【コロナ禍の2020年を振り返る#1】日々お稽古できる「幸せ」と「行動力」を大切に~若柳喜美奈~
うめざわ
ここで、悩みながらも、さまざまな活動をされてきた先生と一緒に、この一年を振り返ってみたいと思います。
まだこれからも何が起こるかわからないことばかりですが、この一年、先生たちがどのように悩み、考え、行動されたのかを知ることで、未来のヒントが得られるのではないかと思います。
うめざわ
若柳喜美奈(わかやぎきみな) プロフィール
公益社団法人 日本舞踊協会 神奈川県支部所属
3歳のとき舞踊家の祖母の影響で日本舞踊を習い始める
5歳で初舞台
20歳で正派若柳流 名取取得
24歳で正派若柳流 師範取得
2018年 若柳喜美奈日本舞踊教室を開く
これからなのに・・・やりたいことができない戸惑い
うめざわ
若柳喜美奈(きみな)さん
いまでこそ、10名を超えるお弟子さんに恵まれていますが、コロナ騒動が始まった1年前は、教室がまだそんなに流れに乗っていないときで、お弟子さんを増やすためにもイベントをたくさんやろうと思っているときにこういう風になってしまいました。
いろんなことをやりたい気持ち、思いついたことができない戸惑いが、すごく大きかったです。
若柳喜美奈日本舞踊教室の主な活動(2020年~)
2020年
・次第に新型コロナウィルスの影響が大きくなる
・感染対策を行いながらお稽古を継続
・11月 ワークショップ「かたばみ塾」を開催(門下生のみ)
2021年
・1月 緊急事態宣言を受けて「踊り初め」を延期
・5月5日 延期されていた「踊り初め」を開催
うめざわ
その時に、その年初めて行った新年の踊り初めを、毎年続けていきたいとおっしゃっていたのを覚えています。
*1年前の取材記事はこちら>>【取材】日本舞踊にはいろんな「楽しい」が詰まってる~若柳喜美奈(わかやぎきみな)~神奈川県横浜市)
日本舞踊は「不要不急」か?
若柳喜美奈(きみな)さん
発表会もやっていいのかどうか、悪いことをしているような後ろめたさを感じたりだとか。
普段のお稽古でもお休みはしたくない。でも世間では「不要不急」なんじゃないかと思ったり。
でも、やっている人にはわかると思うのですが、日本舞踊は「不要不急」ではないところもあると思うんです。
うめざわ
お稽古はどのようにされていましたか?
若柳喜美奈(きみな)さん
私は、稽古場を休みにはしないけれど、お稽古を休むか否かはお弟子さん各々に任せると言う選択をしました。
私自身にとっては日本舞踊は生業です。そう決めていますし、お稽古しないと芸が離れてしまいます。
一方で、お弟子さんから見て習い事は、どうしても今すぐ行かなければ生きていけない、生活が出来ないものではありませんよね。
「不要不急」に正解はありませんが、みなさん、自分磨き、娯楽・楽しみ、自分の携わる何か別のことの為のお勉強だったり「要」である理由があって、お稽古にはいらっしゃっているんだと、そう思ってます。
うめざわ
対策をしながらお稽古は続けつつも、11月にはワークショップに取り組まれましたね。
ワークショップ「かたばみ塾」を開催
ワークショップ、準備中‼️
お稽古場が広い〜♪#日舞 #日本舞踊 #ワークショップ #準備中 #緊張してます #成功祈願 pic.twitter.com/n9F0UkxazB— きみな🐾日舞っ子@横浜 (@kimina_w) November 1, 2020
若柳喜美奈(きみな)さん
ワークショップはコロナの前からやろうと思っていたことなんですが、コロナになって実現が難しくなっていました。
感染状況が落ち着いて劇場なども再開してきた11月に、お弟子さん達だけで行いました。
ワークショップ「かたばみ塾」第一回、お陰様をもちまして無事に執り行うことが出来ました!!!
