舞踊小曲「花かげ」歌詞と解説

舞踊小曲「花かげ」歌詞と解説

月夜に桜吹雪が舞う中、お嫁に行ってしまうお姉さんとの別れを悲しむ歌です。

舞踊小曲「花かげ」解説

作詞者・大村が、嫁入りする姉を見送った実体験

この詩は、山梨出身の詩人、大村主計(かずえ(男性))が、20歳の時に、実体験に基づき、一夜で書き上げたものだと言われています。

大村が少年のころ、姉の「はるえ」が嫁ぐ日に、向嶽寺境内の桜並木を通って嫁入りしていく姿を、涙ながらに見送った切ない思い出が脳裏に刻み込まれていたからだということです。

歌詞に出てくる「俥(くるま)」とは、人力車のこと。仲の良かった姉が離れた村へ嫁いでいくのを見送る、少し、甘くて切ない歌詞ですね。

詩人、経営者などとしても活躍した大村主計

大村主計は教員養成学校を卒業後、東洋大学国文科を卒業。「青い山脈」の作詞で知られる西条八十(さいじょう やそ)に師事し、文筆活動を行います。

その一方で、テイチクレコード、時事通信社、東京タイムス取締役、スポーツタイムズ社長などを歴任し、ビジネスマン、経営者としても成功を収めたようです。文芸の分野でも、日本音楽著作権協会、日本童謡協会をはじめ多くの文化団体要職を歴任しています。

「絵日傘」の大村・豊田コンビ

作曲の豊田義一(とよだぎいち)とのコンビで1931年(昭和6年)に発表されます。「花かげ」はその後、様々な歌手が歌って大ヒットとなりました。同じ大村・豊田コンビの曲に、「絵日傘」があります。

少年・大村主計が姉を見送った桜並木は現在ありませんが、地元の有志が植樹を行い、桜並木の復元を進めているそうです。

作品情報

作曲者 豊田義一(とよだぎいち)
作詞者 大村主計(おおむらかずえ)
 発表 1931年(昭和6年)

舞踊小曲「花かげ」歌詞

十五夜お月さま ひとりぼち

桜吹雪の 花かげに

花嫁すがたの おねえさま

俥(くるま)にゆられて ゆきました

 

十五夜お月さま 見てたでしょう

桜吹雪の 花かげに

花嫁すがたの ねえさまと

お別れおしんで 泣きました

 

十五夜お月さま ひとりぼち

桜吹雪の 花かげに

遠いお里の おねえさま

わたしはひとりに なりました

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