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日本舞踊人口減少に見る人材育成の必要性

日本舞踊人口減少に見る人材育成の必要性

公益社団法人日本舞踊協会によると、同協会の令和5年度末の会員数は3,452人。

平成30 年度末には4,347人だったので、6年で約1,000人、割合にして29%の減少となっている。

 

すべての流派が協会に所属しているわけでもなく、また、すべての名取が会員になるわけではないので、会員数は名取(一部師範)の一部ではあるが、業界全体の傾向を表していることは間違いないだろう。

 

また、年齢構成は公表されていないので不明だが、高齢化率も高いのではないかと予想される。

これらが、これから日本舞踊を継承できる人材育成が急がれる理由だ。

 

求められる人材育成には大きく2つの種類があると考えている。

 

1.(プロ・アマ問わす)技術や知識を良く教える
2.プロ育成のための教育

 

1.によって日本舞踊指導者の指導技術の底上げがなされれば、結果、名取、師範に相当する、つまり、日本舞踊のわざを継承していく担い手が増えていく。

2.は、プロ指導者やプロ舞踊家を育てるための教育だ。

サッカーがライセンス制度を活用することにより、短期間で世界レベルのプレイヤー、チームを作りあげることができた、と以前紹介した(舞踊家が個人として直面している課題について整理し、その解決方法を考えたい。)。

同様に、指導のための普遍的な理論や考え方の共有、上達、あるいはプロを目指すために必要な知識の統一などは、組織横断的に取り組むに値することではないだろうか。

 

もちろんこれは、流派や先生の独自性、個性を否定したり、指導法の画一化を目指したりするものでは決してない。