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業者さんを選ぶときに具体的にやること・注意すること【映像会社を例に解説】

業者さんを選ぶときに具体的にやること・注意すること【映像会社を例に解説】

先日、知り合いの先生から「舞台の写真や映像を撮ってくれる会社を探したい」という相談を受けました。

私から直接紹介できる業者さんはいなかったのですが、探し方なら多少のアドバイスはできます。ポイントは、主に以下の6点です。

・準備すること
・探す方法
・比較・絞り込みの軸とポイント
・交渉する際のポイント
・契約時、特に注意すること
・トラブルを避けるために

業者さん選びは重要です。同じ業務を依頼するのでも、業者さんによって1~2割価格が違うのは当たり前、時には2~3倍以上の価格差があることもあります。もちろんクオリティも違います。

舞踊会の経費であれば、参加費に直接影響し、業者さんの選定によってお弟子さんが参加できる、できないが決まることさえあるでしょう。それほど重要なのです。

探し方のコツは、撮影の業者さんだけではなく、そのほかのサービス事業者さんを探すときの参考にもなるかと思うので、この記事に詳しくまとめます(ここでは、撮影業者さんの選定を例に解説します)。

私は前職で総務部長を6年務めており、その間、オフィスビル賃貸や、複合機やウォーターサーバーといった備品、Web制作におけるクリエイター及び制作会社、弁護士や税理士、社労士といった顧問、Web広告会社等の、比較・調査・選定・契約に多数、関わってきました。その経験とノウハウを元に書いています。

この記事の内容
準備すること4つ
・目的を明確にする
・優先順位を決める
・納期を決める
・予算の目星を付ける
探す方法3つ
・紹介を依頼する
・インターネット検索
・紹介サービスに依頼する
比較・絞り込みの軸とポイント
・実績
・価格とサービスのバランス
・ネットの口コミ評価はどこまで信じられるか
交渉する際のポイント
・サービスのクオリティと範囲
・納期
・フィードバック・口コミ
契約時、特に注意すること
・内容は十分確認する
・支払いのタイミング
・契約期間
・解約規定
・返金規定
トラブルを避けるために

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準備すること4つ

いきなり探し始めるのではなく、まず準備が大切です。業者さん選定だけではなく、成果物のクオリティにも影響しますので、次の4つには必ず取り組んでください。

・目的を明確にする
・優先順位を決める
・納期を決める
・予算の目星を付ける

目的を明確にする

まず最初にやること、かつ最重要なのは、目的の明確化です。舞台の撮影なら、「お弟子さんにとっての最高の思い出を、映像とアルバムで残してあげたい」、「教室や自分のPR動画にも活かしたい」、「最低限の記録を取っておきたい」・・・。さまざまな目的が考えられます。

目的によって、求める成果物の種類やクオリティも変わります。最低限の記録だけなら、高価な機材は必要ないし、PR動画に活用したいなら、編集にも対応している会社を選ぶ選択肢も出てきます。

目的を書き出した結果、複数の目的が混在しているかもしれません。その場合は次の作業を行ってください。

優先順位を決める

複数の目的がある時は、優先順位をつけます。

「できれば、映像をかっこよく編集して納品してほしい。でも費用が上がるかもしれないし、その優先順位は低めで、予算の範囲内に収まるときだけ依頼しよう」

このように、目的ごとに優先順位を付けておくと、予算交渉や、意思決定をスムーズに行えます。以下の例のように、最低限と理想にカテゴリ分けしておいてもいいですね。

最低限
・記録映像(ハイビジョン)
・演目ごとに分割されたDVD
・舞台の写真
・発表会後、2ヵ月以内の納品

理想
・演目ごとに分割されたDVDと通しのDVD
・DVDのパッケージデザイン
・2台以上のカメラで映像編集あり
・楽屋写真、オフショット写真
・発表会後、2週間以内の納品

納期を決める

成果物である映像データや現像した写真などをいつ受け取りたいのか、納期を決めておく必要があります。最近は会の映像を、後日オンラインで配信する教室もありますので、納期次第で配信スケジュールに影響が出ますよね。

Web制作や紙の制作物などにおいても納期管理は重要です。

予算の目星を付ける

条件交渉において、「いくらかかりますか?」という受け身の姿勢で臨むと、残念ながら足元を見られてしまう可能性もゼロではありません。特に、料金表を公開していない業者さんでは、会社ごとに価格を変えるところもあります。合理的な理由(ボリュームディスカウントしている、お得意様でフォローのコストが低いので値下げに応じている、など)がある場合もありますが、そうでない場合も。

ですので、あらかじめ、こちらの希望予算を持っていくことが重要です。予算を決める方法には大きく2つあります。

理想の予算から希望予算を決める

発表会の全体経費をここまでに押さえたいから、撮影費はこれくらいまでに収めたいな、と、全体の予算から逆算して決める方法です。相場がまったくわからない場合や、予算を厳守したい場合には、このような決め方でも良いでしょう。ですが、並行して、次に挙げる方法で、相場感も掴んでおくことをお勧めします。

