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日本舞踊教室に地域コミュニティとしてのポテンシャルはあるか?~中央区議会議員 佐藤あつこさん・若柳尚雄里さん

日本舞踊教室に地域コミュニティとしてのポテンシャルはあるか?~中央区議会議員 佐藤あつこさん・若柳尚雄里さん

東京都中央区初の、子育て経験がある区議会議員としてご活躍、そして日本舞踊経験者でもある佐藤あつこさんと、中央区月島で日本舞踊教室「雄(ゆう)の会」を主宰されている、若柳尚雄里(わかやぎなおゆり)さんをお迎えして、「地方行政の観点から、日本舞踊教室の魅力を発見する」というテーマで対談を行いました(2021年9月29日実施)。

地方行政におけるコミュニティ施策の課題とは?地域の課題やニーズに日本舞踊はどう貢献できるのか?日本舞踊教室発の、予期せぬ活動を生むアイデアは?など、「日本舞踊×地方行政」という、これまでにない観点でざっくばらんにお話ししました。

うめざわ

今日は「地方行政の観点から、日本舞踊教室の魅力を発見する」というテーマでお話していきたいと思っています。

ゲストとして、東京都中央区、区議会議員をお務めの佐藤あつこさんと、同じく中央区月島で日本舞踊教室「雄(ゆう)の会」を主宰されている、若柳尚雄里(なおゆり)さんにお越しいただいております。お二人とも今日はよろしくお願いします。

最初にお二人から自己紹介をいただきます。佐藤さんからお願いできますでしょうか?

佐藤あつ子さん

佐藤あつこと申します。2015年に中央区区議会議員になり、今年で7年目になります。それまでは主婦をしておりまして、中央区議会ができて初の、子育て経験がある女性議員です。子育て支援、文化・芸術・地域といったことに、女性の新しい視点をもって取り組んでいます。

佐藤あつこさん プロフィール

【経歴】
東京都中央区出身
聖心女子大学文学部哲学科卒業
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科
修了(修士)在籍(後期博士課程)
TOKYO自民党政経塾(8-10期)
(株)マイナビ 就職情報誌編集者
(株)福音館書店   絵本編集者
7年間の専業主婦を経て、2015年より中央区議会議員

【資格】
英検準一級、剣道二段 日本舞踊藤間流名取

【中央区議として以下の所属委員会を歴任】
・子ども子育て高齢者対策特別委員会委員長
・福祉保健委員会副委員長
・環境建設委員会
・区民文教委員会
・東京オリンピック・パラリンピック対策特別委員会
・築地等地域活性化対策特別委員会(名称変更)
・防災等安全対策特別委員会

うめざわ

実は佐藤さんは、日本舞踊の経験もお持ちです。

佐藤あつ子さん

はい。4歳から日本舞踊を始めました。小さいときから大好きで、受験や就職や子育てで忙しいときもあって、ずっと続けていたわけではないんですけれど、いつもふと気づくと、日本舞踊がそばにありました。そのことが自分の中で大きくて、今もお稽古に通っています。

そういうこともあって、いまも地元の伝統文化をどう行政につなげていくか、ということがコミュニティ施策の中でも課題ですので、今日は大変楽しみにしてまいりました。よろしくお願いします。

うめざわ

よろしくお願いします。では尚雄里さんお願いします。

若柳尚雄里(なおゆり)さん

若柳尚雄里(わかやぎなおゆり)と申します。地元は北海道の札幌で、2歳の時から日本舞踊をさせていただいております。13年前、東京に出てまいりまして、稽古場を開いて11年目になりました。最初は勝どき、今は月島で、下は2歳から上は88歳まで約47名の弟子に指導させていただいております。

また、3年前より札幌にて児童発達支援をさせていただいております。テレビなどでご存じの方も多いと思いますが、ASD(自閉症スペクトラム症、アスペルガー症候群)、ADHD(注意欠陥)、LD(学習障がい)など心や発達に問題を抱えている子供たちに、日本舞踊を通じたトレーニングを行っております。

今日は佐藤様と、日本舞踊を通じてどのように地域とコミュニケーションを取っていくかということをお話しできるということで、とても楽しみにしておりました。どうぞよろしくお願いします。

