日本舞踊に関するお困りごとを送る 問い合わせ
日本舞踊の論文25選

日本舞踊の論文25選

この記事では日本舞踊について書かれた論文を紹介します。

論文一覧
単眼カメラによる映像記録を⽤いた⽇本舞踊の3次元再構築の試み―⽇本舞踊の⽂化資源化によるデジタル世界への埋め込みを⽬指して―
日本舞踊における基礎動作「オクリ」の基本形の特徴
日本舞踊の基礎動作「オクリ」に現れる娘形技法の特徴
日本舞踊における観者の心理と動作の関連性について
日本舞踊における身体動作の感性情報処理の試み -motion captureシステムを利用した計測と分析-
日本舞踊における身体動作からの感性情報の抽出 -ビデオ映像を用いた評価実験-
骨格角度情報による日本舞踊動作の解析
舞踊動作を表す構造変数と時空間変数の比較—日本舞踊を題材として—
モーションキャプチャによる舞踊のデジタルアーカイブ
モーションキャプチャを用いた日本舞踊の動作解析の可視化システムの構築
<総説>『日本舞踊の「間」について』 : 伝統芸術の美学
舞踊動作を表す特徴についての検討
日本舞踊における目遣いの定量的分析-アイマークレコーダとモーションキャブチャによる視線と身体動作の同時計測-
日本舞踊における「腰」の技法分析—モーションキャプチャを用いて—
肩角度情報を用いた日本舞踊の「振り」部分
日本舞踊「黒田節」の伝承について
見返りすぎない美人:日本舞踊における振り向く動作の特徴と女性 らしさの印象
モーションキャプチャの舞踊教育活用モデルの開発
モーションキャブチャを利用した舞踊身体動作の類似検索とその評価
日本舞踊における体幹部の技法分析および基礎練習法の提案: モーションキャプチャシステムを用いて
演技経験が日本舞踊の身体運動の評価構造に与える影響
日本舞踊の”狂い”動作が鑑賞者に与える心理効果の定量的分析
日本舞踊の身体動作における技の評価と定量化への試み
日本舞踊の流派の特徴に対する検討
日本舞踊における流派とキャリアの相違が心理に与える影響

単眼カメラによる映像記録を⽤いた⽇本舞踊の3次元再構築の試み―⽇本舞踊の⽂化資源化によるデジタル世界への埋め込みを⽬指して―

(要約)本研究では、⽇本舞踊家の師範 3 名の協⼒を得て撮影した 5 本の映像を⽤意し、モーションを姿勢推定によって抽出したものを CG アバターと CG で作成した現実に即した着物に適応してシミュレーションを実施した。

本研究は最終的に、実践者⾃らの⼿による⽇本舞踊のデジタル⽂化資源の作成と公開を⽬指した際に、どのような⼿順を踏めば⽇本舞踊を三次元デジタル⽂化資源化することができるかを実験し、結果として 5 つの⽇本舞踊映像を三次元で再構築し、三次元化のプロセスの中でどのような問題が⽴ちはだかるかを明らかにした。

結論として、本研究は⽇本舞踊の発展と活性化を⽬指した伝達には、ただデジタルアーカイブするだけでなく、⽂化資源化を通じた保存的役割及び発信の可能性と創造的発展の可能性を獲得することが必要であることを強調する。舞踊モーションと着物のクロスシミュレーションを合成したデータを⽣成した本研究は⽇本舞踊の機械学習による研究において障害となっていた⾐装を原因とする学習データ作成を解決する助けになるだろう。

