長唄「七福神(しちふくじん)」歌詞と解説

長唄「七福神(しちふくじん)」歌詞と解説

日本舞踊で有名な長唄「七福神」の歌詞と解説です。

長唄「七福神」の解説

現在に伝わる長唄の中では、最も古いとされる曲のひとつです。七福神とは、大黒天(だいこくてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)、恵比寿天(えびすてん)、寿老人(じゅろうじん)、福禄寿(ふくろくじゅ)、弁財天(べんざいてん)、布袋尊(ほていそん)の七つの神様ですが、この長唄「七福神」は、七福神という題名にもかかわらず、歌詞に登場するのは「恵比須」ひとりだけ。

恵比寿は日本の神様であり、イザナギ、イザナミの神の間にできた第三子になります。幼少から足腰が弱かったために、芦船にのせられて海上に流され、漂着したところが攝津国(兵庫県)の西宮。この地に鎮座して神となったとのこと(いまもある西宮神社は、全国のえびす神社の総本山です)。

恵比寿は「大漁追福」や「商売繁盛」や「五穀豊穣」をもたらす、漁業や商業や農業の神様です。

風折帽子に狩衣、左脇に大鯛を抱え、右手に釣り竿をもつ姿は、おなじみでしょう。

「万の魚(豊漁、大漁」「東雲(夜明け、朝日)」「宝船」「祇園祭」「神馬」「注連縄」などめでたいものづくしの曲でもあります。

長唄「七福神」の歌詞

それ伊弉諾弉冊(イザナミイザナギ)夫婦寄り合い

漫々たる和田津海に天の逆鉾降させ給い

引上げ給う其したたり凝り固まって一つの島を

月読日読 蛭子素盞鳥儲け給う

蛭子と申すは恵比寿のことよ

骨なし皮なしやくたいなし三年足立ちたまわねば

手繰りくりくる来る船に乗せ奉れば

蒼海原に流したまえば海を譲りに受取り給う

西の宮の恵比寿三郎いとも賢き釣針おろし

万の魚を釣りつった姿はいよさてしおらしや

引けや引け引け引く物品々

様はきわずみ琵琶や琴 胡弓三味線東雲(しののめ)横雲

そこ引け小車 子供達とござれ 宝引きしよ宝引きしよと 帆綱引っかけ宝船曳いて来た

いざや若い衆網引くまいか 沖の鴎がぱっと

ぱっと立ったは三人張強弓 よつ引絞りにひょうふつと

射落とせば浮きつ沈みつ 浪に揺られて沖の方へ引くとの

水無月なかば祇園どのの祭で 山鉾飾って渡り拍子で曳いて来た

拍子揃えて打つや太鼓の音のよさ

鳴るか鳴らぬか山田の鳴子 山田の鳴子

引けばからころ からりころり からりころり からころからころからころや

くつばみ揃えて神の神馬を引連れ引連れ 勇みいさむや千代の御神楽

神は利生をつげの櫛 引神は利生を黄楊の櫛 引く注連縄の長き縁を

参考記事

日本舞踊「七福神(長唄)」に出てくる宝引き(ほうびき)を解説します

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