若柳尚雄里(なおゆり)プロフィール

幼い頃より父、水城雄二郎に師事し、平成十四年より若柳尚里師に師事。 日本舞踊のみにとらわれず、多様にわたり勉強する。国内外を問わず活動の場を広めていける様、日本文化、日本舞踊を探求中。

・1986年 日本舞踊家 水城雄二郎の長女として札幌に生まれる
・1988年 水城雄二郎に師事
・1989年 2才9ヶ月の時、童謡「絵日傘」にて初舞台
・1990年 4才の時より能籐玲子創作舞踊研究所にてモダンダンスを学ぶ
・2000年 ダンススタジオマインドにてジャズダンス、ヒップホップ、タップ等の洋舞を学ぶ
・2002年 正派若柳流 若柳尚里師に師事
・2005年 名取資格’10年には師範資格取得
・2010年 雄の会日本舞踊研究所 開設

コミュニティを伝統文化に接続させるために

うめざわ

今回、佐藤さんにお声掛けさせていただいたのは、日本舞踊をご経験だということももちろんありますが、掲げられてる政策が一番の理由です。それがこちらです。

・地域と子育てを繋ぐ教育文化の再興

・そして伝統と文化の継承と発展

うめざわ

佐藤様はこれ以外にも、高齢化対策、防災、最近では東京オリンピック・パラリンピック対策委員会など、様々な角度から区政に携わられているのですが、「教育」「伝統文化」ということがご活動の軸にある、というところに特に注目させていただきました。

尚雄里さんの教室のご紹介でもあったように、日本舞踊教室は、小さなお子様からお年寄りまで、さまざまなステータスの方が集う場所です。特にお子様は、普段触れ合うことのない年上のお兄さんお姉さんや家族以外の大人お年寄りの方と触れ合うことで社会性を育むという側面もあります。

佐藤さんの政策を拝見したとき、伝統の継承はもちろん、地域の教育やコミュニティを担う場としての日本舞踊教室の隠れた役割があるのではないか、そしてもっと地域に貢献もできるポテンシャルがあるのではないかと思いました。

佐藤あつ子さん

ありがとうございます。まさしく、いまおっしゃったような年齢のバラエティ属性は重要です。昔から地域に根付いている方と、尚雄里さんのような新しくこの街に来た方、会社員もいれば自由業の方もいて、という属性のバラエティがあるということは、間違いなく政策の多様性につながります。

特に、コミュニティ支援というのは、基礎自治体の中でも最も重要な施策の一つですね。

というのも、コミュニティが基盤になって教育ができたり、コミュニティが基盤になって防災対策ができたり、コミュニティが基盤になって、自助共助と呼ばれるあらゆる施策につながっていくんです。

だから日本舞踊教室という多様性に富んだ場を拠点に、なにか新しいことをやっていくという可能性は十分考えられると思います。

佐藤あつ子さん

課題としては、教室の方々が、どのように行政と協力体制をしいてくれるか、コミットメントをどうするかということがまず課題かなと思いました。これまで実績がなかったことなので。そこをどうブレイクスルーするか、その方法をお話しできたらと思います。

子育て世代の声を届け、教育と文化に新しい知を取り込む

うめざわ

ありがとうございます。本格的に議論に入っていく前に、佐藤さんが「教育と文化の継承」というところに特に注目されている点について、きっかけや、想いといったところをお伺いできますでしょうか?

佐藤あつ子さん

中央区は人口約17万人、その約60%強が子育て世代なんです。しかし、その子育て世代の声を届ける与党の議員がまず長年にわたっていませんでした。自分が子育てを経験している女性だという属性を活かせて、そして皆さんの声を代表できるのはこの分野だと思ったんです。

教育も学力を向上させる事という風にだけ捉えずに、もっと多面的な文化伝統も含め、そして、ずっとその伝統を守り続けていくだけでは先細りしますから、そこに新しい知を取り込んでいくということも含めた中での、教育と文化というのは、私でなければできない思っています

うめざわ

具体的にはこれまで、どのような取り組みをされてきたのでしょうか?

