現在「日本舞踊のお困りごと」について匿名アンケート実施中です。ご協力いただける方はこのテキストをクリックしてください(フォームが開きます)。

日本舞踊のオンラインレッスンをZOOM、LINE、Skypeでやってみた

日本舞踊のオンラインレッスンをZOOM、LINE、Skypeでやってみた

日本舞踊のお稽古をオンラインでやってみましたので、その結果をシェアします。

これからオンラインレッスンをやってみようという日本舞踊教室はもちろん、そのほかの習い事にも参考になれば幸いです。

この記事の内容

実施環境
テストの目的
テストの流れ
やってみた感想
・講師側
・受講者側
ツールによる機能や使用感の違い
・ZOOM
・LINE
・Skype
プチトラブル事例
そのほか気付いたことなど
日本舞踊のオンラインレッスンの質を高めるためにやるべきこと

日本舞踊のオンラインレッスンをZOOM、LINE、Skypeでやってみた

最初に結論ですが、オンラインレッスンには大きな可能性があるな、と感じました!

ただ、大前提として対面での稽古には及ぶものではないし、これから異なる環境で実施したデータを集め、「最低限、これくらいの環境を用意しないとレッスンの質が下がりすぎるよね」とか「こういう準備ができていれば、オンラインでもこれだけの成果が十分期待できるよね」みたいなガイドラインみたいなものが作れるといいなと思っています。

日本舞踊に限らず、体を動かす系の習い事のオンライン化はこれからの分野だと思うので、データ集めや分析などに興味がある方がいらっしゃったら、ぜひご協力いただきたいと思います。

さて、コロナショックで日本舞踊教室も揺れています。1ヶ月前まではほとんどの教室は前と変わらずお稽古を続けている教室が多かったように思います。稽古はマンツーマンだし、教室の喚起もかんたん。通う際には人混みを避けて、稽古中もマスクをつけて、注意しながらやろうね、という雰囲気でした。

しかし公共施設の営業停止、感染拡大によって徐々に数週間、1ヶ月単位での教室のお休みが増え始めており、再開のめどが立たないことに戸惑いを隠せません。

教室ビジネスである日本舞踊教室はお稽古ができないとどうにもなりません。多くの教室は年に1,2回発表会を行いますが、その稽古がままならないし、施設自体が使えるようになるかもわからない。当然、月謝も滞るわけだから教室を専業でやっている教室は死活問題になります。

従って急いで対策を講じなければ。その試みの一つとして取り組んでいるのが日本舞踊の「オンラインレッスン」の仕組みづくりです。

オンライン英会話などを参考に、WEBコミュニケーションツールを用いてまずテストしてみようということで、オンライン英会話でおなじみの「Skype」、みんな使っている「LINE」、最近急成長の「ZOOM」の3つのツールを用いてレッスンを行いました。

【実施環境】

東京(講師側)
・インターネット:ワイモバイルWi-Fiルーター
・デバイス:ドコモのタブレット(dtab)
・設置方法:三脚にタブレットホルダーをつけて固定

長野(受講者側)
・インターネット:ソフトバンク光+附属のWi-Fiルーター
・デバイス:レッツノートSZ5
・設置方法:ダイニングテーブルに置いて使用

内容
端唄「香に迷う」の振り渡し(振りを渡す=振付を覚えるプロセス)

【テストの目的】
・オンラインレッスンをまずはやってみて、感想、メリット、課題などを洗い出す
・複数の動画コミュニケーションツールを使い、使用感や機能を比較する

【テストの流れ】
・参加者同士でテストの目的を確認
・曲を流し、最初の数分を稽古
・止めてレビュー
・何回か繰り返す
・次のツールのテストへ
・全体の振り返り

デバイスは、三脚にタブレット用のホルダーを装着しました。三脚はもともと持っていたヨドバシで3,000円ほどで購入したもの。ホルダーは今回のためにAmazonで1,000円ほどで買いました。

装着したらカメラを起動し、全身がうつるように高さを調整します。稽古の時間によっては、バッテリー、もしくは充電用ケーブルを接続しておく必要があるでしょう。

やってみた感想

思ったよりもお互いに順応し、ちゃんとした稽古になりそうです。通常の稽古より「言葉で説明」することの重要度が多くなりますので、講師側、受講者側ともに言葉で伝える力が求められそうです。

