都也さん、古典的なものや着物や浴衣、お稽古が好きだったので日本舞踊も好きになった、と話す。

歌舞伎座など大きな舞台や、大物女優のバックで踊ったりと、このころ多くの経験をされたそうだ。

しかし就職に伴って転居、通うことが難しくなってしまい、このころ一度、日本舞踊からは離れてしまう。

「心を決めてくれた」師匠との出会い

仕事が落ち着いたころ、地元でまた日本舞踊を始めようと、お稽古場を探し、いまの師匠と出会った。

ちなみにそのきっかけは姉弟子にあたる人のブログで、そのブログに「師匠が大好き!」という内容がつづられていたことで、興味を持ったのだそう。

「お稽古場体験に行って師匠から、『来週から来る?』と言われて、反射的に『来ます!』と答えていました(笑)」

「緊張してお稽古場に早く着いてしまったんですけど、先輩もとても優しかったことも決め手の一つでした。」

そんな美都也さんの師匠は藤間達也先生。美都也さんを「導いてくれる人」なのだといいます。

「自分と向き合うこと」を教えてくれた

大人になっても、ずっと「自分に向き合っていくことが重要」。そのことを師匠との稽古から学んだという美都也さん。例えば、稽古中、上手に踊ろうとすると、すぐさま見透かされるのだという。

「『上手いと思ってもらいたいというエネルギーを、他で使いなさい』って」

自分がこれからもメインでやっていくのは日本舞踊!と心が決まったのは師匠のおかげ。」

師匠との出会いによって、日本舞踊を教わるだけの立場から、今は教える立場にもなった美都也さん。実は三味線も弾けるマルチタレントだ。

「連獅子に感動して」三味線もこなす

踊りだけではなく、三味線も習い始めたきっかけは。

「ある舞台で、『連獅子』の地方さん*の演奏に感動したのがきっかけです。オトシのところがすごく好きで、あれを弾きたい!と思って。

それまでは立ち方*しか見てなかったんですが、その時は演奏に感動して泣いてしまいました。」

三味線でも、名取「杵屋裕呂太(きねやひろた)」として地元でライブを行ったりと、こちらも精力的に活動している。

*地方さん 楽器、唄の演奏者の方たちのこと
*立ち方 踊り手のこと

日本舞踊の師匠として、大切にしていることはなんですか?

教えてもらったものが一直線で続く

「楽しいのが一番だと思いますけど、きっちりするところはきっちりします。」

常に心がけけていることは、教えてもらったものが一直線で続く」ということ。

「立ち振る舞い、所作的、考え方など私が師匠から受け継いできたものを、伝えてあげたい。それが『師匠と弟子』だと思います。」

「自分の後ろにいるはずの先生、その先にある『藤間流』を常に意識しています。自分は師匠と藤間流の先人たちの名前を背負っていることを忘れずに、自分が教えてもらったことを一直線に繋いでいきたい。

美都也さんはとても明るくて、少し子供のよう、と言ったら失礼だろうか。華がある中にも、とっても親しみがある先生だ。しかし、この言葉を聞いたときは、その中にも、伝統を受け継いでいく、という強い芯が見えた瞬間だった。

美都也さんが伝えたい、日本舞踊を習う魅力とは

いつもと違う日常を味わえること

美都也さんは仕事をしながらお稽古に通っていた時、仕事がきついとき、忙しいとき、我を忘れそうなとき、日本舞踊のお稽古をしているときだけは集中できる、自分だけの時間が持てたのだそうだ。

「私には、これがあるから生きていける、自分の中に、そういう特別なものがある、ということをお稽古の中で感じることができました。」

また、舞台の経験もとても身になっているという。

「『舞台に立てば一人』。どんなに緊張しようが、やりきらないといけない。舞台で学んだその覚悟が仕事でも役立ちました。」

仕事でも、どんなに忙しくても、結局は覚悟を決めて冷静にこなしていかないといけない。そのような状況では、日本舞踊で鍛えた舞台度胸が力になってくれたのだそうだ。

日本舞踊はよき相棒

「日本舞踊をやっていると、礼儀、お作法などで学んだことも多いし、辛いとき、しんどい時に助けてくれるのも、日本舞踊。日本舞踊はいい相棒になるということを伝えたいです。

お弟子さんを持つようになってからも日本舞踊教室という場が、お弟子さんたちにとって特別な場所になってほしいと思っている。師匠として、一人ひとりと向き合うことを大切に、自分のお弟子さんへの感謝の気持ちも忘れない。

例えば、新しく入門した女の子が、着物を着れるようになったら、その子だけではなく美都也さんも「私こそ、ありがとう」と一緒に感動して感謝する。

時には門下生と一緒に飲みに行くこともある。社会人が多く、普段はお稽古の時間もバラバラ。

だから、そういう時こそ、今なにやってる?だれだれさんどうしてる?と、お互いに声を掛けあって、ここには、仲間がいるんだよ、と感じてもらう機会にしたいのだそうだ。

美都也さんのこれからの目標は?

現在はソーシャルディスタンスや衛生対策を徹底してお稽古を行っている

実は美都也さんは2020年に教室を開いたばかり。まだ門下生同士、踊りを披露しあう場を持っていない。

「人に見せあう場を早く持たせてあげたいですね。」

日本舞踊教室では、夏には浴衣会、年末に踊り(舞い)納め、年始には初浚い、踊り(舞い)初めなど、季節の要所要所で発表会を開くのが一般的だ。

飲食業界で働いていた期間が長い美都也さんは、飲食店で三味線ライブなどの経験もある。

大小の舞台経験から様々なことを学んできたという美都也さんだけに、お弟子さんたちにも人前で踊る経験をさせてあげたいという気持ちもひとしおだろう。

まずは地元のホールや、畳の広い座敷のある飲食店なども視野に入れつつ、最初の発表会を計画している。

取材の中で、とても踊りや三味線、伝統芸能が好きで、お弟子さん思いである様子が伝わってきた。

教室は始まったばかりだが、これからどんな一門になっていくのかとても楽しみだ。

 

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