皆様、ありがとうございました🙏💓インスタライブ、途切れちゃったのですが💦
見てくださった方ありがとうございました😊#日舞 #日本舞踊 #ワークショップ #お扇子 #インスタライブ pic.twitter.com/2cjsmzo4Lz— きみな🐾日舞っ子@横浜 (@kimina_w) November 1, 2020
うめざわ
若柳喜美奈(きみな)さん
もともとの目的は、日本舞踊を知ってもらう機会にすることと、お弟子さんたちの交流です。
当初は、お弟子さん達だけではなく、お知り合いや地域の方など、外部の方も参加できるワークショップのにする予定でした。
日本舞踊を体験するにも、いきなりマンツーマンだとハードルが高く感じる方もいるので、そういう方にも参加しやすいイベントです。ですが、今回は状況が状況なので外部の方は呼びませんでした。
若柳喜美奈(きみな)さん
もう一つは、お弟子さん同士の交流です。
お稽古場では曜日や時間が合わないと集まるということがなかなかありませんので、ワークショップで普段会わない方とも交流してほしいなと思いました。
ワークショップはマスク着用で、お話も控えめに、という形ではありましたが、良い交流の機会になったと思います。これからもタイミングを見て続けていきたいです。
緊急事態宣言で「踊り初め」を5月に延期
うめざわ
若柳喜美奈(きみな)さん
うめざわ
昨日、令和3年5月5日、喜美奈会発表会を無事に終えました。
コロナ禍での開催は、正直な話、悩みました。
やりにくかったです。
周りの目も怖かった。それでも決行して良かったと思っています。
一区切りをつけて、また今日から元気に楽しくお稽古しております😊✨#日舞 #日本舞踊 #発表会 pic.twitter.com/NUFcJokzPr— きみな🐾日舞っ子@横浜 (@kimina_w) May 6, 2021
若柳喜美奈(きみな)さん
やはり、一つ区切りをつけないと前に進めない、という気持ちが強かったですね。
発表会を節目としてお稽古してきたので、今年の発表会はどうなるんだろう、というもやもやが稽古場全体でもストレスになっていました。
このタイミングで出来なければ、もう延期ではなく、今年の発表会は中止にしようと考えていました。ちなみにそうなったときは、一人ひとりの踊りを映像に残してあげようと思っていました。
うめざわ
若柳喜美奈(きみな)さん
サーキュレーターを置いたり、換気やドアノブ消毒したり、など対策を行いました。
マスクをしながら、なるべく会話を控えながらなので、いつもにはない緊張感はありましたね。
若柳喜美奈(きみな)さん
でも、やってよかったと思います。
発表会が初めての方も3人いらっしゃって、すごく緊張されてたんですが「終わってみたらあっという間で、楽しかったです」とおっしゃっていました。
うめざわ
大変なことが多かった1年ですが、逆にこの1年で得られたこと、学んだことなどはありますか?
日々お稽古できる「幸せ」と「行動力」を大切に
若柳喜美奈(きみな)さん
若柳喜美奈(きみな)さん
そして、私自身も、日本舞踊も変わっていかなくちゃいけないんだなと思いました。
伝統芸能って、大事なものは大事にして、守っていくことが大切だと思うんですけど、変わっていくことも必要だなと思います。
こういう状況になって、日本舞踊も変わるところは変わらないと、人口がどんどん減っていってしまうのではないかという心配はあります。
私自身も、教わったことをすべてそのまま真似すればいい、のではなくて、今の時代の、私の稽古場にしていかなければならいなと感じます。
うめざわ
若柳喜美奈(きみな)さん
コロナのことがあって、できるときにすぐやる「行動力」って大事だなと思いました。なので、思いついたことを積極的にやっていきたいと思っています。
ワークショップも続けていきたいですし、コロナが落ち着いたらみんなでおでかけなどもしたいです。
前は寄席に行ったり、お弟子さんが出演しているミュージカルをみんなで見に行ったりしていたんです。そういうこともまたしたいですし、和舟をこぐ体験とか、お勉強半分、楽しみ半分みたいなものとか。
若柳喜美奈(きみな)さん
あとは地元のカフェで、私一人が踊りを見せて、そのあとプチ勉強会みたいな、これもワークショップといえるかもしれないですけど、そういうこともやってみたいですね。
みなさんには、今まで見たことのないことを見てほしいし、そういうことを私からどんどん提案して、みんなの世界を広げていきたいです。
うめざわ
これからも活動がんばってください!
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