現在「日本舞踊のお困りごと」について匿名アンケート実施中です。ご協力いただける方はこのテキストをクリックしてください(フォームが開きます)。

長唄「嵯峨の春(さがのはる)」歌詞と解説

長唄「嵯峨の春(さがのはる)」歌詞と解説

京都・嵯峨の春の、桜の美しさを描いた一曲です。

長唄「嵯峨の春」解説

渡月橋と桜

桜の名所「嵯峨」ってどんな場所なの?

嵯峨は、正式な地名は「嵯峨野(さがの)」といいまして、京都府左京区の地名です。

嵯峨野周辺には多数の寺社仏閣があるほか、紅葉でも有名な「嵐山」、大堰川(桂川)にかかる「渡月橋」、「竹林の道」など観光名所が点在します。

嵯峨野は、この曲にあるように桜の名所でもあります。

世界遺産「天龍寺」のしだれ桜、渡月橋から望む山桜、「保津川の川下り」で舟から楽しむ桜など、見どころがたくさんあります。

嵯峨野の桜は、かつて奈良の桜の名所である吉野山から移植されたとも言われており、そのエピソードが能の「嵐山」という演目にもなっています。

藤原定家の〇〇でも有名

嵯峨・嵐山は、古くから風光明媚な場所であり、平安貴族にも愛されていました。今から約800年前、そのことを象徴するようなことが、藤原定家によって行われています。なにかご存じでしょうか?

ヒントは、嵯峨野の西にある「小倉山」です。

「小倉山」で藤原定家が編纂したのが、今でも多くの人に親しまれている「小倉百人一首」なんです。

桜の美しさに焦点

この曲には筝曲「嵯峨の春」という原曲があります。こちらは、嵐山の桜の宴で一目ぼれした女性を忘れられない男性が、女性を思慕して思い悩むという内容です。

長唄「嵯峨の春」は、嵯峨の風物、毎年変わらない桜の美しさに焦点をあてた作品となっています。

長唄「嵯峨の春」歌詞の意味

山桜

弥生なかばの嵯峨の春
嵐の山の山桜 色香妙なる花の宴
散りても残る心の花に また繰返すこの春も
巡り巡りて花盛り

三月中頃の嵯峨は、山桜が盛りを迎えている
色香がなんとも見事な花見の宴
散っても、その印象は心の花として残り続ける
繰り返し訪れる春は 今年も巡ってきて花盛りを見せている

嵯峨の寺々 回らば回れ
水車の輪は流れに揉まるる 川柳は水に揉まるる
ふくら雀は竹に揉まるる 都の牛は車に揉まるる
茶臼はひき木に揉まるる 揉まれ揉まれて花吹雪

嵯峨の寺々を回る
水車の輪は、流れに揉まれる 川の柳は水に揉まれる
ふくら雀は竹に揉まれる 都の牛は車に揉まれる
茶臼は挽木に揉まれる 桜も揉まれて花吹雪となる

地元の桜糸桜 八重九重に咲き乱れ
花は景色を彩りて 嵯峨の春の錦なりけり

この地の桜はしだれ桜 八重九重に咲き乱れて
辺りの景色を彩り 嵯峨の春を錦で飾っているようだ

作品情報

作曲者 松島庄十郎
歌詞 筝曲「嵯峨の春」より(補綴:村山亘)

長唄「嵯峨の春」歌詞

弥生なかばの嵯峨の春
嵐の山の山桜 色香妙なる花の宴
散りても残る心の花に また繰返すこの春も
巡り巡りて花盛り

嵯峨の寺々 回らば回れ
水車の輪は流れに揉まるる 川柳は水に揉まるる
ふくら雀は竹に揉まるる 都の牛は車に揉まるる
茶臼はひき木に揉まるる 揉まれ揉まれて花吹雪

地元の桜糸桜 八重九重に咲き乱れ
花は景色を彩りて 嵯峨の春の錦なりけり

歌詞・解説カテゴリの最新記事