筆者:田宮彩香

論文情報URL:https://oreno-nihonbuyou.com/ayaka-tamiya/

日本舞踊における基礎動作「オクリ」の基本形の特徴

(要約)様式性の高い日本舞踊は、振り全体が、型にはまった幾種類かの姿勢や動きの単位の組み合せで出来ているとされる。こうした姿勢や動きの単位の数は舞踊の種類によって異なり、日本舞踊の場合は手足別々に約1 000種を考えれば普通の踊りには事欠かないという[1]。オクリとは、数多い足の動きのなかでも振りの要素となる重要な基礎動作のひとつで、技術的に修練を要する難しい動作である。本研究では、すでに計測したオクリのモーションキャプチャ・データのなかから、「説明的動作」の14例を取り上げる。この14例には、3歩のリズム(間)がほぼ同じで、必ず手を差しながら進むという共通点がある。そこで本研究は、足首と重心・胸・肩に関する指標、足と手に関する指標のそれぞれの関連性を定量的に解析し、これらがオクリという基礎動作の基本形をなすことについて客観性を持たせて実証していくことを目的とする。

筆者:吉村 ミツ、中村 佳史、八村広三郎、丸茂 祐佳

掲載誌:情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=55105&item_no=1&page_id=13&block_id=8

日本舞踊の基礎動作「オクリ」に現れる娘形技法の特徴

(要約)日本舞踊の娘形作品には、オクリ・スベリ・ソリ・ナンバ・ヒネリの5つの基礎動作が多用されている。娘形作品と5つの基礎動作との関係は丸茂の学位論文のなかで、娘形作品の習得課程が進むにしたがって基礎動作の技と、「娘」を表現していく力が養われていくことを立証し、娘らしさ・女らしさを印象づける娘形技法を51種類特定した。本研究は、5つの基礎動作のうちオクリを取り上げ、16作品中から65の全オクリをモーションキャブチャで計測したのち、「女性的表現」を示すオクリ18例に注目し、吉村が考案した指標計算アルゴリズムを用いて、オクリの特質が胸・重心・足首の指標にどのように表れるかを検討した。その結果、詳細なデータ解析から、娘形技法の特質である「しっとりとした女らしい印象」を与える波形の定量的分析は可能であることが客観的に呈示された。

筆者:丸茂 祐佳、吉村 ミツ、小島 一成、八村 広三郎

掲載誌:じんもんこん2003論文集

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=100436&item_no=1&page_id=13&block_id=8

日本舞踊における観者の心理と動作の関連性について

(要約)本研究は、日本舞踊の動きが観者にどのような感情を喚起させるかを検討することを目的とした。特に日本舞踊の流派の違いによる印象への影響について検討を行った。また、各流派の印象の違いが、どのような動作から導かれたものかも検討した。実験は、5流派を代表する女性舞踊家によって、「娘道成寺」という演目の一部分を所属する流派の型(振)で踊ってもらい、それをビデオ収録し、その映像についてSD法により心理評価の検討を行った。また、その踊りの型(振)をモーションキャプチャで計測し、型(振)の違いによるデータ解析を行った。その結果、同じ演目であっても、流派によって観者に与える印象が異なっていた。また、心理評価の結果でみられた男女性とモーションキャプチャで解析された回転速度の緩急とで相関がみられた。このことから、わずかな動作の差であっても観者はそれを認知し、異なった感情を喚起することがわかった。

筆者:三戸 勇気、篠田 之孝、川上 央、丸茂 美惠子

掲載誌:日本認知心理学会第5回大会

論文情報URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/cogpsy/2007/0/2007_0_23/_article/-char/ja/

日本舞踊における身体動作の感性情報処理の試み -motion captureシステムを利用した計測と分析-

(要約)本研究は、日本舞踊における身体動作の感性情報処理研究の一環として、感性評価実験によって得られた主観的情報と、モーションキャプチャシステムによって得られた物理的情報との対応関係を検討することを目的としている.日本舞踊の既存の演目の中から,「寂しい」「楽しい」「厳かな」「鋭い」「流れるような」「躍動的な」「さりげない」という7種の感性情報を伝達すると想定される振りについて,モーションキャプチャを用いた計測と分析を行った.本稿では特に時性要因としての速度情報に着目し、主成分分析によって特定された各振りの代表マーカの速度情報と感性評価で得られた主観的な情報との関連性について検討した。

筆者:阪田 真己子、丸茂 祐佳、八村広三郎、小島 一成、吉村 ミツ

掲載誌:情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=55106&item_no=1&page_id=13&block_id=8

