【取材】日本舞踊で「あなたの魅力」に気付いて~藤間よし美/大阪市福島区・兵庫県猪名川町~
大阪市福島区、兵庫県猪名川町で日本舞踊教室を開いていらっしゃる、藤間よし美さんにお話を伺いました。
小さいころから日本舞踊が好き好きでしょうがなかった、というよし美さん。「古典舞踊の基本」を大切に、大阪と兵庫で教室を開いています。
日本舞踊の魅力は、「自分の魅力に気づく」ことだと言います。ご自身の体験や、教えを繋いでいくことへの想いを伺いました。
藤間よし美 プロフィール
5才で藤間流入門
昭和55年名取、昭和62年に師範資格
平成23年現在の師匠である藤間藤助、藤於子師に師事
(社)日本舞踊協会会員
趣味は歌舞伎、文楽鑑賞。義太夫は五世野澤錦糸門下
日本舞踊で「自分の魅力に気付く」
長唄「四季の山姥(しきのやまんば)」
子どもの時から日本舞踊がとにかく大好き!楽しすぎて、大人にも堂々とダメ出し!?
-先生は、いつから日本舞踊をはじめられたんですか?
(藤間よし美、以下よし美)日本舞踊は5歳からはじめました。そのころは日舞をやるのは当たり前の雰囲気で、女の子といえばピアノ習うか、日本舞踊。近所に日本舞踊習ってる女の子いっぱいいましたから。
-お稽古は好きでしたか?
(よし美)もう、好きでしたね!(笑)
-どういうところが好きでしたか?
(よし美)なんでやろう?わかんないけど、とにかく好きで、他のみんなは単にお稽古ごとの一つ、で通ってたんですけど、私は本当に好きで、大人の人がお稽古しているのを横で見ながら覚えてしまって、それで「違う!」ってダメ出ししたり(笑)それくらい熱中していました。
伝えたい!「なんて素敵なの!自分の魅力に気付ける日本舞踊」
清元「文売り(ふみうり)」
-よし美先生が今考える、日本舞踊の魅力ってなんでしょう。
(よし美)自分の魅力に気が付くことですね。
例えばお弟子さんの中で、これまで仕事一筋できて、「私は女として魅力がないの」と仰る方がいて。
その方に、芸者の振りを教えて、そしたら、下手なシナなんか作らなくても、すごく魅力があるんです。そういうところを見つけて、「こんなにきれいよ、なんてすてきなの」って教えてさしあげるんです。
その方が後日、コミュニティで踊りを披露されることがあって、その写真なんかをご自身でもご覧になって、「私、こんなんやったんや!」って自分の魅力にお気付きになって、びっくりされるんです。
-ステキなエピソードですね!他にも、紹介したい日本舞踊の魅力ってございますか?
日本舞踊を通じて興味が広がり、日本文化の魅力に気づく
長唄「連獅子(子獅子)」
(よし美)いろんなことに興味が広がっていくことかな。私自身そうでした。日本舞踊を勉強して、そこから歌舞伎・文楽も見てみる、お花・三味線・鼓をやってみる、日本画にも興味が出てくる・・・好奇心が広がって、日本文化の魅力に気付かされました。
費用も他の習い事と変わりがない
(よし美)一方で、日本舞踊という費用がかかる、「イヤーお金持ち!」って、必ず言われます。実際に、上を見たらキリないですよ。綺麗な着物をそろえて、大きな舞台に立って、ってなると。
でも普通にお稽古して、内々で発表会をするのは他のお稽古事とあまり変わりがないですよね。
「自分のこと以上に嬉しい!」教えがいは、お弟子さんの上達
新年会にて
家庭最優先の生活から、再び日本舞踊を教えるようになるまで
-5歳から日本舞踊が大好きだったよし美先生ですが、人に教えるようになった経緯を伺ってもよろしいですか?
(よし美)師範*取得後、24歳くらいまでは近所の子供達を教えたりしていたんですが、結婚して子供が4人できまして、末娘が難病になったために10年以上のブランクができました。女性にはよくあることですね。
その間に購えない理不尽な事、人が支えて下さる事のありがたさ等、沢山の経験がありました。今、踊りが出来ることに日々感謝です!
子育てから手が離れ、お稽古を再開し、師匠からは教室を持ちなさい、と言って頂いていたんですが、家庭の事もあるので「教える」という責任あることを簡単に始めるわけにいかない、と思っていました。
ところがある時、知り合いの大学の先生に教室を頼まれたのがきっかけで、それが変わり目だったんですね、また教えるようになりました。
*師範 日本舞踊を教えるための資格
お弟子さんの上達がこんなに嬉しいとは
-ご自分の教室を持たれて、変わったことはありましたか?
(よし美)お弟子さんの踊りが上達していくことが、これほど嬉しいとは!と思いましたね。自分のこと以上に嬉しいんです。
そして、自分自身にとってもすごく勉強になります。いい加減ではモノが言えないですから。勉強する量も増えますし、責任も大きいので。教えるようになって、いろいろものの見方も変わりました。
「古典の基本」を、その人に合わせて
常磐津「八段目・下」
-教えるにあたって、特に心がけていらっしゃることはありますか?
(よし美)古典の基本を重視しています。
踊る曲は、古典だけではなくて、小唄や端唄もあるんですけど、あくまでも「古典舞踊の基本」の動きを大切にしています。
それは、私の師匠がそのように指導してくださったことです(藤間藤助(ふじすけ)・藤於子(とうこ)先生)。基本を身に着けたそののちに、個性は自然と出てくるものだから、とおっしゃいます。
そして、舞踊の基本を覚えれば姿勢・体幹日常の生活に役に立つということ。これも常々言うてます。曲を聴く、体を動かす、頭の上から手足の先まで注意して動く、ということは脳の活性化・健康にすごくいいことですね。
教え方は、日本舞踊は個人稽古ですので、一律ではないですね。
例えば、人によって身体のどこがどこまで動くか、違います。身体が動きにくい方であったら、それに合わせます。性格も積極的な性格である方、そうでない方いらっしゃいます。
その人の身体と性格、両方を考えて、その方に合った指導を丁寧に、と心がけています。
師匠からの教えを繋いでいく
義太夫「葛の葉」
-他の教室と比べて、ここが違う!というようなところはありますか?
(よし美)どうなんでしょう?(笑)他の教室分からないので、比べてはわからないんですけど・・・常々、師匠から言われていることですけれど、「丁寧にきっちり」は心がけてますね。
私の師匠から教えていただいたことを、できるだけ忠実に伝えるようにしています。そうしてつなげていくことが、伝統芸能であると思います。
でも、それでときどきお稽古に熱が入りすぎて、声が枯れてしまうこともあるんです。
-ひょっとして、厳しいですか?
(よし美)いえいえ(笑)
もちろんお稽古中は、集中してやりますけど、お稽古が終わったらコーヒー飲みながらおしゃべりしたりもしますよ。
どんな方でも興味があったらトライしてほしい!
-これから、どんな方に日本舞踊を習ってほしいと思いますか?
(よし美)どなたにもやってほしいですね!
お子さんがやっていただいてももちろん嬉しいですし、お年を召した方でも、決して無理のないように、その方に合わせてお稽古さしていただきますし、サラリーマンの方やったら、仕事の息抜きに、でもいいですし。本当にどんな方でも、興味があったら日本舞踊にトライしてみていただきたいと思います。
-これから、よし美先生のところにも、もっとお弟子さんが増えるといいですね!本日はありがとうございました!
藤間よし美先生に、日本舞踊を習ってみたい方
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