佐藤あつ子さん

「コミュニティを伝統文化に接続させるためにどうすればいいか」という課題を考えた時に、教育現場にいきなりそれを入れるということはなかなか難しかったので、まず、伝統文化である地縁に基づいた「浜町音頭(はまちょうおんど)」という音頭に注目しました。

その伝統文化になるべく多くの新住人の方々に入っていただくということがまず第一と、もう一つは、そこにはぴったりはまらないけれども、中央区の伝統文化に触れてみたいという方たちを集めて盆踊りチームを作りました。

その方達はその盆踊りを踊ることを通じて、福祉の活動、例えば被災地を訪問して踊りで慰問をするとか、銀座の交差点で外国人、いまコロナで外国人はいらっしゃいませんけれども、着物を着て観光のご案内をしたりなど、そういう活動につなげました。

中央区の中に社会福祉協議会というものがあり、そこに団体登録をしていただいてボランティア活動につなげたということもありました。

まだまだポテンシャルのある団体もあるし、必要だったら作ればいいし、そういう活動と区の施策と繋げていくということを今やってます。

 

浜町音頭は昭和4年、関東大震災で焼け野原になった地域の復興の象徴として誕生した。当時は芸者さんや旦那衆が粋に踊っていたそう。現在は「浜町音頭保存会」が継承している。

 

「銀座ボンダンシング」の活動。20代から80代まで総勢80名がボランティア活動などを行っている。

うめざわ

きっかけは盆踊りなどですが、趣味として文化を楽しむだけではなく、いろんなところに出て行ってボランティアなどの活動をしていくということですね。そうすると単なる趣味のサークルというところから、自分の居場所、やりがいになって、地元住民としての生活の一部になってくる。

尚雄里さんは今のお話聞かれていかがですか。

若柳尚雄里(なおゆり)さん

中央区民なんですけれど、お恥ずかしいのですが、あんまりそういう活動を知りませんでした。

うめざわ

実は私も、今回初めて知りました。

若柳尚雄里(なおゆり)さん

ということは、私のように知らない人ってっいっぱいいると思うんですよ。ぜひこのような活動をもっと知りたいし、いろんな人に知っていただたいなと思いました。

そして、私はもっと子供たちを対象にしたボランティア活動なんかもさせていただきたいなと思いました。学校を訪問して伝統文化をしてレクチャーをするようなことですね。

 

日本舞踊教室は日本の伝統を中心としたコミュニティ

うめざわ

さっきコミュニティと伝統を接続するという話がありましたが、日本舞踊教室ってまさに、伝統文化を中心としたコミュニティですよね。

一方で、日本の伝統って何?とか、日本舞踊って何?という感覚が一般的ではあると思います。尚雄里さんの教室にいらっしゃる方は伝統を学ぶということにどのような関心をお持ちなのでしょうか。

若柳尚雄里(なおゆり)さん

2,3歳から習っていて、いま中学生になった子に、これまでずっと日本舞踊を続けてきて、何か役立てようと思ったりしたことはあるの?と聞いたことがあります。彼女は「私は英語が好きなので、今後ずっと日本にはいないと思う。海外では先生から習ったことを教える側になりたい。ボランティアかもしれないけど、そういうことをやっていきたい」と言っていました。

大学生から始めた方では「どんな会社に入るかわからないけど、社会に出る前に日本の礼儀作法を習って、それが役立てばいいなと思いました」という方もいます。

社会人の方では「以前、海外に行って日本のこと教えてくれと言われたときに、自分は日本のことをなにも知らなかったことに気づいた。だから日本のことを何か習得して、英語でそれを説明できるようになりたい」と強く希望していらっしゃった方もいます。

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若柳尚雄里(なおゆり)さん

これから大人も子供も、どんどんインターナショナルな世界へ飛び込んで行くと思います。そのときに、日本人としてのアイデンティティを持って、そして堂々と発表していただけるような環境づくりをしていきたい。といつも思っています。

うめざわ

ありがとうございます。そもそも日本舞踊をはじめるきっかけとして、伝統文化以外のところに関心がある場合もあるのでしょうか?

