常磐津「夕月船頭(ゆうづきせんどう)」歌詞と解説

常磐津「夕月船頭(ゆうづきせんどう)」歌詞と解説

日本舞踊で有名な常磐津「夕月船頭(ゆうづきせんどう)」の歌詞と解説です。

常磐津「夕月船頭」の解説

淀川を渡る三十石舟の船頭が主人公の常磐津です。弘化四年(1847年)に四代目市川小團次が江戸・市村座で踊った七変化舞踊「四季写土佐絵拙(しきうつしとさのふつつか)」の中の一曲。

四代目市川小團次は元は江戸役者でしたが子供の時に大阪へ行って修行し、立派な役者になって江戸へ帰ってきました。市村座でのお披露目芝居で、あまり踊りは得意でないが七変化を踊り、「船頭は悪かった。茶船乗りか、渡舟の船頭であろう。あんな船頭は江戸の舟宿にはあるまい。」と悪口を言われていたということが当時の書物に残っています。

淀川の船頭なので江戸らしくなくて良いのですが、その後、この踊りはすっかり江戸式に踊られています。初演では悪口を叩かれた「夕月船頭」ですが、段取りや作曲の面白さから、船頭の踊りといえばこの曲となり「小團次の船頭」とも言われます。

常磐津「夕月船頭」の歌詞

夕月に涼風を、まつか花火や三股の、岸に繋ぎし通ひ船、星も欺く賑ひは、確か違はぬ彼奴が声

オイ取楫(とりかじ)

篠を束ねて突くような雨に、濡れて通うが憎かろか

あたる あたる あたる あたる あたりやす

爰(ここ)も名高き淀川の、流れを渡る気散じは、気も巾広な緋縮緬

締めて結んだ鉢巻も其処が根生の水の恩

三筋の糸をかりぶしに

淀の川瀬のナア景色をここに、曳て上るヤレ三拾石船(さんじゅっこくぶね)に、清き流れを汲む水車、廻る間毎は皆水馴棹、さいた盃盞(はいさん)押えてすけりや、酔て伏見へ管巻縄よ、斯した所は千両松ヨイヨイヨイヨイ宵の雨

逢いたさに一人夜深に来たものを

ちよっと切戸を開てんかいな開てんかいな お隣さん

モシお在宅かお宿かお留守さんか居ないのに、トントントンと叩いても、エエ エエ 自烈度ではないかいな

させば出て行くささねば行かぬ、さして下んせオオイ船頭さん、オオイ オオイ オオイ オオイあの声は嬉しからうぢやないかいな面白や

屋台囃子にそやされて、浮れ浮かれて走り行く

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