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長唄「末広狩(すえひろがり)」歌詞と解説

長唄「末広狩(すえひろがり)」歌詞と解説

日本舞踊で人気の長唄「末広狩(すえひろがり)」歌詞と解説です。

長唄「末広狩(すえひろがり)」解説

「末広がり」とは扇のこと。同題の狂言からとられた作品です。

この曲では「女大名」「太郎冠者(女大名の家来)」「傘売りのすっぱ(素っ破、詐欺師のこと)」が登場します。

ある日、女大名は太郎冠者に「地紙が良く、骨に磨きがかかっており、戯れ絵の描かれた末広」を買ってくるように命じます。

町に出た太郎冠者、実は「末広」がなんのことかさっぱりわかりません。そこで、大声で「末広を買おう」と言いながら町を歩き回ることにしました。それを見たすっぱは太郎冠者に近づき、言葉巧みに「紙と骨でできていて柄(え)がある傘」を売りつけてしまいます。

太郎冠者は意気揚々と女大名の元に戻りますが、古傘を大金はたいて買ってきたことを知った主人はカンカンに怒ります。困った太郎冠者は、すっぱに教わった「主人の機嫌が直る囃子もの」を舞い謡います。太郎冠者の舞に主人も機嫌を直し、最後は一緒に舞い踊る、というストーリーです。

長唄「末広狩(すえひろがり)」歌詞

描く舞台の松竹も 千代をこめたる彩色の 若緑なる シテとアド

まかり出でしも恥づかしさうに 声張り上げて 太郎冠者あるか 御前に 念無う早かった頼うだ人は今日もまた

恋の奴のお使ひか 返事待つ恋 忍ぶ恋 晴れて扇も名のみにて

ほんに心も白扇 いつか首尾して青骨の ゆるぐまいとの要の契り 固く締緒の縁結び

神を頼むの誓ひ事 濡れて色増す花の雨 傘をさすなら春日山 これも花の宴とて

人が飲みてさすなら 我も飲みてささうよ 花の盃 花傘

げにもさうよ やよ げにもさうよ げにまこと

四つの海 今ぞ治まる時津風 波の鼓の声澄みて 謡ふつ舞ふつ君が代は

万々歳も限りなく 末広狩こそめでたけれ 末広狩こそめでたけれ