【取材】新しい生き方の時代に、たくましくもしなやかに舞い立つ桜乙女たち~実践女子大学日本舞踊研究部~

【取材】新しい生き方の時代に、たくましくもしなやかに舞い立つ桜乙女たち~実践女子大学日本舞踊研究部~

 

取材:梅澤

実践女子大学日本舞踊研究部(以下、日本舞踊部)は1965年創部、今年で55年を迎える歴史ある部活です。学園祭などの学内活動にとどまらず、地域活動や企業とのコラボレーションなど学外活動にも積極的です。

 

2020年2月には川崎市の国際友好使節としての一員として、踊りや太鼓等の文化団体とともにクロアチアへ渡り、数万人の前で日本舞踊を披露しました。

 

今年は新型コロナウィルスの影響で大学での活動が制限されるなど、思うような活動ができない中、リモートでのお稽古やSNSでの新歓活動など地道に活動を続けてこられています。

 

そのかいあって3人の新入部員が入部。9月に入り対面のお稽古も再開されました。

 

取材した2020年9月19日(土)の翌週には、久々の本番となる「紅葉会」を控え、仕上げのお稽古をされていました。

 

貴重なお時間をいただき取材させていただいた「実践女子大学日本舞踊研究部」をご紹介します。

基本情報

創部:1965年
活動場所:実践女子大学渋谷キャンパス和室
活動日時:毎週土曜日
人数:約9名


水木歌寿桃(かずもも)先生(同大学日本舞踊研究部OG)

日本舞踊水木流師範
水木流舞踊協会 理事
日本舞踊協会城南ブロック委員
品川舞踊連盟 委員

お稽古の様子は?

私が伺ったのは、「品川歴史館」。取材当時、まだ学内施設の利用制限があり、こちらでお稽古が行われていました。

2020年10月現在、利用制限は解除されており、現在は通常通り実践女子大学・渋谷キャンパスでお稽古が行われています。

品川歴史館(最寄り駅:JR大森駅など)

この日は、横浜能楽堂で行われる舞踊会「紅葉会」の練習が行われており、取材の前に、しばらく見学させていただきました。

きれいなお庭があります

踊りを見守る歌寿桃先生

地方さん(楽器の伴奏)も入ります。三味線はOGの三宅さん。先生とOGの大樂さんも加わります。

コロナによってしばらく対面での活動ができず、お稽古再開から一ヶ月に満たないとのことでしたが、みなさん、とてもお上手でした!

コロナ前のお稽古がしっかり身体に入っているということなのでしょう。色無地で揃えられた衣裳も素敵です。「お江戸日本橋」の練習では今年入ったばかりの新入部員も加わります。

30分ほど見学させていただき、インタビューに移ります。インタビューは座談会形式で、なんと部員のみなさん全員が参加してくださいました。部活の活動、みなさんの入部のきっかけ、印象に残っている活動などお話を伺いましたのでご紹介していきます。

創部からなんと55周年!

実践女子大学日本舞踊研究部は、1965年に創部しました。

それから一度も休部することなく、現在まで活動が続いています。その理由の一つは、「縦のつながり」だそうです。

55年の歴史の中で、日本舞踊の先生になられた方、お習字や着付けの先生、ダンサーの方、地方さんを目指している方など、たくさんのOGの方がいらっしゃいますが、そういった方々と日本舞踊を通してつながりを感じられるのだと言います。

5年前には創部50周年を記念して、全国からOGを招待し創部50周年記念舞踊会が行われました。

地域活動、企業とのコラボレーション

春まつりで富士通民謡部とコラボレーション

日本舞踊部は地域の施設でのボランティア公演や企業とのコラボレーションにも力を入れています。

企業へは、学生さんが自らプレゼンに行き、コラボ案件を取ってこられることもあるそうです。

日本舞踊部が、そのような活動に力を入れるようになったのは、大きく3つのきっかけがありました。

先ほど紹介した創部50周年舞踊会、大学の同窓会パーティー、そして大学の創立120周年記念イベントです。

 

歌寿桃先生「3年前に、大学の同窓会の大きなパーティーで踊らせていただく機会があったんです。

ほんとに喜ばれて、大先輩たちからも『すばらしかったわ』と声をかけていただいて。それが楽しくて、スイッチが入ったらしいのです。

同窓会の総会パーティにて、部員&OG で舞台発表後に撮影

2019年に行われた大学の創立120周年記念イベントでは「地域に貢献する大学に生まれ変わる」という大学の方針の元、地域の子供たちと踊ったりする活動へつながったり、活動を重ねるうち、どんどん地域活動への熱量が増していったそうです。

地元渋谷の子供達とのコラボレーション(創立120周年イベント)

学生さん「自分たちの活動がこんなに人に喜んでいただけるんだ、という自信につながって、もっといろんな方に見ていただきたいという思いが強くなりました。」

 

昨年は、大小さまざまな舞台、合わせてたくさんの発表の場がありました。それを経験した上級生は「10・・・いや15くらいですかね、もう覚えてないくらいありました。」と話します。

年に15回というと、月に1回以上。長期休暇などを除くと月に2回以上本番がある月も複数あり、きっと、目が回るような忙しさだったんでしょうね。

 

部員の皆さんに聞いてみました!入部のきっかけは?