日本舞踊における身体動作からの感性情報の抽出 -ビデオ映像を用いた評価実験-

(要約)本研究では,1名の演者に松本の7 Motivesのカテゴリー「寂しい」「楽しい」「厳かな」「鋭い」「流れるような」「躍動的な」「さりげない」に対応する振りを演じさせた映像を刺激として評価実験を行った.刺激映像からどのようなイメージが感じ取られるかを調べ,さらにイメージに運動の型がどのような影響を及ぼすかを示す重回帰モデルの構築を試みた.主成分分析の結果、42語からなる松本のCheck List2から6つの成分が抽出され、日本舞踊独自の認知構造が提示された.また,重回帰分析の結果、それぞれの振りから感受される感性的イメージには、固有の運動の型が寄与していることが示唆された。

筆者:阪田 真己子、八村広三郎、丸茂 祐佳

掲載誌:情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=55115&item_no=1&page_id=13&block_id=8

骨格角度情報による日本舞踊動作の解析

(要約)本研究は、モーションキャプチャー装置から得られるマーカーの3次元位置情報を使って、日本舞踊の動作を客観的・定量的に解析・評価する手法について述べたものである。これは、動作を”振り”と呼ばれる部分動作に分けたのち、これらの動作の特徴を調べるもので、振りごとに師匠の技を模倣している程度を評価することが目的である。動作を定量的に表現する方法は、体の向きや姿勢に依存しない体中心の座標系を使った体各部位の位置情報を算出することにおよび骨格を線分とみて、それらのなす角度や方向を算出することである。この座標系により得られた値を使って、数人の踊りデータから振り動作を抽出することができた。この動作特徴を表現する骨格角度を定義し、抽出されたこれらデータの有効性を検討してみた。

筆者:黒宮 明、吉村 ミツ、村里 英樹

掲載誌:情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=55132&item_no=1&page_id=13&block_id=8

舞踊動作を表す構造変数と時空間変数の比較—日本舞踊を題材として—

(要約)本研究では、モーションキャプチャ装置で計測した舞踊動作について、構造に関する変数(構造変数)と時空間に関する変数(時空間変数)を計測し、動作および動作者を識別する性能を基準にして、どちらが情報を多く含むか を比較している。 対象舞踊動作は日本舞踊の「娘形作品」で多用される基礎動作「オクリ」である。用いたデータは、熟達した舞踊家が、概念的説明をしようとして踊った動作と、その生徒の2舞踊家、および3人の初心者が同じ動作を各複数回踊った動作を、モーションキャプチャ装置で計測したものである。構造変数は、吉村らが定義した48種類の指標、およびそれらの比で表したものである. 時空間変数は、モーションキャプチャ装置から出力された、31個のマーカ及び「オクリ」に関係のある対象部位 8個のマーカのy座標、およびルートマーカとの相対座標である. 本研究では、複数の動作を識別できるか、複数の舞踊家を識別できるか、という2種類の実験を行い、どの変数が高い正答率を与えるか調べている。 実験の結果は、31個のマーカのy座標時系列を利用した場合が高い正答率を与えていた。 その中でも相対座標系で行う方がよかった。

筆者:吉村 ミツ、八村 広三郎

掲載誌:画像電子学会誌 / 37 巻 (2008) 4 号 / 書誌  p. 396-404

論文情報URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/iieej/37/4/37_4_396/_article/-char/ja/

モーションキャプチャによる舞踊のデジタルアーカイブ

(要約)本報告では、立命館大学で行っている舞踊の身体動作のデジタルアーカイブとその応用に関する研究について述べる.舞踊の身体動作の計測には、光学式モーションキャプチャシステムを利用している.これで得られる動作データに対して、定量的な解析により舞踊動作あるいは踊り手の識別を行い、また、舞踊動作の中から特徴的な部分を抽出する.さらに、身体動作そのものの類似性に基づく類似検索に関する研究、および、舞踊を見たときの鑑賞者が得る感性と身体動作との関連性の研究についても述べる.アーカイブした舞踊の身体動作データを用いて、教育用CGコンテンツを作成したり、VR環境下において舞踊のコラボレーションを行う試みについても触れる.