インターネット検索で相場感を掴む

適切な業者さん選定には、その業界の相場を掴んでおくことが重要です。不当に高い金額を支払ったり、異常に安く、代わりに質の悪いサービスを選んでしまうことを避けられます。

なお、選ぼうとするサービスが相場より高い、安いというギャップがある場合には、その理由を確認します。相場とのギャップに妥当な理由がなければ、選ばない方が無難かもしれません。

相場の参考事例「イベント撮影にかかる平均費用と料金相場【2022年完全版】」(アイミツ)
ここに紹介されている音楽ライブイベントの見積もり例を参考にすると、費用はおよそ10~15万円程度であると予想されます。ここに編集費は含まれているのか、写真も依頼するとどうなるのか?など分からないことは追加で調査する必要がありますが、検索でおおよその費用感はつかめます。

探す方法3つ

目的と予算が整理出来たら、いよいよ業者さん選定に入ります。代表的な3つの方法を解説します。

・紹介を依頼する
・インターネット検索
・紹介サービスに依頼する

紹介を依頼する

まずやってほしいのが、知り合いに紹介を依頼することです。口コミ・紹介は信頼性の高い選び方です。すでに実績があり、価格やクオリティを正確に確認できますし、紹介される=信頼できる一定の保証にもなるからです。

インターネット検索

インターネット検索も有効な方法です。撮影に関しては、YouTubeブームもあり、撮影業者、編集業者が増えています。そのような会社をまとめてくれている、まとめ記事などもあり、探しやすい環境です。

難点は、数が多すぎて選べないということです。絞り込み方は次章で詳しく解説しますが、最初に行った、目的と優先順位の明確化と予算の目安ができていれば、比較的迷わずに業者を絞り込むことができます。

紹介サービスに依頼する

紹介サービスが使える場合もあります。不動産賃貸や、引っ越しの見積もりサービスなどは馴染みがある人も多いでしょう。同様に映像制作やWeb制作などにもエージェントサービスがあります。利用の際は、手数料がかかるかどうか、依頼までのフローなどを確認してください。

比較・絞り込みの軸とポイント

紹介や検索でいくつかの業者さんの候補リストができました。ここから比較、絞り込みを行っていきます。そのポイントを解説します。

・実績
・価格とサービスのバランス
・ネットの口コミ評価はどこまで信じられるか

目安は3社程度に絞ったうえで、相見積もり(同じ条件で複数社に作ってもらった見積もり)を取り、最終検討して決定、です。多すぎると、迷って選べない、打ち合わせや選定に時間がかかるなどのデメリットが生じます。

実績

成果物のイメージを知るのに最も有効なのが実績です。可能であれば、過去の実績を見せてもらいましょう。
日本舞踊の舞台で実績がなくても、演劇やダンスの撮影など、似た仕事をされていれば、それを見せてもらうことで成果物の見当がつきます。

価格とサービスのバランス

安いに越したことはありませんが、安ければ良いというわけでもありません。すでに相場を知っているあなたは、なぜ安いのか、あるいはなぜ高いのか、をしっかり確認すべきです。なぜか。それは、業者選の失敗リスクを下げることに加えて、理由がわかれば条件交渉に使えるからです。

例えば、以下のような、理由と交渉可能性が考えられます。

カメラの台数が多く、スタッフも多いので高い
→カメラとスタッフを減らして安くできないか

高価な機材を使うので高い
→求める最低限のスペックの機材にして安くできないか

編集費用が高い
→最低限の編集にして安くできないか
→データだけもらって編集はこちらでできないか

写真撮影が高い
写真撮影は別の業者さんに頼むことで、安くできないか

安い場合も確認が必要です。それがクオリティや、こちら側の手間が増えることに影響するかもしれないからです。撮影会社の価格が安い理由には、例えば以下のような理由が考えられます。いずれも、実績やクオリティなどを十分に確認し、選定の材料にしましょう。

・開業したての会社だから、あえて安く営業している
・副業で行っているから安くできる
・最低限の業務しか行わない(DVD化などのオプションがない)

一般的に、大企業は人件費や家賃などの経費が高いのでサービスの価格は高め、中小企業や個人事業主は安め、という傾向があります。

ネットの口コミ評価はどこまで信じられるか

このような業者さんの選定に限らず、ネットの口コミを参考にする機会が増えています。Googleマップや口コミサイトの評価を参考にする方も多いと思いますので、その際の注意点を一つ。口コミはそのまま鵜呑みにしてはいけません。

口コミは操作可能ですし、サクラの可能性も否定できません。口コミを参考にするなら、担当者から受けた説明や自分で確認した実績などを元に複合的に判断しましょう。

交渉する際のポイント

有望な候補が3つに絞れました。相見積もりをとったら、いよいよ交渉です。もちろん、ここまでで満足の行く内容になっていれば、特に交渉せずに決定しても良いのですが、以下のようなポイントも参考に、できるだけ良い条件で依頼できるよう交渉してみましょう。

