民謡「天龍下れば」歌詞と解説
日本舞踊で人気の民謡「天龍下れば」の歌詞と解説です。

「天龍下れば」の解説
作詞は長田幹彦、作曲は「シャボン玉」や「証城寺の狸囃子」「カチューシャの唄」などで数多くの名曲で知られる中山晋平。新民謡とも言われています。
「天龍下れば」の舞台は「天竜川」。長野、愛知、静岡を流れ、太平洋に注ぐ日本有数の河川です。
この歌には「御嶽山節」という元歌がありまして、信濃、三河、飛騨の山間部で祝い唄・仕事唄として歌われていました。明治から伊那地方で「伊那節」と名前を変えて天竜川下りの歌となり、そこから長田幹彦が詩をとって補作。「天龍下れば」が誕生しました。
そしてこの曲は、この歌を歌った歌手「市丸(いちまる)」を抜きには語れないでしょう。市丸(江戸小歌市丸。1906年〜1997年)は作曲者の中山晋平と同じ長野県出身の歌手で、若い頃から長唄、清元、小唄の研鑽に励み(いずれも名取)、浅草の人気芸者として大変に売れた人でした。レコードブーム、歌謡曲ブームに乗り歌手としてデビュー。ライバルの小唄勝太郎とともに「市勝時代」と呼ばれる一時代を築きます。
「天龍下れば」は、同郷出身の中山晋平の作品であり、市丸自身が何としてもヒットさせたいと、舞台や放送では必ずこの歌を歌い、執念とも呼べるPR活動により大ヒットにつながった、というエピソードがあります。
「天龍下れば」の歌詞
ハア 天龍下ればヨーホホイノサッサ
しぶきに濡れてよ
咲いた皐月に エー
咲いた皐月 虹の橋
ホンニアレハサノ 虹の橋
ハア 伊那の夕空ヨーホホイノサッサ
あの片しぐれよ
明日は下りじゃ エー
明日は下りじゃ 笠ほしや
ホンニアレハサノ 笠ほしや
ハア 筏つないだヨーホホイノサッサ
藤蔓(ふじづる)さえもよ
切れりゃ気になる エー
切れりゃ気になる 夫婦岩
ホンニアレハサノ 夫婦岩