筆者:八村広三郎

掲載誌:情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=52084&item_no=1&page_id=13&block_id=8

モーションキャプチャを用いた日本舞踊の動作解析の可視化システムの構築

(要約)近年、高度な技能の継承・保存は各分野で重要な課題になっている。本研究は日本舞踊の教育現場におい て高い教育的効果を発揮する教育用システムの開発 を目的に、舞踊動作の可視化システムの構築を行って いる(1).本文は日本舞踊の同一演者の自己研鑚による 舞踊動作の変化を比較提示できる可視化システムを 構築し、1 年後の舞踊動作の比較検討を行った報告で ある。

筆者:酒井賢人、水谷裕介、篠田之孝、三戸勇気、渡沼玲史、小沢徹、丸茂美惠子

掲載誌:平成 24 年度 日本大学理工学部 学術講演会論文集

論文情報URL:https://www.cst.nihon-u.ac.jp/research/gakujutu/56/pdf/L-67.pdf

<総説>『日本舞踊の「間」について』 : 伝統芸術の美学

(要約)日本の古典芸能は一口に言って「間」の芸術である。西洋の時間芸術がリズムにのって流動するのに対して、日本の時間芸術は流れるよりもむしろ止まる。絶え間なく流れ行く時間の中で、いかにして静止するかに腐心する芸術であるといってよい。日本舞踊の「間」という形こうしたテーマをとりあげたこの小論では,邦舞の「間」の問題を三つのステージで捉え,第一のステージでは,いわゆる「常間」という規則正しい間拍子のとり方を吟味の対象とし,第二のステージでは,「常間」では一応の舞踊の形は整うけれども,芸術としての面白味(踊り手の側からみれば「個性」)を出すには,一歩進んでことさらに間のリズムを壊して,変則の間拍子を工夫する必要のあることに触れ,第三のステージでは,間拍子の工夫がただ技術的巧拙の段階にとどまる限り,そこに芸術としての味わいを醸し出す余地はなく,ここで一段飛躍して,芸術に精神性の表出を求める立場から,いわば「気合の芸術」として,日本舞踊の「間」の問題に迫ろうとする。これらの作業が、日本文化の特質解明の一助ともなりうれば幸である。

筆者:増子 博調

掲載誌:山野研究紀要 1993 年 1 巻 1 号 p. 53-60

論文情報URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/yca/1/1/1_KJ00000042342/_article/-char/ja/

舞踊動作を表す特徴についての検討

(要約)本研究では、モーションキャプチャ装置で計測した日本舞踊動作について、構造に関する変数(構造変数)と時空間に関する変数(時空間変数)を計測し、動作及び動作者を識別する性能を基準にして、両者の持つ情報を比較している。対象舞踊動作は日本舞踊の「娘形作品」で多用される基礎動作「オクリ」である。用いたデータは、熟達した舞踊家が、概念的説明をしようとして踊った動作と、その生徒の2舞踊家が同じ動作を各複数回踊った動作を、モーションキャプチャ装置で計測したものである。構造変数は、吉村らが定義した48種類の指標、及びそれらの比を取ったものである。時空間変数は、モーションキャプチャ装置から出力された、31個のマーカ及び「オクリ」に特に密接な8個のマーカのy座標である。本研究では、複数の動作が識別できるか、複数の舞踊家を識別できるか、という2種類の実験を行い、これらの変数のうちの、どのようなものが高い正答率を与えるか調べている。 実験結果としては、31個のマーカのy座標時系列を利用した場合が最も高い正答率を与えていた。

筆者:吉村 ミツ、八村広三郎、丸茂 祐佳

掲載誌:情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=55070&item_no=1&page_id=13&block_id=8

日本舞踊における目遣いの定量的分析-アイマークレコーダとモーションキャブチャによる視線と身体動作の同時計測-

(要約)日本舞踊における「目遣い」は、作品の表現性に寄与する重要な技術であるといわれている.そこで本研究は、アイマークレコーダとリアルタイムモーションキャプチャを用いて視線と身体動作の同時計測を行い、日本舞踊における「わざ」としての「目遣い」と、それを補佐する「首の動き」を定量的に分析した.従来の口伝や踊り手の表現の意図が実証的に裏付けられる可能性が示唆されたのでこれを報告する.

