あなたの日本舞踊教室は「誰」を満足させる?【趣味なびインタビュー】

教室集客のやり方は変えていないのに、問い合わせが増えない。新型コロナウィルスに、オインラインレッスンの流行、いろんな影響があるのかな。
これから習い事マーケットはどうなっていくんだろう、日本舞踊教室の集客はどうしていったらいいんだろう。
日本舞踊教室の先生の、このような疑問に答えるべく、総合習い事・体験マッチングサイト「趣味なび」に取材いたしました。
新型コロナウィルスの影響で、習い事マーケットはどう変わったのか?注目されている習い事は?リピーターになりやすい意外な顧客層とは?趣味なびのサービスや取り組み、そして日本舞踊教室へのアドバイスも伺いました。
取材内容はこちら。
・習い事マーケットの変化は大きく2つ
・大切なのは「どういう教室」なのかを伝える情報
・今後は「多様化するニーズ」と「スピード感」への対応が必要
・日本舞踊教室が選ばれるには・・・
・誰を満足させるのか?
・趣味なびのサービスや取り組み
趣味とまなびの「体験」&「教室」さがしサービス 趣味なび
”「趣味」と「まなび」の『わ』をひろげ、生きがいエンジンに火をつける!”を理念に、
・趣味とまなびの「体験」&「教室」さがしサービス「趣味なび」の運営
・企業向けマーケティング支援サービス「先生発信プロモーション」
・趣味なび大学サイトの運営
などを行っています。
「趣味なび」には15,400教室、オンラインレッスン・ワークショップ 3,600件が登録(2021年3月現在)。

うめざわ
「趣味なび」広報の齋藤さまにお話を伺います。本日はよろしくお願いします!

趣味なび 齋藤さん
よろしくお願いします。
習い事マーケットの変化は大きく2つ

うめざわ
さっそくですが、まず習い事マーケットについて、伺っていきたいと思います。新型コロナウィルスの影響などまだまだ強いと思いますが、ここ最近の習い事マーケットでの変化を振り返っていかがですか。
オンラインレッスンの増加とマインドの変化

趣味なび 齋藤さん
ひとつ目の大きな変化は「オンラインレッスンが増えたこと」です。コロナウィルスの影響が出始めたころは、スポーツジムでクラスターが発生したことが大きく報道されるなど、習い事にも大きな影響が出ました。
「人と会うことは避けたい、でも学びたい」というニーズに対して、教室側も感染対策を強化しつつ、オンラインでもレッスンを受けられます、という教室が増えました。
趣味なびでも、オンラインレッスンはほとんどゼロに近かったのに、登録が増えました。日本舞踊も増えましたし、ダンス、音楽、ハンドメイド、料理のほか、三味線やお琴、着付けなど「文化伝統系」のジャンルも増えています。

趣味なび 齋藤さん
もう一つの変化は「探す人のマインド」です。
おうち時間が増えたことで、いままで習い事を探していなかった人のマインドが「生まれた時間の余裕を有益に使いたい」「趣味はなかったけど何か探してみようかな、という風に変化してきています。趣味なびにもそういった方の登録が増えていますね。
短期完結型、副業を見据えて・・・レッスンは多様化

うめざわ
ありがとうございます。そのような変化の中で、どういうレッスンが人気ですか?

趣味なび 齋藤さん
いままでのイメージの習い事とともに、ワークショップのような1回~数回完結型のレッスンも人気があって、多様化してきているのが最近の傾向です。
インターネットでいろんなものを探せるし選択肢が増えているため、時間もコンパクトにまとまっていて、気軽に体験しましょう、身体一つで始められます、というような気軽さ、手軽さのあるものが増えていると思います。
また、単純な趣味としてではなくて、将来的に「副業」として自分が教えることも視野に、習い事を始める方も増えています。先生になるための準備として、まずは自分が習う、というようなことですね。

うめざわ
なるほど、趣味も、体験の仕方も多様化しているんですね。
その中で、依頼が来やすい教室の特徴、体験の特徴を、具体的に教えていただけますか?
大切なのは「どういう教室」なのかを伝える情報

趣味なび 齋藤さん
「情報量の多さ」が大切です。
体験する人にとっては、はじめて飛び込む世界です。そういう人にとって、すでにできあがっているコミュニティに入っていく心理的なハードルはかなり高いものがあります。
お写真が多いこと、先生のプロフィールを充実させていることはもちろん「初心者が○人います」や「たくさん経験がある人と一緒と習えるので上手になれます」「○代の女性が多いです」など、体験する人が共感出来たり、安心できるような情報を書くといいですよ。

