やりたいことは他にない!~花柳太藺理(たいり)長崎県長崎市~

やりたいことは他にない!~花柳太藺理(たいり)長崎県長崎市~

長崎で日本舞踊の先生をしている、花柳太藺理(たいり)さんにお話を伺いました。

太藺理さんは、じゃっかん24歳ですが、師匠から一つのお稽古場を任されてはや1年。先生としての研鑽を積んでいます。

小さい頃から他にやりたいことが見つからないほど、踊りが大好きだったという太藺理さん。これまでの歩みや目標を伺いました。

花柳太藺理(たいり)さんプロフィール
・3歳の時、花柳流名取の母の勧めで日本舞踊を習い始める
・8歳で 国際文化交流会TEN主催 第8回ジュニア日本舞踊コンクール九州大会に出場 優秀賞 オーディエンス大賞
・11歳で 東京新聞主催 第65回 全国舞踊コンクール 邦舞第二部に出場 入賞2位
・16歳で 花柳流 名取取得
・20歳で 花柳流 師範取得
・2020年 こども日舞 時津教室で指導を始める

母の勧めで昌太女(しょうため)先生に出会い、日本舞踊にドはまり!

606899264_1606899306.png

うめざわ

太藺理さんが日本舞踊をはじめたきっかけはなんですか?

花柳太藺理(たいり)さん

花柳流の名取だった、母の勧めではじめました。

母は結婚・出産で踊りを離れていたんですが、私が女の子だったこともあって、踊りをさせようということになって、花柳昌太女(しょうため)先生へ入門いたしました。

606899264_1606899306.png

うめざわ

最初から、踊りはずっと好きだったんですか?

花柳太藺理(たいり)さん

はい、歌やダンスも好きだったのですが、お着物を着るのも大好きでしたし、日本舞踊が大好きになりました。

日本舞踊以外に、やりたいことがない!

初舞台(3歳)

606899264_1606899306.png

うめざわ

嫌いになった時期や、辞めたくなったことなんかもなかったですか?

花柳太藺理(たいり)さん

正直、踊り以外にしたいことがなくて(笑)

私は覚えてないんですけど、小さい頃、本番の前にぐずって、辞めたい、と言ったことはあるらしいです。でも舞台に上がった後は、けろっとして「続ける!」って言ってたみたいです(笑)

花柳太藺理(たいり)さん

小さい頃から昌太女先生にお稽古をつけていただく中で、「先生のようになりたい」という気持ちから、もっと踊りが上手になりたい、指導力も身に着けたい、という想いが強くなりました。

いまは社会人として働きながら、お稽古もしながら、先生もさせていただいています。

優しい先生、厳しい母

606899264_1606899306.png

うめざわ

ずっと踊りが大好きだったということですが、続ける中で、大変だったこともあったのでは?

花柳太藺理(たいり)さん

昌太女先生はすごく優しい先生なんですが、母は踊りに厳しかったですね。お稽古の付き添いで母が見てくれていると、どうしても甘えが出るときがあるんですよね。母も名取で踊りのことが分かるので、お稽古中は何も言わないんですが、終わると指摘されるんです。

お稽古場にエレベーターがあったんですが、お稽古が終わって母と二人でエレベーターに乗ると、そこからお叱りが始まりました(笑)

家でも、母が曲のカセットテープをかけると踊らないといけない家庭内ルールもありまして、夜まで泣きながらお稽古した思い出もあります(笑)

「わらべ鶯」はじめての本舞台(8歳)

606899264_1606899306.png

うめざわ

なかなか厳しいお母さまですね(笑)

でも、そうすると太藺理さんが名取や師範を取られたときは、大変お喜びになられたのでは?

花柳太藺理(たいり)さん

そうですね。お試験は東京でありまして、母は自宅で待っていて、結果が分かったら電話で報告するようにしていました。

特に師範に合格した時は、電話越しに半泣きになって喜んでくれて。一緒にいた祖母にも「受かったって!」とこちらにまで聞こえるくらい大声で報告してくれていました。

最近、Instagramを始めたのですが、母も発信のお手伝いをしてくれています。厳しいながらも甘やかしてくれて、母がいなかったらここまできてなかったので、ありがたいですね。

多種多様な踊りが日本舞踊の大きな魅力

常磐津「三ツ面子守」(14歳)
一曲の中で子守の娘、えびす、おかめ、ひょっとこを踊り分ける

606899264_1606899306.png

うめざわ

太藺理さんの考える、日本舞踊の魅力はなんですか?