・サービスのクオリティと範囲
・納期
・フィードバック・口コミ

業者さんも一緒に仕事をする仲間ですから、お互いのメリットがしっかりと確認できれば、条件交渉は成立します。

サービスのクオリティと範囲

先すでに「比較・絞り込みの軸とポイント」で触れていますが、サービスのクオリティと範囲によって、価格など交渉することが可能です。

価格を下げて欲しいが下げられない場合、「オマケ」的なサービスの追加を提案するなど、「サービス追加」を交渉するパターンもあります。例えば、「値段が下げられないのは仕方ないから、サービス内容には入ってないけど、準備中の楽屋とか、会場の様子などオフショット的な写真を、サービスで撮ってくれませんか?」というような交渉が考えられます。価格が同じでサービスが増えるので、実質、値下げとなります。

提案が低コストで実現できる内容であれば、業者さんにとっても負担が少なく受注できるので、お互いのメリットを最大化することができます。

納期

成果物の納期によって価格が変わる場合があります。一般に、早めると高く、遅くすると安くなります。撮影の場合、編集された動画の納期を遅くしていいので、もう少し安くなりませんか?という交渉がありえます。

フィードバック・口コミ

サービスを受けた後のアンケート回答、SNSシェアなどで割引や追加サービスが受けられるなどのキャンペーンを行っている場合があります。利用できるキャンペーンや企画がないか、聞いてみても良いでしょう。

契約時、特に注意すること

やっと1社に決まりました。最も重要な、契約時の注意点です。大きな舞台の撮影後に、いつまで経ってもデータが納品されない、音信不通になってお金も返ってこない、という悲惨なトラブルも聞いたことがあります。契約書は交わしていなかったそうです。

契約書があれば必ずトラブルが防げるわけではありませんが、きちんと契約を交わすことは万が一トラブル、訴訟になったときなどの武器になります。

ここでは特に注意したいポイントに絞って解説します。

・内容は十分確認する
・支払いのタイミング
・契約期間
・解約規定
・返金規定

内容は十分確認する

当たり前ですが、内容は良く確認しましょう。弁護士によるリーガルチェックができれば理想ですが、できない場合は、家族や友人でもよいので、誰か別の人に読んでもらう、ダブルチェックは最低限行った方が良いです。

支払いのタイミング

支払いのタイミングがいつなのか、前払いなのか後払いなのか?などです。こちら側の理想としては、納品後に支払いです。万が一、先方都合で撮影が成立しなかったとき、お金が返ってこない、などのリスクを避けられるからです。

契約期間

Webサイトの保守契約や、広告の掲載期間など、一定期間契約を継続する時は、必ずチェックしてください。最低契約期間が半年や1年と決まっていることに気づかず、解約したくても1年間サービス料金を払い続けなければならない、といったトラブルがあります。

撮影でも、映像や写真の納期についての記載を確認しましょう。「成果物を撮影当日から1ヶ月以内に納品する」などです。ない場合は記載を提案してください。

解約規定

同様に解約規定も重要です。解約する場合は、何日前に通知しなければならないか、通知方法は書面か、メールでもよいのか、キャンセル料はあるのか、などを確認しておきましょう。

返金規定

前払いの場合や、サービスを受けている途中で解約する場合の返金規定も要チェックです。残存期間に応じて返金なのか、サービスが開始されれば返ってこないのか。こちら側に明らかに不利な条件であれば、契約前に交渉することも検討しましょう。

トラブルを避けるために

最後に、トラブルを避けるために、業者さんとのコミュニケーションはなるべく書面に残しておきましょう。

口頭での約束でも契約は成立しますが、記録がないと「言った言わない」になり、トラブルになると厄介です。メールであれば履歴が残ります。口頭で決めたことも、あとで文章にまとめ、メールで送っておくと安心です。特に契約書や条件通知書等の書面を作らない場合は、メールで良いので必ず先方へ内容を送ってください。

「いつも頼んでいるところだから、紹介だから、契約書がなくても大丈夫」と思われるかもしれませんが、契約書は万が一揉めたとき、あなたと、お弟子さんも含むあなたの教室を守るために作成するものです。特に舞台に関わる大きな予算を扱う場合は、お弟子さんへの影響も大きくなります。

まとめ

「撮影業者さんを選ぶ」を参考に、業者さんを選ぶポイントについて解説しました。

準備すること4つ
・目的を明確にする
・優先順位を決める
・納期を決める
・予算の目星を付ける
探す方法3つ
・紹介を依頼する
・インターネット検索
・紹介サービスに依頼する
比較・絞り込みの軸とポイント
・実績
・価格とサービスのバランス
・ネットの口コミ評価はどこまで信じられるか
交渉する際のポイント
・サービスのクオリティと範囲
・納期
・フィードバック・口コミ
契約時、特に注意すること
・内容は十分確認する
・支払いのタイミング
・契約期間
・解約規定
・返金規定
トラブルを避けるために

最重要なのは「目的を明確にすること」です。ここがブレなければ、あとはノウハウを抑えれば、大きな失敗を避けられます。より良いサービスを選ぶことは、教室の先生だけでなく、お弟子さんのハッピーにつながります。良い業者さんとの出会いがありますように。