趣味なび 齋藤さん
写真も教室の雰囲気を表すものがいいですね。
先生のお写真だけじゃなくて、踊りを指導されている写真だとか、お稽古が終わって談笑している写真だとか。
「ここなら楽しくやれそう」
「厳しいけど、すっごく上手になれそう」
「発表会に向けてがんばっているところなんだ」
など、教室の情報を見て、体験する人が「なぜこの教室を選ぶのか」が伝わることが理想です。

うめざわ
教室の雰囲気を正確に伝えることはミスマッチを防ぐことにもつながりますよね。
教室の雰囲気をリアルに伝えることが「ここに行ってみたい」につながる
今後は「多様化するニーズ」と「スピード感」への対応が必要

うめざわ
今後の習い事マーケットのトレンドと、それに対してすべき対応はどういうものだとお考えですか?

趣味なび 齋藤さん
「多様化するニーズに応えていける教室」「スピード感を変えられる教室」が選ばれていくと思います。
シニアの方々の変化

うめざわ
なるほど、具体的に知りたいです!

趣味なび 齋藤さん
例えば最近ではシニア層の方も「オンラインレッスン」のようなサービスに馴染んできています。
シニアの方は最初の一歩を踏み出すハードルは高いのですが、一度やってみたら「なんだ、オンラインレッスンってこんなに簡単なのか」と続けられる方も多いようです。
「シニアの方のリピート率が一番高い」と感じてらっしゃるお教室もあります。
シニアの方は、趣味を大事にしたいという気持ちが強いのが特徴です。シニアの方が取り組みやすいもの、フォローの仕方をうまくつくれた教室は人気があります。

趣味なび 齋藤さん
また企業様から社員満足度を上げるためのレッスンをリクエストしていただくことも増えています。
そうしてどんどん多様化していくニーズに応えるためには、長く続けないと教えられませんよ、ではなく、ここまでは短期間で教えられます、というような終わりがあるレッスンが柔軟に作れると、いいと思いますね。

うめざわ
習い事というと、つい、ずっと続けるというのが当たり前と思ってしまいますが、最初から一定期間で完結するような、フレキシブルな体験のニーズも増えているということなんですね。

趣味なび 齋藤さん
月謝制を辞める教室もあります。
忙しい社会人の方だと、自分の都合だけではスケジュールを決められません。お休みしてもお金がかかるとなると満足度が下がってしまいます。
習い事の優先度が高く集中してガッとやりたい人もいれば、そうでない人もいます。生徒さんのスピード感に合わせられる教室が選ばれますね。
日本舞踊教室が選ばれるには・・・

うめざわ
今後、日本舞踊や伝統芸能がアピールしていくために、アドバイスをいただけますか?

趣味なび 齋藤さん
やっぱり「格式が高い世界」「非日常でイメージが湧きにくい」という印象が強いので「気軽に来てみてね」というメッセージを伝えることが大事だと思います。
趣味なびのサイトは動画を入れられるので、例えば「あなたの参加お待ちしてま-す」みたいな動画メッセージを入れるとか。
敷居が高いのがいいところもあると思うんですけど、カジュアルに、とにかく面白そう、やってみようと思ってもらうこと、イメージが湧きにくいところを「見える化」することがポイントではないでしょうか。

うめざわ
さきほどの「情報量の多さ」にも通じる話ですね。
こういう教室を参考にしたらいいよ、というような例はありますか?

趣味なび 齋藤さん
そうですね「料理教室」などはたくさんあってライバルが多いので「うちの教室はここがポイント」ということをしっかり見せている教室が多いですね。
例えば、過去にはこういうレッスンがありました。
「一回でいいから本格的なタイ料理を作ってみたいあなたへ」
「特別な日のおもてなし料理を作ってみませんか?」
「今日、スーパーで全部揃えられる食材で作ります」
「料理」でレッスンを検索すると1,200件近い講座が(日本舞踊の6倍以上)

うめざわ
面白そうですね!どれもユニークで、何を教えてもらえるかが明確です。
誰を満足させるのか?

