長唄「外記猿(げきざる)」歌詞と解説

長唄「外記猿(げきざる)」歌詞と解説

日本舞踊で有名な長唄「外記猿(げきざる)」の歌詞と解説です。

長唄「外記猿(げきざる)」の解説

「外記猿」とは、「外記節で踊る猿」のこと。猿廻しを想像してもらえるとわかりやすいと思いますが、猿使いが「外記節(げきぶし)」(かつて存在した浄瑠璃の一流派)に乗せて猿を操ったことに由来します。

小猿を連れて旅して回る猿使いは、行く先々のお屋敷の門を叩き、猿廻しを披露します。また、猿は山王の使いとも言われ、猿があれば馬が病気にかからないとの言い伝えがあり、馬を大切にする武家屋敷では、馬の健康を願って猿を舞わせました。

「外記節」は江戸時代初期に活躍した薩摩外記(さつまげき)という浄瑠璃師が創始した流派ですが、やがて長唄に吸収されました。

「外記猿」は、長唄中興の祖と言われた10代目杵屋六左衛門(1800-1858)が、外記節の再興を画して作った四部作(外記節石橋(しゃっきょう)、外記猿、傀儡師、翁三番叟)のうちの一つです。

長唄「外記猿(げきざる」の歌詞

罷り出でたる某は ずんど気軽な風雅者 日がな一日小猿を背に背負からげてな 姿如法やなん投頭巾

夜さの泊りは どこが泊りぞ 那波か名越か 室が泊りぞ 室が泊まりぞ 泊りを急ぐ後より

小猿廻はせや猿廻し オオイオオイ と招かれて 立帰りたる半町あまり

 

玄関構へし門の内 女中子供衆取々に 所望所望の言葉の下 猿の小舞を始めけり

ヤンラ目出度や目出度やな 君が齢は長生殿の 不老門の御前を見れば 黄金の花が咲きや乱るる

咲きや乱るる 旦那の御前でお辞儀をせ 転りとせ 転りやころりや やつ転りと

子持寝姿御目にかけや さっても粋な品者め

 

これは浪花にその名も高き 河原橋とや油屋の 一人娘におそめとて いとけなきより手習ひを

内の子飼の久松と ともに学びのおこたらぬ 中をよそめの仇口に サア浮名の立つは絵双紙へ

松の葉越しの月見れば 暫し曇りて又冴ゆる 月は片割宵の程 船の中には何とおよるぞ

苫を敷寝の楫枕 ひんだの踊りは一と踊り

 

皐月五月雨 苗代水に 裾や袂を濡らしてしょんぼりしょんぼりと 植ゑい植ゑい早乙女

実に面白や踊るが手元 辰巳午や春の小馬が 鼻を揃へて参りたり 鼻を揃へて参りたり

猿に烏帽子を着せ参らせて 猿に烏帽子を着せ参らせて

勇む神馬の手網取らせう 手網取らせう のんほのいよえ

 

一の幣立て二の幣立て 猿は山王勝る目出度き 目出度き

獅子と申すはすみすみすみすみすみすみ 住吉八幡 普賢文殊の召されたる

猿と獅子とは御しゅしょのもの

あれ音楽の声 諸法実相と響き申せば 地より泉が増生して 天より宝が降り下る なお 千秋や万才と

俵を重ね面々に 楽しうなるこそ目出度けれ 楽しうなるこそ目出度けれ

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