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【不謹慎?】日本舞踊教室のメリットと「コスパ」

【不謹慎?】日本舞踊教室のメリットと「コスパ」

これから日本舞踊教室へ入ろうと思っている方へ。「日本舞踊って高いんじゃないのかな?」と思ってませんか?金額は大きな関心事ですよね。この記事では日本舞踊教室のコストパフォーマンス=「コスパ」を考えてみたいと思います。

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そもそも日本舞踊教室で払うお金はいくらなのか、そして何が得られるのか。これを書き出していくことで、自分にとってコスパのよい日本舞踊教室はどこか、考える参考にしてもらえると嬉しいです。

あまり伝統の世界でコスパとか、経済性なんかを考えると不謹慎と言われそうですが、一般人からすると不透明な世界だからこそ、何ができて何ができないのか、費用はどのくらいで、自分にとってよい教室とはなんなのか、考える1つの基準を提供したくて書きました。

コスパがいい=費用対効果が高い、とは?

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一言で言うと、費用として払ったものに対して、たくさんのものを受け取れる、ということです。

コスパはコストパフォーマンス、すなわち費用対効果です。同じ費用に対して得られる効果の大きさが大きいほど、費用対効果がよい、ということになります。

例えば同じ映画を見たいとき、チケットを定価で1,800円で買うのと、金券ショップで1,700円で買うのでは、「映画」そのものは同じなので費用の安い後者の方が費用対効果がよい。お腹いっぱいになりたいとき、牛丼屋さんAで一杯350円の牛丼を食べるのと、牛丼屋さんAで大盛り豚丼350円を食べるのでは、同じ値段でより満腹になれるという意味で、B店の方が費用対効果が高いということになります。

無駄なものをそぎ落として価格を下げるか、付加価値をつけて価値を上げるか

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サービスの提供側から見て、自分の販売する商品のコスパを上げる方法は大きく2つの方向性があります。

  • 無駄なものをそぎ落として価格を下げる
  • 付加価値をつけて価値を上げる

この2つです。

無駄なものをそぎ落として価格を下げる

これはわかりやすいですね。必要な機能に絞ってその分値段を下げる方法です。

事例:生命保険

一昔前の生命保険商品は、医療保険や生命保険、掛け捨て、貯蓄型がパッケージになっているものが主流でした。要はいろんな保険がごちゃまぜで一緒くたになっていた、ということです。とりあえず不安だから、選ぶのが面倒だから、という人には良かったのですが、シンプルに「死んだ時だけそこそこ家族に残ればいい」とか「がんのときだけ受け取りたい」など、ニーズが絞られている人には余計なお金がかかる商品でした。今はカスタマイズが可能になり必要な保険にだけ入る、ということが簡単になりました。

結果、とにかく安いのがいい、という方や、必要なもの以外はいらない、という目的がはっきりしている人にとって手に取りやすくなります。とにかく必要なものだけ欲しいので、(その人にとって)無駄が多い他の商品より「コスパがいい」のです。

付加価値をつけて価値を上げる

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もう1つは、価格を下げず、付加価値をつけて全体の価値を高める、というやり方です。

事例:動画配信サービス

NetflixやU-NEXT、Amazonプライムビデオなど、動画配信サービスが盛んです。いずれも映画や過去のドラマなどを定額で見ることができます。しかし、どのサービスでも同じ番組が見られるのでは差がありません。そこで各社力を入れているのが「独自コンテンツ」です。

それぞれが、独自にドラマやドラマや映画を制作、「限定配信」「オリジナル作品」として話題を呼べは、そのコンテンツ目当ての入会者が現れます。この「独自コンテンツ」が動画配信サービスの付加価値です。

付加価値をつけるメリット

同じサービスで値段を下げる、というやり方だと、価格競争になってしまいます。消費者にとってはいいことのようですが、先日、運送業者が運賃値上げに踏み切ったように、最終的には消費者に返ってきます。

一方で付加価値をつけて独自のサービスにすることができると、価格競争力が上がりライバルと比較されなくなります。

AppleのiPhoneは「シンプルで使いやすい」「カッコイイ」というわかりやすい価値訴求で、機能ではアンドロイドに劣る、と言われ続けながらも、そのブランドイメージによって圧倒的な支持を得ています。これはiPhoneのブランドも含めた価値が独自のものであり、価格では選ばれていないことを表します。

日本舞踊教室に「払うもの」と「受け取るもの」

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それでは、日本舞踊教室のコスパとはなんでしょう?コスパが良い、とは、払ったものに対してたくさん受け取れる、ということでした。それには日本舞踊教室で「払うもの」と「受け取るもの」を考えるところからです。

払うもの=費用は?