学園祭ステージにて(実践女子大学 渋谷キャンパス)

・地元の神社で舞姫をしていて、日本の文化に興味があった
・新歓で先輩がキラキラしていた
・先生がきれいだった
・着物が着られるようになりたかったから
・先輩方の踊りを見てステキで
・舞台上で一人で踊る、何か起きても一人で解決する、という経験をしてみたかった
・桜を持ってて華やかで目立っていたから

先輩たちの踊りを見て素敵だな、と感じて入部を決める人が多いようですね。新歓ステージで披露する、「元禄花見踊り」の桜の枝をもって、構内を練り歩いたりもされるそうですよ。

クロアチアで日本舞踊を披露

リエカ国際カーニバル(元禄花見踊り・リエカバージョン)

クロアチア文化センターにて(筝曲 千鳥の曲 )

日本舞踊部は川崎市でも地域貢献活動を行っており、それが2020年、なんと海外公演につながりました。川崎市の姉妹都市である、クロアチア・リエカ市の国際カーニバルへ招かれたのです。

2020年2月、川崎市国際友好使節団として、リエカ市を訪れた日本舞踊部は、カーニバル会場で、ホールで、多くの観客に日本舞踊を披露しました。

クロアチア公演の感想

クロアチアは、日本文化への注目がとても高く、着物への眼差しが熱かったです。まだ様々な歴史や文化が入り交わる差別がない国だそうで、私たちを温かく歓迎してくれたことに感激しました!」

「写真撮ってください!って囲まれてアイドルかモデルさんになったような気持ちでした!」

「何もかもが違って、おとぎの国にいた感じ

「日本からフライトで移動し、27時間寝ないままで踊った『千鳥の曲』一生忘れません。」

リエカ国際カーニバルは毎年2万人以上が参加し、60万人以上の観光客が訪れる、世界有数のお祭りです。

写真からもその規模や賑やかさが伝わってきます。また、その華やかさに、日本舞踊部の衣装、パフォーマンスも負けていませんね。なんと、クロアチアの国営テレビにも放映されたそうです。

コロナでも、前向きな取り組み

一方で、そういった活動も、新型コロナウィルスの影響で一時中断せざるを得ない状況に。

この状況の中での日本舞踊部の取り組みを伺いました。

Twitterで新歓

日本舞踊部は2019年からTwitterをスタート。キャンパスでの新歓活動ができない今年の新歓活動はTwitterで行われました。

それが功を奏して、今年はすでに3人の新入部員が入部されています。

いまだ、一部の授業を除きリモートでの授業が行われており、大学施設も利用制限があるため、「日本舞踊研究部の衣装合わせで、初めてキャンパスに行ったんですよ。」という1年生も。

初めてのお稽古はオンラインで

そういう状況のため、新入部員の最初のお稽古は、浴衣と扇子を自宅に送付し、Zoomで行われました。

 

歌寿桃先生「着付からやろうと思ってたんですけど、着て待っててくれたんです!」

 

先生は、新入生のみなさんに着付けから教えようと思っていたところ、新入生の皆さんはご自宅で家族に着付を教わったりして準備していたのだそうです。

Youtubeを見ながら自分から着付をしたという学生さんは、「お母さんに『何してんの?』って言われたりして」と笑顔でお話してくださいました。

誰に教わるでもなく自分から積極的に準備していた新入部員を見て、先生や先輩方も嬉しかったと思います。

とはいえ、オンラインでの稽古も完全ではありません。

 

歌寿桃先生「手とり足取りやってあげたいから。初心者には。だからオンラインははがゆいんです。」

 

9月から対面でのお稽古が再開され、10月に入ってキャンパスも使えるようになりました。ホッと一息というところではないでしょうか。

日本舞踊部のこれから

最後に、これからの活動について伺いました。

 

学生さん「『紅葉会』が終わったら、いまのところ舞台の予定は未定です。大学の文化祭があるかもわからないので・・・。次の発表の場までの準備期間だなと思っています。」

 

歌寿桃先生「これまでと同じように、人とのご縁を大事にしながらアイデアを出し合っていこうと思います。」

 

観客の前での舞台は、残念ながらいまだ予定が立っていません。

しかし、実践女子大学 古典芸能サークルとのコラボリモート舞台発表・プロモーションビデオ作成や、大学発祥の地である、岐阜県岩村の中高生とのリモート交流などのアイデアも上がっているそうです。

他の大学、団体同様、実践女子大学日本舞踊研究部も、コロナという難しい状況に置かれています。

しかし、SNSで活動の幅を広げたり、新歓を成功させたりと、前例にとらわれない活動もこの部の魅力です。

コロナに負けず、積極的に活動して、日本舞踊部の55年の歴史をさらに5年、10年と紡いでいってほしい、と強く思いました。

実践女子大学日本舞踊研究部 連絡先・最新情報はこちら

実践女子大学日本舞踊研究部 Twitter

2020年紅葉会レポート

取材後、行われた舞踊会「紅葉会」のレポートをいただいたのでご紹介します。

紅葉会レポート

毎年9月の末に横浜能楽堂で開催される舞踊会「紅葉会」も今年で3年目の参加となりました。

140年余りの歴史を誇る関東最古の能舞台での発表を、部員一同とても励みにしており、コロナ禍で部活動を休止していた中、この舞台発表を目標に活動を再開しました。

当日は、消毒等の感染予防、30分おきの換気などを徹底し、部員・OGともに無事、踊りを披露することができました。

部員の皆様の感想

・初舞台にとても緊張しましたが、心から楽しめました。
先輩方の踊りの美しさに圧倒され、自分もたくさん踊りを覚えて美しく踊れるようになりたいと思いました。(新入部員)

・あの緊張感と舞台での開放感は何度味わっても最高です!

・人に見てもらうことの大切さをすごく感じました。そして能楽堂の舞台を踏めたことが大きな感動でした。

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