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安心安全な場所で関心ごとから未来へ歩み出す力を  神戸発・オルタナティブプレイス「ItoshikI」が拓く子どもたちの可能性

安心安全な場所で関心ごとから未来へ歩み出す力を 神戸発・オルタナティブプレイス「ItoshikI」が拓く子どもたちの可能性

神戸市の閑静な住宅街、街並みを見下ろせる小高い場所に、オルタナティブプレイス ItoshikI(イトシキ)」はある。

一般的な集団のルールや環境が負担になりやすい子、いわゆる「学校」という場所に馴染めなかった子どもたちのための居場所であり、学びの場だ。

ItoshikI(イトシキ)とは

「オルタナティブプレイス ItoshikI」は、文部科学省の学習指導要領に縛られることなく、子ども一人ひとりの自主性と興味関心を尊重することを根本に置いたオルタナティブスクールとして機能している。敷地内には小規模ながらグラウンドも設けられており、屋外での活動も可能だ。午前から放課後まではオルタナティブプレイス、放課後からは同じ場所でアフタースクールが運営されている。

不登校支援「オルタナティブプレイス ItoshikI(イトシキ)」:代表:久米
Instagram:@ibasho_kobe_itoshiki

初等アントレ総合塾「ItoshikI after school」:代表:橋本
Instagram:@itoshiki_afterschool

代表・久米さんの想い——「最も弱い立場の子どもたちのために」

「オルタナティブプレイス ItoshikI」を立ち上げた久米さんは、もともと行政の現場で働いてきた。生活保護、不登校、DV——そうした福祉・教育の最前線で長年携わるうちに、あることに気づかされていったという。

「社会のあらゆる皺寄せは、最終的に最も弱い立場にある子どもたちのところへ流れ込んでいく。その子たちに関わらなければ、本当の意味での支援にはならない」

その確信が、私財を投じてのスクール開設へと久米さんを突き動かした。制度に守られた「公的な支援」の限界を身をもって知るからこそ、自ら動くことを選んだのだ。着物や茶道をはじめとした日本の伝統文化への造詣も深く、「子どもたちにいろんな世界に触れてほしい」という思いが、多彩なプログラムの礎になっている。

取材記——「ここには、興味を導いてくれる大人がいる」

子どもの「やりたい」が、その日の授業になる

「オルタナティブプレイス ItoshikI」の一日は、子どもたちが自分の興味関心を持ち寄るところから始まる。学習指導要領という「外から課される枠」ではなく、「内側から湧き出る問い」がカリキュラムの出発点だ。

開設間もないながらも、すでに多彩なプログラムが実施されている。夏祭りイベント、和菓子作り、木製アート、ポーリングアート、アントレプレナー教育、そして北区での野菜づくり——単に種を植えるのではなく、計画を立て、種を購入するところから始まる本格的な学びだ。もちろん、学校の教科学習サポートも行っている。

夏祭りイベントでは子どもたちだけでカレーを作って保護者を歓迎(応募があった地域の子どもと一緒に)

神戸市北区で農業体験

「自己肯定感」という問題の核心

オルタナティブスクールに通う子どもの多くに共通して見られるのが、低い自己肯定感だ。

その原因は、決して本人の能力や資質にあるわけではない。周囲と馴染めなかったこと、人との差異を過度にネガティブに受け取ってきたこと、つまり「環境とのミスマッチ」が積み重なった結果だ。

安心安全な場所で多様な経験を積むことが、子どもの自己肯定感を育む。「オルタナティブプレイス ItoshikI」が大切にしているのは、まさにこの「経験の多様性」だ。

子どもたちが作ったポーリングアート(偶然できるマーブル模様を楽しむ現代アート)

伝統文化体験との出会い

今回の取材のきっかけは、伝統文化体験の受け入れ説明のための訪問だった。「オルタナティブプレイス ItoshikI」の子どもたちは「調べ学習や頭を使って考えることが好き」な子が多いと聞き、「学習+体験」の組み合わせは相性が良さそうだという手ごたえを得た。

蚕の飼育体験、発酵食品づくり、染色体験、あずきワークショップ——これらはいずれも、生物・化学・社会といった学校教科とも深く結びつく内容だ。学びの文脈と体験が交差するとき、子どもたちの目が輝く。

小学4年生の「今日」

帰り際、アフタースクールに来ていた小学4年生の男の子と少し話す機会があった。今日はアントレプレナー教育の一環として、大学のシンポジウムに参加してきたのだという。テーマは環境問題。彼が自分で選んだ関心事だった。

「ここには、興味関心があれば導いてくれる大人がいる」

そう感じた瞬間だった。

ウッドデッキから一階を臨む

この場所を、一緒に支えてくれませんか

「オルタナティブプレイス ItoshikI」は開設から間もなく、財政的にはまだ厳しい状況が続いている。しかし赤字だからといって、子どもたちが受けられる教育の質を落とすわけにはいかない。久米さんは今も、文字通り身を削りながら運営を続けている。

プログラムを充実させるためには、資金が必要だ。伝統文化体験ひとつをとっても、素材費・講師代・交通費がかかる。子どもたちの「はじめての体験」を守るためには、外部からの支援が不可欠だ。

伝統文化が、生きづらさを感じる子どもたちの未来を変えるかもしれない。

もしこの記事を読んで、少しでも共感してくださった方がいれば——「オルタナティブプレイス ItoshikI」の理念に共感し、イベントやワークショップへの協賛に関心を持ってくれる事業者さんが、あなたの周りにいないか、ほんの少しだけ考えていただけたら嬉しいです。

子どもたちの「居場所」と「経験」を守ることが、社会全体にとっての投資だと、私たちは信じています。

スポンサー、伝統文化体験に興味がある方はこちらからお問い合わせください。

代表の久米さんと

不登校支援「オルタナティブプレイス ItoshikI(イトシキ)」:代表:久米
Instagram:@ibasho_kobe_itoshiki

初等アントレ総合塾「ItoshikI after school」:代表:橋本
Instagram:@itoshiki_afterschool