講師側
・いきなり鏡(左右逆)で踊らなければならないことに少し戸惑った
・振りを教える段階なので、相手をそこまで見なくていいので、いつもの稽古と変わらない
・稽古が進んでくると、体の細かい動きなどがきちんと見れるかどうかが少し不安
・簡単な指示で直せる人はいいと思うが、そうではない人は指導が難しいかも
・オンラインで教えるスキルが必要
・離れている人でも顔を見て話せるのがいい

受講者側
・案外できるもんだな
・録画すれば復習がしやすい
・実際に肩を触って、「肩はここまで落として」のような指導が受けられない

ツールによる機能や使用感の違い

音声・映像の質ではLINE・Skype、録画機能の使い勝手の良さという点ではZOOMに軍配があがりました。「講師・受講者の映像を並べて録画する」というのは、逆にオンラインレッスンならではの成果物で、復習に大きな効果が期待できます。

ZOOM
・録画機能が秀逸。
・ただ音飛び、映像飛びは一番多かった
・ホワイトボード機能などうまく活用すれば稽古の質を高める工夫が出来そう

LINE
・ほとんどの人がアカウント持ってると思うので設定は楽
・複数台使用はチャット履歴が飛ぶ可能性があり注意が必要
スマホ2台、もしくはスマホとタブレットで使うとバックアップしておかないと履歴が飛ぶ。
・録画には別途アプリケーションを入れる必要がある

Skype
・どちらかがアカウントを作る必要あり。(両方じゃなくていい)
・録画機能なし

プチトラブル事例

・マイク・スピーカーが反応しない
原因は大体決まっているので対処法がわかれば大丈夫

・左右反転問題
ZOOMで、普通に映っているのは左右逆だけど録画して再生すると正面からになっている。結論、慣れるしかない

・レコーディングの許可が必要(ZOOM)
ミーティングルームを作った人が許可しないと録画ができない(ZOOM)
最初に許可設定するか、教わる側がミーティングルームを作れば大丈夫

・画面が暗い
ただでさえ小さいタブレットの画面が暗いとみにくい。
明るさ調整である程度解決できる
カーテンを閉めるなど工夫する

・画面に映りきらない
カメラの場所を調整
デバイスに装着する広角にするレンズとかで解決できる気がする

そのほか気付いたことなど

・カメラの能力と広さの確保
カメラにおさまる範囲がおそらくデバイスによって違うため、「〇センチ離せばいい」とかが存在しない。事前テストが必ず必要だと感じた。確保できる場所の広さやカメラの能力によっては、オンラインレッスンを諦めないといけないケースも出てくるだろう。これは全身を映すためピアノなどのオンラインレッスンとは大きく異なる点。

・初期設定の面倒くささ
PC慣れ、スマホ慣れしてない人はかなり苦労する、稽古を始められない可能性もある。

・トラブル対応がすぐにできない可能性があるなと思った
オーディオデバイスの設定の変え方とか、初めて使うアプリでも、「このへんいじったら何とかなりそう」という慣れみたいなのがあれば対応できるけど慣れてないと大変かも

・ZOOMだけ、LINEだけではなく、他の通信手段を用意しておくのが良い
そのツールの調子が悪くなった時コミュニケーションが取れなくなる

・隣で見れない
2台目のスマホ、もしくはタブレットがあれば別角度からの撮影が可能

・教え方
実際に手を取って指示したりできないので、語彙力が試されるように思う。

・その他、環境設定の問題
インターネット、デバイス、ツールどの部分にボトルネックがあるかわからりづらい。データを取る必要ありと思いました。

日本舞踊のオンラインレッスンの質を高めるためにやるべきこと

「ウィズコロナ」の時代、日本舞踊教室が生き残っていくためには、オンラインレッスンの仕組みづくりを急がねばなりません。それにはいくつかのハードルがあります。適切な環境設定、講師側の最低限のITリテラシー(トラブルシューティングができる、受講者に環境設定の指示ができるなど)、オンラインレッスンのための指導・受講者スキルなどです。

これらを確立するためには複数のレッスン実施データを集め、分析すること、教育の仕組み、指導者・受講者のガイドラインが必要だと考えます。

もし、これを読んでくださった日本舞踊教室の方で、「オンラインで稽古をやってみたい!」という方がいれば、データ収集にご協力いただけませんか。どのような環境で、どのような機器・ツールを使い、どんな結果が出たか。これらを集めれば、最適なレッスン環境に必要なものが見えてきます。

私もこれから、得られたデータは許す限り公開していきます。日本舞踊の未来のために、ともにがんばっていきましょう!

オンラインレッスンカテゴリの最新記事