筆者:阪田 真己子、丸茂 祐佳、八村 広三郎、崔 雄、吉村 ミツ

掲載誌:じんもんこん2005論文集

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=100500&item_no=1&page_id=13&block_id=8

日本舞踊における「腰」の技法分析 —モーションキャプチャを用いて—

(要約)本研究では日本舞踊の身体技法のうち,参与観察で「腰を動かすな/腰を安定させろ」という指導 がなされた腰の技法に注目し,指導者と生徒 4 名の実際の腰の動きをモーションキャプチャにより比 較した.「腰の中心」と「腰の周囲」という概念から総移動量と XYZ 座標における動きを分析した結 果,指導言語からただちに推測されることとは異なり,熟練者の腰が極めて動的な状態の中で安定的 に使われていることが明らかになった.またこの結果から指導言語の新たな解釈について考察した.

筆者:宇津木 安来、露木 雅彌、高岡 英夫

掲載誌:じんもんこん2017論文集

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=184750&item_no=1&page_id=13&block_id=8

肩角度情報を用いた日本舞踊の「振り」部分

(要約)本研究は、日本舞踊を構成する”振り動作”に相当する部分を踊りの全体(ストーリー)から抽出する方法を検討している。具体的には、赤外線追跡装置によって得られた両肩の3D位置情報から両肩を結ぶ線分の角度、すなわち、水平面に投影した回転角とこの水平面に対する傾き角度を算出し、これらの時系列データのDPマッチングにより、全体から部分動作を抽出する。この方法を師匠および同一師匠に学んだ舞踊家の舞踊に適用し、その有効性が検討された。

筆者:黒宮 明、吉村 ミツ、横山 清子

掲載誌:じんもんこん2002論文集

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=182180&item_no=1&page_id=13&block_id=8

日本舞踊「黒田節」の伝承について

(要約)日本舞踊の「黒田節」の技能の伝承について考察した。歴史的な背景や舞踊の形態そのものの伝承は、1分30秒程度であるがそのマスターは、かなり困難なものである。師匠が、模範を示して、弟子がそれをまねるという伝承能方法をとる。この際、基本姿勢の変化や、銃身の位置、顔の向き、それと連動した手足の動き等、説明されて習得は不可能である。元来、指導書として言語化された虎の巻はない。伝承の過程の映像を示して、言葉による説明と共起する動作等の分析をした。

筆者:沢 恒雄

掲載誌:人工知能学会第二種研究会資料 / 2013 巻 (2013) KST-18 号

論文情報URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaisigtwo/2013/KST-18/2013_04/_article/-char/ja/

見返りすぎない美人:日本舞踊における振り向く動作の特徴と女性 らしさの印象

(要約)本研究では,男女の日本舞踊の熟練者および経験者による,女踊りにおける振り向く動作をモ ーションキャプチャで計測した得られたデータからスティックフィギュアを作成し,その映像に対して,男女 8名の鑑賞者に男性らしさと女性らしさの印象評価を行ってもらったその結果,男性熟練者による 振り向く動作が最も女性らしいと評価された.そして、その動作を分析し他の動作と比較した結果、首の 回旋角度に有意差 はないにも関わらず,両肩の傾き、肩の位置、腰の位置が異なることが示された. 日本 舞踊の熟練者による振り向く動作から美しい見返りを考察する.