若柳尚雄里(なおゆり)さん

お子様ですと、特に中央区の方は勉強に対する意識が高い方が多いので、お父様お母様がお受験を意識されている方が多いですね。まず日本舞踊から入って、お言葉使い、礼儀作法と、立ち振る舞いの仕方を勉強したいという方は、お子様で始められる方の約半分くらいいらっしゃいます。

うめざわ

東京らしいですね。

若柳尚雄里(なおゆり)さん

社会人になりますと、入社して3,4年た、だんだんお仕事に慣れて余裕が出てきたころ、細く長く続けていける趣味を見つけたい、と思われる方が多いようです。5,60代の方は、体力の維持、そして、なるべく続けられるご趣味として始められる方が多いように感じます。

佐藤あつ子さん

日本舞踊ってそうですよね。急にうまくならないですし。

若柳尚雄里(なおゆり)さん

終わりのない勉強だと思います。日本舞踊は江戸時代から400年続いてきたものですから、一生かけても勉強できません。それをちょっとずつでも追っていく、そのプロセスが皆さん楽しいのかなと思います。

コミュニティの重要性の変化と日本舞踊教室の役割

うめざわ

長く続けられて多様性があるというのが日本舞踊教室一つの特徴なのかなと思います。例えばサッカーやフットサルは流行っていますけれども、団体はたいてい年齢で区切られていて一つの団体を数年で卒業していきます。少年チーム、学校の部活、社会人サークル、といった感じです。小学生と60代が一緒にプレイするというようなことめったにない。

日本舞踊教室は子供から始めて同じ教室で大人になっても続けるということが普通にあります。小さい子供とお年寄りが同じ教室に一緒にいるもごく普通です。

うめざわ

この多様性のあるコミュニティが今後、重要になってくると思っています。少しコミュニティの役割の話をさせていただきたのですが、私は近所で味噌醤油を貸し借りする、というような話を親からギリギリ聞いている世代です。このような昔ながらの地縁型のコミュニティは、ある意味、みんな貧しいから、助け合うことで生活が豊かになるという合理性に基づく側面があると思っています。古くから土地にいる人たちの間ではそのコミュニティが続いている一方、私もそうですが、東京は地方からコミュニティがない状態で来る人たちがたくさんいます。この人たちが地縁型のコミュニティに入っていくかというとそうではない。

日本が豊かになっていったこと、そしてより稼げる東京(都会)で暮らす人は、助け合わなくても生きていける経済的余裕があったために、あえて地縁型コミュニティに入る合理性がなかったと思うんですね。

しかし、今後日本が相対的に貧しくなっていく、少なくともこれまでどおり豊かになり続けるわけじゃないよね、というときに再び助け合コミュニティの重要性が増していくのではないかと思っています。

うめざわ

もちろん合理性以外にも、人はどこかへ所属したいという欲求があります。日本舞踊教室のような習い事はその受け皿としても機能している側面があります。私も日本舞踊教室の取材を続ける中で、尚雄里さんの話にもありましたが、社会人になって数年、20~30代の方が居場所を求めて入られるということが結構あるなと感じています。

いま社会にコミュニティが失われつつある、しかし、それがもう一度必要とされる未来が来る。そのときに、多様な人々が集まる、何かあった時に相談できる人がいる、日本舞踊教室のようなコミュニティの重要性が増してくるのではないかと感じています。

佐藤あつ子さん

助けあう、合理的なニーズでコミュニティが必要とされるのは間違いないですね。日本はすでに、相対的に人件費が低い国になっています。コロナ禍でも非正規の女性が最も仕事を失っている現状があります。なにかあったときに頼れる、自分の居場所必要になることは間違いないと思います。

ただ、その際のコミュニティを考えるとき、コミュニティ自体の継続性も重要になってきます。コミュニティの継続、ある程度人の入れ替わりオープンな構造などが必要になってきますが、そうすると日本舞踊の先生が個人でそれを担保できるかというと、それは難しいところがあると思うので、そこで行政と組んで何ができるのか、一緒に考えたいところですよね。

佐藤あつ子さん

そこで、日本舞踊教室なんだけれど、そこがいろんなところから集まってきた人たちの場になり、プラットフォームになり、予期せぬ活動につながっている、というような事例があったらぜひ知りたいです。

学童×日本舞踊?