花柳太藺理(たいり)さん

語りだしたらきりがないんですけど(笑)

いろんな国にいろんな踊りがあると思いますけれど、これだけ多種多様な踊りがあるのは日本舞踊だけだと思います。

日本独特の所作だったりとか、着物を着て踊るだけじゃなくて、人物、動物、関わらずいろんな役ができます。男性が女性を演じたり、女性が男性を演じたり、舞台に出てきた格好を見て、性別がわからないって、日本舞踊くらいじゃないですか?(笑)そんな踊りは日本舞踊だけだし、見ているほうも楽しいですよね。

母校の高校で韓国からの留学生に藤娘を披露(2018年)

先生デビューは2020年。お稽古場の一つを任される

2020年から先生として、子供たちを教えている

606899264_1606899306.png

うめざわ

今は先生として、お弟子さんの指導もされていると伺いました。

花柳太藺理(たいり)さん

はい、20歳のときに師範を取りまして、昨年、23歳で教え始めました。お稽古場のひとつ、時津教室を任せていただいています。

花柳太藺理(たいり)さん

一番最初は、子供向けの体験教室を任せていただいたんです。

もともと小さい子が好きで、教えたいなとは思っていたんですけど、こんなに早く任せていただけるとは思っていなくて。

最初はすっごく緊張していたんですけど、子どもさんの笑顔を見てると、緊張がなくなって。私が子どもさんに助けられました。

子どもたちの様子は常にチェック。声かけを大事に

こども日舞 時津教室にて

606899264_1606899306.png

うめざわ

お子さんを教える時のこだわりはありますか?

花柳太藺理(たいり)さん

お稽古中、お子さんの様子をしっかり見ることを心がけています。

私のスタミナに合わせて教えてしまうと、熱心な子は特に、疲れてしまうこともありますし、そうして集中力が切れてしまうと教えた内容も頭に入らないので。

お子さんの様子を見て、がんばりすぎていたら、「ちょっと休憩する?」とか、「疲れてない?」とか声かけをするようにしています。

花柳太藺理(たいり)さん

でもまだまだ、経験値をあげるのに精いっぱいです。私自身が成長しながら、教えさせていただいているところです!

太藺理さんの心に残る舞台

春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)(2019年師範披露にて)

606899264_1606899306.png

うめざわ

太藺理さんの心に残る舞台はいつですか?

花柳太藺理(たいり)さん

小さい時からスポットライトを浴びて踊るのがすごく楽しかった、っていうのは覚えています。

一番大変だったのは、「春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)」を踊った2019年の師範披露の舞台です。

春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)とは・・・「獅子もの」と呼ばれる演目の一つで「獅子の毛ぶり」という、長い毛を迫力満点に大きく振る演技が見どころ。大奥の小姓・弥生が舞ううちに、手にした獅子頭に魂が入って動き出し、やがて娘に代わって獅子の精が登場して豪快に舞うというストーリー。

花柳太藺理(たいり)さん

前日がリハーサルだったんですが、花道をつま先立ちで下がっていくところで、獅子の毛を踏んで頭から倒れてしまって、目の前が真っ白になりまして・・・そのときの記憶がないくらい・・・。

そのあとは振りもさんざんで、楽屋に泣きながら戻って、衣裳や毛もすごく重かったので、家に帰ったら身体もボロボロで・・・。

606899264_1606899306.png

うめざわ

その時のお写真をみると、立派に踊っていらっしゃいますが、前日にそんなハプニングがあったんですね!

花柳太藺理(たいり)さん

本番は上手く踊れました!

606899264_1606899306.png

うめざわ

よかった!

花柳太藺理(たいり)さん

まさかリハーサルでこうなると思っていなくて。先生もびっくりされて、前日にLINEでメッセージをいただいて、そのおかげもありまして本番は何事もなく。

もう一つ、コンクールに出たことがあるのですが、そのとき同年代の子たちと舞台で競ったときに「上には上がいるんだ」ってわかって、舞台人として、もっと他の人の舞台を見なきゃいけない、感じなきゃいけないなって思ったことも印象に残っています。

春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)(2019年師範披露にて)

厳しくもあり、楽しめるような稽古ができる先生に

606899264_1606899306.png

うめざわ

これからどんな先生になっていきたいですか。

花柳太藺理(たいり)さん

理想は、師匠の昌太女先生なんです。

606899264_1606899306.png

うめざわ

昌太女先生のどんなところが目標ですか?

花柳太藺理(たいり)さん

厳しくもあるんですけど、つねに生徒さんが楽しめるように、考えて教えてくださるところです。

小さい子供さんでも、振りの情景とか、どういう気持ちで踊ればいいのか、役に入り込むために必要なことを懇切丁寧に教えてくださいます。

そうすると子どもさんも、すぐ笑顔になりますし、すごく楽しんで踊りに入れるのを、昔からずっと見てきたので、そういう先生に私もなりたいなと思っています。

606899264_1606899306.png

うめざわ

これからがとても楽しみですね。本日はありがとうございました!

花柳太藺理さんの情報はこちら

花柳太藺理 Instagram

インタビューカテゴリの最新記事