筆者:鹿内菜穂、小島一成、八村広三郎

掲載誌:第21回公開シンポジウム「人文科学とデータベース 」 発表論文集2015

論文情報URL:https://www.jinbun-db.com/journal/pdf/vol_21_49-55.pdf

モーションキャプチャの舞踊教育活用モデルの開発

(要約)これまで、舞踊の熟達には長い時間がかかった。しかし、舞台役者の養成では、短期間で 「わざ」 を熟達させることが求められる。そこで、筆者らは舞台役者の 「わざ」 熟達化に対しモーションキャプチャを活用することによって支援することが可能ではないかと考えた。舞台役者養成所の研究生にモーションキャプチャを行い、3DCG および身体の動きのグラフを作成した。それらの活用に関してインタビューを行った結果、情報が削られることにより身体の動きや位置などがわかりやすくなるなどのメリットが明らかになった。本研究では、舞踊教育の現場で舞踊の熟達化支援に対しモーションキャプチャを活用した場合の利点について考察し、モーションキャプチャをどのように活用すれば効果的に舞踊の 「わざ」 熟達化を支援することが可能かを検討した。さらに、その知見をモデル化することを目的とした。

筆者:佐藤 克美、海賀 孝明、渡部 信一

掲載誌:研究報告人文科学とコンピュータ(CH)

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=62155&item_no=1&page_id=13&block_id=8

モーションキャブチャを利用した舞踊身体動作の類似検索とその評価

(要約)モーションキャブチャシステムによって得られる身体動作データは,無形文化財としての舞踊のデジタルアーカイブおよび舞踊の研究にも利用されるようになってきている.本報告では,舞踊の身体動作をモーションキャブチャによって計測したデータを対象として,類似している身体動作データを検索するための手法を提案し,主に日本舞踊の動作を対象とした実験の結果と評価について述べる.身体動作の類似性の定義、動作データの正規化の方法、全身での検索と身体の一部分のみに注目した検索などについて検討し、実験により良好な結果が得られることが確認された.

筆者:高橋 信晴、八村 広三郎、吉村 ミツ

掲載誌:じんもんこん2003論文集

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=100435&item_no=1&page_id=13&block_id=8

日本舞踊における体幹部の技法分析および基礎練習法の提案: モーションキャプチャシステムを用いて

(要約)本研究は、日本舞踊の女踊りで特に重要な「体幹部」の 中の“胸”と“腰”の技法 について明らかにすることを目的とし、日本舞踊の教育・伝承への貢献を目指す.研 究は、「指導―学習」の現場における教えの調査と、モーションキャプチャによる計測 という二つのアプローチから行う.日本舞踊の“女踊り”とは、踊り手自体の性別とは 関係なく、女の役柄で踊る踊りをさす.また本研究における「体幹部」は、伝統的に言われてきた“腰”・“胸”・“腹”・“背”を含む「手足頭」以外の胴体部をさすものとする。また本研究において「手足頭」は「体幹部」の対義語として使い、「体幹部」以外の四肢+頭部をさすものとする。

筆者:宇津木安来

掲載誌:東京藝術大学博士学位論文

論文情報URL:https://core.ac.uk/download/pdf/270226733.pdf

演技経験が日本舞踊の身体運動の評価構造に与える影響

(要約)日本舞踊の評価における家元の有している評価構造を明らかにするため、ある流派の日本舞踊の家元と日本舞踊経験者、未経験者に対し感性評価実験を行った。まず、家元から得られた評価データに対して因子分析を行い、その結果と家元の意見をもとに家元自身の評価モデルを作成した。家元の評価モデルを用いて経験者群と未経験者群の評価データに対し共分散分析を行った。各々の適合度指標の結果から、演技経験の有無が家元の評価モデルとの適合度に与える影響を定量的に明らかにする。また、経験者群と未経験者群においても因子分析を行い、家元と経験者、未経験者のそれぞれの因子項目を比較することで経験によって有する評価項目や、家元のみが有する評価項目についての検討を行う。当日はこれらの結果から日本舞踊の表羽化に対して、演技の熟練度が与える影響について議論する。

筆者:田中 祐貴、伊丸岡 俊秀

掲載誌:日本認知心理学会第20回大会

論文情報URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/cogpsy/2022/0/2022_89/_article/-char/ja/

日本舞踊の”狂い”動作が鑑賞者に与える心理効果の定量的分析

(要約)本研究では日本舞踊演目 『鷺娘』 を取り上げ,熟達者へのインタビューから選定した 「身体のある特定の部分を強調する動作」 「柔軟性を示す動作」 「高速回転」 「上下への不規則的で急速的な切り替え動作」 の 4 種類の “狂い” 動作が鑑賞者にどのような心理効果を及ぼすかを定量的に分析した.結果、共感性高低により “狂い” 動作への印象評価が変化することがわかった.

