長唄「松の緑」の歌詞と解説

長唄「松の緑」の歌詞と解説

長唄「松の緑」の歌詞と解説です。

長唄「松の緑」の解説

「長唄は『松の緑』に始まり『松の緑』に終わる」と言われるほどの名曲です。

四世杵屋六三郎(六翁)作曲、作詞不明。四世杵屋六三郎は、有名な長唄「勧進帳」や長唄「藤娘」の作曲者でもあります。娘せい(日本舞踊・志賀山流家元、五代目志賀山せい)が杵屋の名を襲名する際の名披露目曲として作曲されました。

「松の緑」にはいくつかの意味が重ねられています。

・千回の春を迎えてもその青さ(緑)を誇る「松」

・太夫として「松」の位にまで出世が期待される禿の「みどり」(禿は吉原で遊女の世話をした見習いの少女。『みどり』と名付けられることが多かった)

・縁起が良いとされる「根上り松」

いまは幼い禿が、やがて立派な松の位の太夫となり、根引(身請けされること)され年老いるまで幸せに暮らすように、明るい未来の、今日がその始まりだよ、と、前途を祝う内容です。

長唄「松の緑」の歌詞

今年より 千たび迎うる 春毎に

なおも深めに 松のみどりか 禿(かむろ)の名ある

二葉の色に 太夫の風 吹き通う

松の位の 外八文字

華美を見せたる 蹴出し褄

よう似た 松の根上がりも

ひとつ囲いの まがきにもるる

廓は 根引の別世界

世々の誠と裏表

くらべごしなる 筒井筒

振分髪も いつしかに

老となるまで 末広を

開き始めた 名こそ祝せめ

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