常磐津「かつを売り(かつおうり)」の歌詞と解説

常磐津「かつを売り(かつおうり)」の歌詞と解説

常磐津、日本舞踊でおなじみの「かつを売り」の歌詞と解説です。「松魚売り」とも表記します。

stand.fm」にて、音声解説始めました。音声で聞きたい方はこちらをどうぞ。


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「かつを売り(かつおうり)」の解説

江戸っ子にとって初鰹は特別なもの。

鰹は五穀豊穣の恵みをもたらす梅雨と夏を連れて来る大変縁起の良い魚として、真っ先に将軍に献上されためでたい魚です。将軍様のお膝元の江戸っ子としては、なにはさておき食べたかった初鰹。その初鰹が出回ってお祭り騒ぎの江戸の町の様子が伝わってくる一曲です。

文化九年(一八一二年)日本橋魚河岸に入荷した十七本の鰹のうちの一本を歌舞伎役者の中村歌右衛門が三両で買い、楽屋中に振舞った、という記録があります。当時の下級武士の収入が「三両一人扶持(現金三両と米一年分)」だったといいますから、鰹一本はかれらの年棒に迫る金額でありました。まさに「てっぺんかけたか」と飛ぶほととぎすに負けない天上知らずの高値の鰹でした。

女房を質に入れても初鰹

井戸端でみせびらかして刺身をし

まな板に小判一枚初鰹

初鰹にわかに安くなるさかな

鰹をテーマにした、たくさんの川柳が残されていることからも、江戸っ子の鰹への並々ならぬ情熱が伝わってきます。ちなみに、当時はたたきにしてねぎやショウガを添えるのではなく、生のまま刺身にして辛子醤油で食べたそうです。

「かつを売り(かつおうり)」の歌詞

目に青葉、やまほととぎす、てっぺんかけて、かつを、かつを かつをかつをと売る声も、勇み肌なる中ツ腹、五十五貫も何のその河岸の相場はきなかでも、まけぬ江戸ツ子、水道の水に洗ひ上げたるいけたごの、いきで、いでもの店先のそろばんづくならよしなんし、ふりばんとさん、そんなその、鉢巻させるじゃごんしない。

しらぬ勢の兄さんを、みそこなったか闇雲に、たかくとまったおみ堂の鴉、見栄も飾りもひょうたんも、値切っちゃいけねえ、さげぜにで、これでも晩にはお客さん、ひやかしかづの子の声がすりゃ、長屋のあねェが飛んで出る、蝶々のかんざし三大に、打かへさしたるぐいぎまり、好いた勢ぢゃないかいな、なんの男は百貫だ、せいだせ、そこだぞ商大事、得意旦那は八百八町、八千八声ほととぎす、初と云う字を勇みにて、かつをかつをと・・・・・・・・・・

参考記事

江戸時代の鰹売りはどんな姿?鰹は鎌倉が最高だった?

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