筆者:雜賀 玲衣、松居 辰則

掲載誌:研究報告人文科学とコンピュータ(CH)

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=159449&item_no=1&page_id=13&block_id=8

日本舞踊の身体動作における技の評価と定量化への試み

(要約)本研究は、モーションキャプチャを用いて日本舞踊の熟練者の動作を計測し、熟練者の言及する技について物理的特徴による評価と明確化を図った.熟練者が技を用いた良い動作とそうでない悪い動作を踊り分け、それらを収録した.得られた動作データをアニメーション映像で熟練者に提示し、技が現れる箇所や重要とされる身体部位など指摘してもらった.その手掛かりをもとに、膝と腰動作の定量的解析を行った.その結果、技が現れる良い動作例には、腰動作が伸びていること、膝動作は極端に屈曲しないことを確認した.

筆者:鹿内 菜穂、中村 雄太朗、八村 広三郎

掲載誌:研究報告人文科学とコンピュータ(CH)

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=82409&item_no=1&page_id=13&block_id=8

日本舞踊の流派の特徴に対する検討

(要約)本研究は、日本舞踊の流派に対する印象評価と動作解析の両面から検討を行ったものである.日本舞踊の流派として代表的である5流派の40代、30代、20代の3年代の日本舞踊家の踊りをビデオ撮影し、それを被験者に鑑賞させてSD法による印象評価を行った.その結果、形やデザインのような舞踊の質的側面を表す形容語に対しては,各流派内でグループ化がみられた.その一方で、時間的な流れ、リズムや嗜好性を表す形容語は、流派内よりも年代内で似通った結果がみられた.このことから、形やデザインといった空間の使い方が流派の相違に影響があると考えた.そこで、モーションキャブチャを使用して、背中と腰の移動位置による影響を相関分析により検討した.その結果、同一流派内で移動位置の相関係数が高い傾向を示した.このことから、同一流派内では、同様の空間デザインを用い、それが観者の心理にも影響を及ぼしていることがわかった.

筆者:三戸 勇気、篠田 之孝、渡沼 玲史、丸茂 美恵子

掲載誌:じんもんこん2008論文集

論文情報URL:https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=100681&item_no=1&page_id=13&block_id=8

日本舞踊における流派とキャリアの相違が心理に与える影響

(要約)本研究は、日本舞踊の動作が観者にどのような感情を喚起させるかを検討することを目的としている。特に今回、日本舞踊の流派とキャリアの違いが観者の印象に与えるの影響について検討を行った。また、その流派とキャリアの違いが、どのような動作の影響を受けているのかの検討も行った。 実験は、SD法を用いた印象評価とモーションキャプチャシステムを用いた動作解析で行った。日本舞踊の代表的な5流派の4年代の女流舞踊家に「娘道成寺」という演目の一部分を所属する流派の『振』で踊ってもらい、それをビデオ収録した。その映像についてSD法による印象評価を行った。また、その踊りをモーションキャプチャで計測し、動作の相違についてのデータ解析を行った。 今回は、SD法の結果を多次元尺度構成法による分析と、モーションキャプチャデータの位置座標を用いた相関分析の結果から、日本舞踊に対する印象評価と動作解析の関連について検討を行っていく。

筆者:三戸 勇気、篠田 之孝、丸茂 美惠子

掲載誌:日本認知心理学会発表論文集 / 日本認知心理学会第7回大会

論文情報URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/cogpsy/2009/0/2009_0_5/_article/-char/ja/