費用=入門者が払う報酬=教室が受け取る金銭です。

すなわち月謝、発表会謝礼、歳暮、中元に現金を渡すことになっている教室はそれも含まれるでしょう。以下、参考です。

初期費用

入門費 0円〜10,000円くらい。

扇子や手拭いを教室から買う場合もあるが、これはほぼ実費程度でしょう。

月謝

月々8,000円〜20,000円

稽古の回数、時間にもよります。月4回、1回30〜60分くらいのところが多いですね。

季節の挨拶

お歳暮、お中元の時期に月謝の1ヶ月分ないし5,000円程度を師匠に渡すところが多いようです。

発表会への参加費用

参加費は、素踊り、着物一枚、浴衣一枚で踊るような会なら、会場代と運営費、師匠へ開催のお礼で20,000〜50,000円程度。

衣装カツラ、生演奏(地方-じかた、といいます)付きだと数十万円から100万円を超える場合も…(1人の金額ですよ)

より詳しい内容はこちら。

【完全版】初心者のための日本舞踊教室探し7つのポイント【社会人対応】

受け取るものは?

受け取るものはなんでしょうか?これは教室から提供されるサービスです。

  • 日本舞踊の技術指導
  • 着物の着付け
  • 日本舞踊に関連する知識の教授
  • 日本的なマナー、礼儀作法など
  • 舞台での立ち振る舞い

このようなものではないでしょうか。おそらくみなさん納得されると思います。実際に、私の周りには「着物が着れるようになりたい」「子供に和の心得を身につけさせたい」といった理由で日本舞踊の世界へ入ってこられた方が多くいます。

日本舞踊教室で受け取るものは、本当にそれだけか?

教室が提供しているサービスは上記のようなものがありました。それでは、入門者が得るものはそれだけでしょうか?ちょっと考えてみましょう。こんなものも、得られるものは考えられないでしょうか。

  • 舞台で踊りを披露するという経験、達成感や舞台度胸
  • 伝統文化の世界に身を置いているという充実感
  • 日本の古典作品の知識・理解
  • 着物を手頃に買う方法を知れる
  • 知らないものを学ぶ喜び
  • 学んで成長することで得られる自信
  • 日常において、着物を着て出かけるという選択肢
  • 同じ趣味の仲間
  • 体を動かす習慣
  • 日常を離れてリフレッシュできること
  • 会社や家族以外のコミュニティに所属する経験
  • 歳の近い友人ができる
  • 年の離れた友人ができる
  • ママ友ができる
  • 社会人の知り合いができる
  • 人生の先輩に話を聞ける
  • SNSに写真を投稿して注目を集める

このようなものは明確に教室のサービスとしては意識されないものの、教室に通うことで得られるもの、得られる可能性があるものとして、暗黙下で入門者が期待しているものです。

コスパを考えるときは、これらの経験や体験も、受け取るものとして考えます。

報酬に見合ったサービスだと、どう判断するか?

まず受け取りたいものを決める

払うものと受け取るもののバランス。これはどこで生まれるのでしょうか。日本舞踊教室で得られるものをざっと見たところで、次はそのために、その中であなたが「受け取りたいもの」を決める必要があります。なぜなら、「いらないもの」をたくさん受け取っても、意味がないからです。

とにかく上手くなりたい人は、厳しくても教えるのがうまい教室に行くのがいいでしょう。

子どもに習わせたい、という人は、子どもを教えるのがうまい教室や、友達作りに同じ世代の子供たちが多い教室がいいかもしれません。

伝統や権威を重んじる人には、歴史の長い流派や、有名で大きな流派が合うでしょう。

日本舞踊教室に何を期待するか

日本舞踊教室に何を期待するか、これをまず決めましょう!

それに対していくら払えるのか

あなたが日本舞踊教室に求めることが決まったら、具体的に教室探しを始めます。時には見学に行ったり、問い合わせをしたりして、自分の希望に合うのか、また、払う金額はいくらなのか、確認してください。

コスパがわかる

自分がしたいこと、その中で得られるもの、それに対していくら払うのか、これらがわかれば、はじめてその教室の自分にとってのコストパフォーマンスがわかります。

「評判のいい」教室があなたにとってコスパがいいとは限らない

「評判」はひとつの判断の指標になります。が、絶対の基準ではありません。先に言ったようにあなたの求めるものが、払う金額以上に得られる教室が、良い教室です。子供が通って楽しい教室と大人が楽しい教室は違うかもしれませんし、和気あいあいとして楽しい教室は評判がいいかもしれませんか、厳しくてもストイックに上達を求める人には向かないかもしれません。あなたにとって本当にコスパの良い日本舞踊教室を見つけてください。