うめざわ

教室がプラットフォーム化する、というのとは少し違うかもしれませんが、新しい試みで、コロナ禍で私が携わったものでは放課後学童での活動があります。

放課後学童というのは、放課後の小学校をそのまま学童保育の施設として使って、親御さんが家にいない子供たちを預かる仕組みで、NPO法人などによって運営されています。そこで、東京都の小学校と埼玉県の教室をオンラインでつないで、テレビのモニター越しに日本舞踊を踊るというアクティビティを行いました。

佐藤あつ子さん

オンラインでこどもたちが画面を見ながら踊るんですか?

うめざわ

はい、そうです。トータルで60分ほどで、お辞儀やご挨拶の仕方、そして童謡の「ずいずいずっころばし」を使って踊りのお稽古を行いました。歴史をさかのぼると、昔の日本舞踊教室って、学童的な性質を持っていた時もあったんです。毎日、稽古場に行って、15分だけお稽古して、あとは友達と遊んで帰るみたいな。いまは子供たちも忙しいですから、大体、週1回1時間がスタンダートになっています。

そう考えると、日本舞踊教室のひとつの機能として「親御さんがお子さんを預けられる」という機能がありますよね。

尚雄里さんの教室も、親御さんがコロナでリモートワークになって、お稽古の時は子供を預けられて助かる、という声をいただいたという話を伺いました。 

若柳尚雄里(なおゆり)さん

今でもありますよ。「先生すみません、何時から何時までどうしてもいないので、早く行ってもいいですか?」と。

うめざわ

そういうときはどうされるんですか?

若柳尚雄里(なおゆり)さん

お稽古までは宿題しなさい、って宿題させておいて、宿題が終わったら、うちの稽古場は、小学校1年生からは浴衣の着付けとお文庫(帯の結び)は自分でさせているので、自分で着替えさせて、待たせています。

実は、そういうことをもっとやっていきたいなと思っているんです。いまはマンションで教室をやっているんですけど、店舗などを借りて、着替える部屋と別にスペースを取って、机置いて、時間まで勉強して、終わっても勉強して帰れる、みたいな。

佐藤あつ子さん

日本舞踊も教養の一つですし、勉強と一体化しててもいいですよね。

若柳尚雄里(なおゆり)さん

はい。なかなか家では宿題ができないんだ、っていう子もいますから。それだったら稽古場でやってもいい。勉強は、私は教えられませんけれども、お弟子さんの塾講師の方に見ていただいたりとか。

佐藤あつ子さん

そう考えるといろいろ広がってきますね。学童&日本舞踊のような。

中央区は受験熱がすごいんです。数字で言うと、小学校が16校あるんですが、中学校になると4校しかありません。その分どこに入るかって言うと私立の中学校です。小学校は公立行くんだけど、中学校には必ずしも公立に行けないという状況があります。それだけ熱心な土地柄なので、習い事で宿題まで見てくれたらすごくいいんだろうなと思います。

 

同じ方向を向いて対話することが新しいアイデアにつながる

うめざわ

ありがとうございます。これまで話した中でも、ボランティアや学童や、勉強ができるお稽古場など、いろんなアイデアの種が出てきたと思います。

私は日本舞踊にはすごくポテンシャルがあると思っています。しかしそのためには日本舞踊の価値を再発見していかないといけない。そのためには、日本舞踊の外の方と話をしたり、交流したり、コラボレーションを提案したりという事が必要だと思っています。

今回佐藤さんにお声を掛けさせていただいたのも、政治の観点から日本舞踊を見たらどうなんだろう?という関心がきっかけです。こうして実際にお話しすると「地域に貢献するために何ができますか?」という問いかけを逆にいただいて、そのことでアイデアが生まれ、対談としてすごく価値が生まれたと思います。

うめざわ

今回、私と尚雄里さんで企画しましたが、こいう機会がいろんな場所で起こってほしいなと思っています。実際に地域に貢献したいと思っている先生方ってたくさんいらっしゃると思うんですよね。

そのときに、「区議会議員さんって、そもそも声かけていいんだろうか?」って感じると思うんです。一住民としてどうアプローチすればいいんでしょうか?

