端唄「奴さん」の歌詞と解説
日本舞踊で人気の端唄「奴さん」の歌詞と解説です。
「奴さん」の解説
人に代わって願掛けや水垢離(みずごり)をする所から”願人坊主”と呼ばれた僧が、街頭で囃して踊り最後に「エー奴さんどちら行く」とお定まりのように唄いました。
それが、寄席や花柳界に広まって独立。大衆に大いに受け入れられ、端唄と言えば”奴さん”と思われるほどになりました。
願人坊主は半僧半俗の僧であったものが次第に芸などを披露して金銭を乞うようになり、やがて僧の格好をした大道芸人を指す言葉になりました。この歌の中で「エー奴さんどこへいく」と呼びかけているのは、こちらの芸人のイメージでしょう。
「かっぽれ」も願人坊主が始めた踊りとして有名です。
「奴さん」の歌詞
エー 奴さん どちらへ行く(アーリャコリャコリャ)
旦那を お迎えに さっても寒いのに 共ぞろい
雪の降る日も 風の夜も サテお供はつらいネいつも奴さんは 高端折り(アリャセコリャセ)
それはそうかいなあえエー 奴さん ほんかいな(アーリャコリャコリャ)
きぬぎぬの 言葉も交わさず あすの夜は
裏の窓には わし一人サテあいずは良いかしゅびをようして 逢いに来たわいナ(アリャセコリャセ)
それもそうかいな アーコリャコリャ