趣味なび 齋藤さん
教室の「こういう生徒さんに来てほしい」「こういう人を満足させるんだ」というメッセージが明確ですよね。
きっと日本舞踊教室の先生方は素晴らしいことをされていると思うんですが、それが当たり前になってしまっていて、なにが魅力になるのかがわからなくなっている可能性もあると思います。

うめざわ
生徒さん目線で、何を教えてあげたら喜ばれるのか、何を解決してあげられるのかなどを再確認してもいいですね。

趣味なび 齋藤さん
「俺の日本舞踊」の記事にも、男性は「男踊り」がちゃんと教われる教室かどうか確認しましょう、みたいな記事があったじゃないですか。そういう風に、
「私はこういうことが強みなので、しっかり教えてあげられます」
「子供の頃やってたけど、50代になってまたやってみたいあなたへ」
「まったくやったことないけど、今から師範になりたいあなたへ」
このような「こんな人を私は満足させる」というメッセージが必要かなと思います。

うめざわ
とても具体的なアドバイス、ありがとうございます!そのままレッスンタイトルに使えそうです!(笑)
趣味なびのサービスや取り組み
趣味なびは14年間にわたり教室運営をサポート。教室情報やレッスン掲載料は無料で、問い合わせや入会につながったときも販売手数料などは発生しない。
教室からは原則料金をもらわず、運営費は企業からの教室に対してのサンプリング依頼や、先生への講師依頼、出演依頼など、企業からの広告費によってまかなわれているというのが、ほかのマッチングサイトとの大きな違いだ。

うめざわ
趣味なびさんのサービスについても教えてください。

趣味なび 齋藤さん
人生100年時代、いつまでも「生きがい」をもって生活していくためには「趣味」「まなび」が必要です。
私たちは、人々の「生きがい寿命」を伸ばすため、「生きがいエンジンに火をつける!」ことを理念としています。
その生きがいエンジンに火をつけられるのは「趣味」「まなび」を提供する「先生」たちです。
そんな先生たちを徹底的に支援しています。
趣味なび理念

うめざわ
趣味なびさんの先生向けサービスの中でも、「趣味なび大学」と「エシカル消費推進部」が特に面白そうだと思いました。これらについて教えていただけますか?
「趣味なび大学」では教室運営に役立つ情報や先生インタビューなどが発信されている

趣味なび 齋藤さん
趣味なび大学は先生のために役立つ情報を発信しているメディアです。もともとは先生向けの創業支援のサービスだったのが、2018年にリニューアルし、創業スクールとメディアに分かれ、今の形になりました。
近くの先生同士は、どうしてもライバルになってしまって、相談できない、弱みをさらけ出せないという悩みが非常に多いんです。
そこで「趣味なび大学」で教室に役立つ情報を見ていただいたり、発信だけではなく、懇親会や、先生のFacebook グループで交流、相談もしていただけます。
Facebookグループでは、私たちから先生向けのお仕事の依頼をさせていただくこともありますよ。
先生とともに「SDGs」へも取り組んでいる

趣味なび 齋藤さん
エシカル消費推進部は「SDGsを草の根から広げ、生活に根付かせる」をコンセプトとしたプロジェクトです。
「SDGs」への取り組みを一緒に考えたり、すでにされている活動の中から、SDGsな活動を発見してお伝えしていくという活動をしています。約100名の先生がFacebookグループに参加されていて、活発に議論が行われています。
SDGs(エスディージーズ)とは・・・「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標。「貧困をなくそう」「質の高い教育をみんなに」「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」など17の目標と、それをさらに具体化した169のターゲットから構成されている。消費者からも企業のSDGsへの取り組みが注目されるなど、社会の関心が高まっている。

うめざわ
同業や身近な先生だと、どうしてもライバル視してしまったりして相談しにくかったりすると思うので、こういうコミュニティがあるはいいですね。
エシカル消費推進部も、まず取り組み自体が素晴らしいですよね。そして「SDGs」のような個人でキャッチアップして形にしていくのが大変、というものを、みんなでディスカッションしながら進めていけるのは、とても頼りになると思いました。
オンラインレッスンの支援も行っている(一部教材は有料)

うめざわ
最後に日本舞踊の先生にメッセージがあればお願いします。

趣味なび 齋藤さん
「生きがいエンジンに火をつける」という私たちの理念は、先生たちのお力なくしては実現できません!
趣味なびは無料で利用できますので、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。
また、過去に登録して忘れてた、ログインできなくなった、というような場合でも、お気軽にお問合せください!

うめざわ
本日は、貴重なお話を、どうもありがとうございました!