佐藤あつ子さん

それはもう、どんどん言ってください。ういうことをしてみたい、ということを話しながら、それはどこの予算を取ってくればできるのかな、って考えるのが私たちの仕事なので。

うめざわ

私も今回こういうことが初めてだったのでめちゃくちゃ緊張しながらご連絡したんですけど・・・

佐藤あつ子さん

そうですか?(笑)

うめざわ

はい(笑)例えば、日本舞踊の先生が学校の子供たちに踊りを教えたいと思ったときは、私はこういうことができて、地域にこういう形で貢献ができます、みたいなことをまとめて、地元の政治家さんにメールを送るなどすればいいんでしょうか?

佐藤あつ子さん

はい。いいと思います。それはすご面白い試みだと思うしどんどん言っていただきたいですね。そういう事していくうちにお互いの理解が進んできて、活動が地域に定着していくというのは十分ありえることだと思います。

うめざわ

連絡するときに、最低ここを抑えておいた方がいい、という目安みたいなものってありますか?

佐藤あつ子さん

政治なので、議員の特性によって、例えば再開発とか、土建関係を行っている言っても「日本舞踊とは?」から始まっちゃうので、子育て施策や福祉をやってる人とか少なくも教育とか文化とかに力を入れている人を見極めて連絡したほうがいいですね。

うめざわ

議員さんでも得意分野、力を入れている政策があるわけなので、区議会のHPなどで調べて、方向性が近い方へコンタクトを取ったらいいということですね。

佐藤あつ子さん

はい、やっていることが同じ方向を向いているかどうかが大きいと思います。

コミュニティスクール構想

うめざわ

今日様々な議論ができましたが、佐藤さんから他に、日本舞踊教室のポテンシャルを生かせるアイデアなどはございますか?

佐藤あつ子さん

今日の議論のような活動を考えたときに、学校をベースにするというのが一番考えやすいと思います。

それを実際に実現する可能性につながる制度として、コミュニティスクール構想があります。

これは学校というのは、校長先生先生だけが決めるものじゃなくて、地域の方たちの色々得意分野を生かして決めてくというものなんですね。

うめざわ

コミュニティスクールというのは初めて伺いました。

佐藤あつ子さん

現在、既存の学校の行事なりガバナンスは、文科省があって教育委員会があって、校長先生がいて、校長先生の権限で決めていっているんですけれども、そうではなく、地域の方たちも含めたコミュニティスクールという組織を作って、学校のことは全部、コミュニティを通じて決めていくのがコミュニティスクール構想です。既存の学校のガバナンスを変えていくいうことです。当然、地域の意向が教育現場にいまより反映されていくということですね。

一方で、都会の方はみなさんバラバラの生活をしているので、既存のコミュニティというと町会とか自治会とかしかなくて、そういうところを足がかりにコミュニティスクールを作ると結局今の既存のコミュニティと変わりがないので、もっと新しい方を入れてコミュニティを作っていくにはどうしたらいいか、その方法論を編み出すまでに時間かかっているというのが現状でもあります。

うめざわ

なるほど。地域全体で教育を作っていくコミュニティスクールという仕組みがあって、そこに日本舞舞踊教室が貢献できる可能性もありそうだということですね。今後、私たちも考えていきたいテーマです。

うめざわ

さて、本日はそろそろお時間となってしまいました。お一人ずつ感想などいただけますでしょうか?

若柳尚雄里(なおゆり)さん

佐藤さんがざっくばらんにお話しくださいましたので区民としてもとても近い存在だということが分かりました。私も私ではない先生も、区で活動されてる方と一緒に手を取り合って、志を共に活動ができたらと思いました。

佐藤あつ子さん

日本舞踊トークをしたのは久しぶりす。区の施策との関連で日本舞踊になにかできる可能性を考えさせられたことはすごく新鮮でした。素敵な出会いがあったので、なにか区政に貢献できるようなことを一緒に考えられたらと思いました。

うめざわ

「地方行政の観点から、日本舞踊教室の魅力を発見する」というテーマでお話してきました。短い時間でしたが、これまでにない視点で何ができるかを考えるとても良い機会になりました。

今日のように、これもできるんじゃないか?というようなことを誰かと考えて、働きかけていくようなことが全国で起こるといいな、と思いました。お二人とも本日はありがとうございました。

 

会場提供:LITTLE SPICE THE CAFEミライ(東京都中央区月島)

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